発達障害の子のお金とのつきあい方|金銭感覚の育て方を公認心理師が解説

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「気づいたら課金で数万円」「おこづかいを一日で使ってしまう」。お子さんのお金の使い方に、ヒヤッとした経験はありませんか。

私は公認心理師として、子ども家庭支援センターで発達に特性のあるお子さんとご家族の相談を受けてきました。以前の職場では、思春期の子どもたちとも向き合ってきました。

この記事では、発達障害のあるお子さんのお金とのつきあい方を、ご家庭で育てる関わりをお伝えします。お金の苦手は、特性が関係していることが多いもの。叱るより、一緒に育てる視点で見ていきましょう。

📖 こんな方に読んでほしい記事です

  • お子さんの衝動買いやゲーム課金に、ヒヤッとした経験がある方
  • おこづかいをすぐ使い切ってしまい、どう教えればいいか悩んでいる方
  • 中高生のキャッシュレスやバイト代の管理が心配な方
  • お金の使い方が気がかりで、関わり方に迷っている方

目次

なぜお金の管理が苦手なの?背景にある特性

チェックリスト
ゆう

お金の苦手も、特性が関係しています

お金をうまく使えないと、つい「だらしない」「わがまま」と感じてしまいますよね。でも、その背景には発達特性が関わっていることがあります。性格やしつけのせいではありません

お金の「苦手」の背景にあるもの

  • 衝動性:欲しいと思うと我慢がむずかしく、その場で買ってしまう
  • 見通しの立てにくさ:「あとで足りなくなる」を想像しにくい
  • こだわり:欲しいものへの気持ちが強く、抑えるのがむずかしい

大切なのは、これは“治す”対象ではなく、その子のペースで”育てる”ものだという視点です。叱って直すより、お金とのつきあい方を経験を通して少しずつ身につけていく。そう考えると、関わり方が変わってきます。発達特性の全体像は、こちらでまとめています。

おこづかいで「使う力」を育てる

ゆう

失敗できる安全できる場が、いちばんの教科書

金銭感覚は、知識として教えるより、実際に使ってみる経験を通して育ちます。その練習にぴったりなのが、おこづかいです。家庭という安全な場で、小さな失敗をしながら学べるのが何よりの強みです。

おこづかいで育てるコツ

  • 少額から:まずは管理しやすい金額で始める
  • 期間を決める:週ごと・月ごとなど、区切りを決めて渡す
  • 使い道を一緒に考える:「何に使う?」と予算を立てる練習をする
  • 使い切っても足さない:「次まで待つ」経験が、計画する力を育てる

一日で使い切ってしまっても、責めないでくださいね。「計画的に使わないと、あとで自分が困る」と本人が体験から学ぶことに意味があります。最初は現金で、お金が減るのを目で見られるようにすると、感覚がつかみやすくなりますよ。

お子さんとのお金の関わり、ひとりで悩んでいませんか

公認心理師など専門家に、オンラインで相談できます。お子さんが寝たあとの時間にも。

中高生のリアル|課金・キャッシュレス・バイト

カウンセラーに相談
ゆう

見えないお金ほど、使いやすいんです

中高生になると、ゲーム課金やスマホ決済など、現金を使わない場面が増えます。ここで気をつけたいのが、キャッシュレスは「お金を使っている感覚」が薄くなること。見通しが立てにくいお子さんほど、つい使いすぎてしまいます。

これはあくまで一般化した事例ですが、高校生のEさんは、ゲーム課金が止まらず数万円を使ってしまいました。ご家族は叱るのではなく、課金は月の上限を決めて一緒に管理する、と話し合いました。「使っていい範囲」を見える形にしたことで、Eさん自身も金額を意識できるようになっていったそうです。

工夫のポイントは、上限を決める・課金は事前に相談するルールにする・チャージは少額ずつなど、使いすぎを”仕組み”で防ぐことです。お年玉やバイト代も、一度に渡さず一緒に管理すると安心です。もし課金や買い物が止められない状態が続くときは、こちらもご覧ください。

将来の金銭自立に向けて|親の関わりと頼れる先

ゆう

ゆっくりでいい。一緒に育てていきましょう

金銭感覚は、一朝一夕には育ちません。完璧を目指さなくて大丈夫です。苦手な部分は「仕組み」でカバーするという発想も、立派な自立のかたちです。限度額を低めに設定する、家計を一緒に見るなど、工夫しだいで困りごとは減らせます。

そして、すべてをご家庭だけで抱える必要はありません。専門家に相談しながら、お子さんに合った方法を一緒に探していくこともできます。お金とのつきあい方は、生活スキル全体の一部でもあります。あわせて、こちらの記事も読んでみてください。

まとめ

発達障害のあるお子さんのお金とのつきあい方を育てる関わりについて、振り返ります。

  • お金の苦手さは衝動性や見通しの立てにくさが背景。性格やしつけのせいではない
  • おこづかいは、家庭という安全な場で「使う力」を育てる練習になる
  • キャッシュレスや課金は使いすぎやすい。上限やルールなど”仕組み”で防ぐ
  • 完璧を目指さず、苦手は仕組みでカバー。頼れる先も知っておく

お金の話は、つい不安が先に立ってしまいますよね。でも、失敗も含めて経験を重ねるうちに、お子さんなりのつきあい方が育っていきます。今日のヒヤッとした出来事も、学びのきっかけになります。あせらず、一緒に育てていきましょうね。

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ゆう
この記事を書いた人:ゆう
公認心理師(国家資格)
元 少年鑑別所 心理技官(18年)
現職:子ども家庭支援センター
3,000人以上の親子の相談、500件以上の心理検査の経験から、発達障害・不登校・子どもの問題行動でお悩みの保護者へ、「親自身が自分を責めなくていい」視点で記事をお届けしています。

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