【認知行動療法】を自分でやる方法|心理士が分かりやすく解説!

自分でやる認知行動療法

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この記事では、

子育てに役立つ認知行動療法

について詳しく説明していきます。

子育て中のみなさん、子どものわがままに振り回されてストレスがたまっていませんか?

ゆう

休みの日に子どものわがままに振り回されると、げんなりします。

子どもが小さい頃には、いくらわがままを言われても、まだまだかわいいものと思えて、気持ちに余裕をもって接することができるかもしれません。

しかし、子どもが小学生くらいになると言葉遣いも悪くなってきます。

親もイライラしたりムカムカしたりして、思わず感情的な行動に出てしまうことあると思います。

その結果、言いすぎてしまって、後悔してしまうこともあるかもしれません。

そうならないために役立つのが、心理療法の一つである「認知行動療法」の考え方です。

そこで、今回は、

  • 認知行動療法やその基本モデルを知りたい!
  • 子どものわがままに上手に付き合う方法ってあるの?
  • お勧めのワークブックを教えて!

といった悩みや疑問に答えていきます。

目次

認知行動療法とは

認知行動療法とは、自分自身に目を向けてストレスの存在を知り、自分に何が起きているのかよく理解した上で、自分にとって効果的で適切な対処法を見つけていくための心理療法の一つです。

認知行動療法の考え方は非常にシンプルで、子育ての悩みの解決だけでなく、自分自身を変えてみたいという人にも効果的な技法です。

自分が子育ての悩みで困っているときに、ちょっとだけ考え方を変えてみたり、行動を変えてみたりするだけで、その悩みが解決することがあります。

また、その悩みが直接解決されなかったとしても、気持ちが少し楽になったり、ストレスと上手に付き合えるようになったりします。

認知行動療法は、次のように大きな二つのステップに分けて進めていくことになりますが、今回は特にステップ1について詳しく説明していきます。

認知行動療法のステップ

基本モデル

まず、認知行動療法における「ストレス体験」について確認します。

ストレス体験は、ストレッサー(環境)ストレス反応(個人)に分けて考えていきます。

このストレッサーとストレス反応である「環境」と「個人」は互いに相互作用し合っています。

例えば、相手に嫌なことを言われたら(環境)、自分のストレスが高まり(個人)、そのストレスによってイライラした態度を取ったことが(個人)、相手をイライラさせる(環境)といったような関係性です。

そして、認知行動療法では、個人のストレス反応を、認知」「気分・感情」「身体反応」「行動」の4つに分けて考えます。

ゆう

この4つについても、ばらばらではなくて、それぞれが相互に影響を及ぼしあっています。

認知行動療法の基本モデル
出典はーとふるすぽっと(詳細はこちら

自分のストレスに気付くためには、①環境(状況や他者)、②認知、③気分・感情、④身体反応、⑤行動の5つの領域で考えることが大切です。

自分に何が起きているのか」ということを、自分自身を見つめることで理解していきます(これを「セルフモニタリング」と言います。)

ストレス体験に気付く

ストレス体験に気づく

子どものわがままに上手に付き合うためには、まずは自分と子どもとの関係で生じたストレス体験について観察して気付くことにより、自分のストレス体験について正しく理解することが大切です。

私自身の体験談を参考にしながら、 ①環境(状況や他者)、②認知、③気分・感情、④身体反応、⑤行動について、一つずつ説明していきます。

長女(小4)と長男(小1)が10分程度のユーチューブを見終えると、すぐさま長男が「ユーチューブ、もう一つ見たい!」と言い出した。私は、やっぱり言い出したと心の中で思いつつ、「明日早いからもう寝るよ。一つだけって約束したでしょ。」と言うと、長男は顔をしかめて、「なんで!今日短すぎるよ!!」と大声で言い始めた。私が「見たい気持ちは分かるけど、明日は早いから寝ようね。」となだめたが、長男は大きな声で泣き出し、ソファーをたたき始めた。私が、長男の頭をなでながら、「もう寝ようね。」と声を掛けたが、泣き続けた。私が、どうしてよいか分からなくなっていたところで、妻がやってきて、長男を抱っこしてくれた。

環境(ストレッサー)

認知行動療法の5つの要素である、環境、認知、気分・感情、身体反応、行動のうち、一番最初に観察するのは、環境です。

自分の内側ではなくて、外側にある自分にとってのストレスとなるものです。

自分自身と、その環境(状況、他者、出来事、刺激など)との関わりがあるか、あるいはあったか、ということを観察して、言葉にしていきます。

ところで、ただ頭の中で考えるだけだと、すぐに忘れたり流れたりしやすいので、日記やノート(あるいは紙)に書き出していくことをお勧めします。

ゆう

このとき、文章だけではなくて、絵や図で書くこともよいでしょう。

私の体験談の例では、「長男が『ユーチューブ、もう一つ見たい!』と言い出した」、「長男は途端に顔をしかめて,『なんで!今日短すぎるよ!!』と大声で言い始めた」、「長男は床に座わりながら、大きな声で泣き出して、床やソファーをこぶしでたたき始めた」などが、環境に該当します。

認知

環境(ストレッサー)を観察して気付くことができたら、次は自分自身のストレス反応に移ります。

認知行動療法では、ストレス反応を、認知、気分・感情、身体反応、行動の4つに分けて、それらの相互作用を捉えていきます。

まずは「認知」から見ていきます。

認知は、頭に浮かぶ考えやイメージのことです

加えて、自分の考えの根っこにある「信念」とか「価値観」といったものも含まれます

認知行動療法では、前者を「自動思考」(その場そのときで頭に浮かぶ、様々な考えやイメージ)、後者「スキーマ」(すでに自分の頭の中にある、自分や社会や他者に対する深い思いや価値観)に分けて考えていきます。

ただ、初めのうちは、「自動思考」を扱うことができれば十分です。

この記事でも、認知については、自動思考を想定して説明していきます。

ゆう

私の体験談を参考にして、認知がどういったものなのか確認してみます。

例では、長男がユーチューブを見たいと言ったことで、私は「やっぱり言い出した」と心の中で思いました

これが、認知自動思考)です。

この「やっぱり」というのは、長男は寝る前にユーチューブを見ることが習慣化してしまっていて、短い時間の動画だと物足りなくて、もっと見たいとわがままを言うだろうと私が思っていたからです。

また、今振り返ってみると、他の認知も生じていたように思います。

それは、「長男のわがままには困ったものだ」「寝る前のユーチューブをやめさせた方がいいか」「もしかしたら、ユーチューブ依存症なんじゃないか」などです。

このように私の頭の中には、いろいろな認知(自動思考)が浮かび上がっていました。

多くの人にとっても、ストレスを感じるときには、様々な認知が浮かび上がることになるでしょう。

それをできるだけたくさん正確に観察して気付いて、書き出していきましょう!

気持ち・感情

気持ち・感情を観察して気付く練習です。

気持ち・感情とは、心に浮かぶ様々な気持ちのことです。

心とは実体がないので、それを観察して気付くというのはなかなか難しいことです。

そこで、気持ち・感情に名前を付けることで、観察しやすく、気付きやすくしていきます。

気持ちや感情には様々な言葉があり、それを感情語と言います。

感情語の例

うれしい 喜び 楽しい 愛おしい 爽快感 面白い 幸せ 

悲しい 心配 悔しい 驚き がっかり いらいら 怒り 

孤独感 不信感 被害感 劣等感 無力感 罪悪感 

ゆう

その他にも感情語はたくさんあります。

では、私の体験談を参考にして、気分・感情がどういったものなのか確認していきます。

例では、「どうしてよいか分からなくなっていた」とありますね。

私のこの時の気分や感情としては、「混乱」とか「不安」とか「無力感」などの気持ちや感情が入り混じっていました。

身体反応

身体反応は、身体に表れる様々な生理現象を意味します。

例えば、大勢の人の前で話をしようとすると「手足が震える」とか、大声で怒鳴られると「身体が縮こまる」、学校や仕事に行きたくないときに「お腹が痛くなる」などです。

身体反応には、次のようなものがあります。

身体反応の例

頭が痛い 頭に血が上る 胸がどきどきする 背中がぞくぞくする

手のひらに汗をかく 手足が震える 口が乾く 体がそわそわする

身体が何となく重い 呼吸が早くなる 喉が詰まる感じ など

ここにあげたものは本当にわずかですし、人によって観察できる気付くことのできる身体反応は異なります。

では、私の体験談を参考にして、身体感覚がどういったものなのか確認していきます。

例では、身体反応について記載できていませんが、長男のわがままを目の前にして、私は「身体が重たい感じ」とか「少し頭が痛い」といった感覚がありました。

行動

最後は、行動です。

「自分が何をしたのか」、「自分はどのように振る舞ったのか」、「相手に対してどう反応したか」に気が付くということです。

ここまで、環境、認知、気持ち・感情、身体反応を観察してきましたが、どれも練習しなければすぐに気付くことができにくいものばかりです(環境は分かりやすそうですが、認知と混同しやすいので、実ば難しいのです)。

一方で、行動については自分のやったことですので、さほど難しくはありません。

私の体験談では、「『明日早いからもう寝るよ。一つだけって約束したでしょ。』と言った。」、「『見たい気持ちは分かるけど、明日はキャンプだから早く寝ようね。」と言った。」、「そばに行って、長男の頭をなでながら、『見たいけど、もう寝ようね。』と声を掛けた。」などが当てはまります。

子どものわがままに上手に付き合う

子供達

ここまで、認知行動療法におけるストレス体験を観察して気付く方法について説明してきました。

自分の置かれている状況や自分の内面がどのようになっているのかを正しく理解することができれば、ある程度のストレスには対応することができるようになります。

つまり、認知行動療法の5つの要素(環境、認知、気持ち・感情、身体反応、行動)に分けて考える習慣をつけていくことが大切です。

そうすることができるようになれば、子どものわがままにもうまく対応できるようになるはずです。

私の体験談で言えば、長男がユーチューブ見たさに大泣きして床を叩いたときに(環境)、「寝る前にユーチューブを見せた自分が悪かったな」と考え(認知)、後悔し(気持ち・感情)、少し身体が重くなってくる中で(身体反応)、長男のそばに行って頭をなでてなぐさめることができました。

これは、自分のストレス体験をその場で観察して理解することができたためです。

もちろん次に似たような状況(環境)に出くわしたときに、同じようにできるとは限りません。

なぜなら、そのときに自分の体調がものすごく悪くて、「頭が痛い」といった身体反応が生じていたり、気分も悪くて、ちょっとしたことでイライラしやすい状態であれば、いくら自分のストレス体験を正しく理解できたとしても、うまく対応することはできないかもしれません。

自分のストレス体験を理解できるようになったら、次はそのストレスをコントロールしたり、自分にとって適切な対処法を見つけていくことになります。

ストレスのコントロールとしては、「マインドフルネス」が有効ですので、次の記事を参考にしてください。

お勧めのワークブック

ワークブックに取り組む子ども

今回の記事にも参考にさせていただきましたが、伊藤絵美先生のワークブックなどがおすすめです。

非常に分かりやすいですし、初めて認知行動療法(スキーマ療法は、認知行動療法の一つの技法)を学ぶ方向けに書かれた本が多いので、是非ご覧ください。

  • じぶんでできるスキーマ療法ワークブックBook1・2
  • セルフケアの道具箱
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著:伊藤絵美, イラスト:細川貂々
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まとめ

今回は、子どものわがままに上手に付き合う方法として、「認知行動療法」の考え方を学んできました。

子どもを目の前にしたとき、子どもや自分の置かれた状況に目を向けつつ、自分の内面の動きにも注意を向けることで,ストレスをコントロールして、気持ちに余裕をもって子どもに対応できるようになります。

ところで、ここまで「子どものわがまま」という表現を使ってきましたが、この表現も実は注意が必要です。

私の体験談でいれば、長男はユーチューブ見たいと言ったり、泣いたり床を叩いたりしただけで、その行動を「わがまま」と捉えたのは「私の認知」です。

子どもの行動を「わがまま」と受け止めると、それだけでイライラしたりかっとなったりしてしまう人にとっては、その受け止め方から変えていくとよいかもしれません。

私自身も父親として、子育てに悩むことは多いですが、子どもの心の成長のためにも、認知行動療法を始めとした様々な知識を学ぶことで、自分自身も成長しながら、子育てを楽しんでいきたいと思います。

是非、みなさんも自分にとって使えそうだな合いそうだなと思うことがあれば、積極的に学んで取り入れていってください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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