愛着形成の発達とは?|愛着関係の発達ピラミッドを紹介

愛着関係の発達ピラミッド

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「愛着(アタッチメント)」という言葉を聞いて、「うちの子は大丈夫かな」「私の関わり方でよかったのかな」と気になったことはありませんか。あるいは、あなた自身が人との関わりに生きづらさを感じ、その背景に子どもの頃の愛着があるのでは、と考えることもあるかもしれません。

私は公認心理師として、子ども家庭支援センターで発達や親子関係の相談を受けています。この記事では、愛着形成とは何か、その土台がどう育っていくのかを、臨床心理士の愛甲修子氏が提唱する「愛着関係の発達ピラミッド」をもとに解説します。愛着の土台は、気づいたときから育て直していけるものです。一緒に理解を深めていきましょう。

📖 こんな方に読んでほしい記事です

  • 子どもの愛着形成が、きちんと育っているか気になる方
  • 愛着理論の基礎を、やさしく学びたい方
  • 愛着の課題は育ち直せるのか、その道すじを知りたい方
  • 自分自身の生きづらさの背景を、理解したい方

目次

愛着形成とは

ゆう

まず「愛着」とは何か、やさしく整理しましょう。

愛着とは、特定の人との間に築かれる信頼や絆のことを指します。特に幼少期の親子関係は、その後の人間関係の基盤となるため、とても大切です。親や養育者と安定した愛着を築けると、子どもは安心感を持ち、自信をもって社会に踏み出していけるようになります。

ここでは、愛着理論の基本、乳幼児期の愛着の重要性、そして親が果たす役割について解説します。

愛着理論の基本(ボウルビィの理論)

愛着理論は、心理学者ジョン・ボウルビィによって提唱されました。彼は、子どもが養育者と築く愛着関係が、心の発達や対人関係の基礎になると考えました。

たとえば、親が子どもの求めに応じて適切に関わると、子どもは「この人は信頼できる」と感じ、安心感を持つようになります。この安心感があることで、子どもは新しい環境にも適応しやすくなります。逆に、愛着が不安定だと、人との関わり方に不安や不信感を抱きやすくなることが分かっています。

乳幼児期の愛着の重要性

乳幼児期に築かれる愛着は、その後の心の成長や人間関係に深く関わります。生まれたばかりの赤ちゃんは、自分では生きていくことができません。だからこそ、親や養育者にお世話をしてもらうことで「この人といれば安心」と感じ、愛着が形成されていきます。

特に、泣いたときにあやしてもらったり、不安なときに寄り添ってもらったりする経験は、心の安定に大きく影響します。乳幼児期の愛着は、子どもが将来どのように人と関わるかを支える大切な基盤なのです。

安全基地としての親(または養育者)の役割

愛着形成において、養育者は「安全基地」のような存在です。安全基地とは、子どもが安心して探索できるように支えてくれる存在のことを指します。

たとえば、公園で遊んでいる子どもが、不安になると親のもとに戻り、安心したらまた遊びに行く。これは、親がそばにいることで「何かあっても大丈夫」という信頼感があるからです。子どもの気持ちに寄り添い、適切なタイミングで励ましたり安心させたりする関わりが、子どもの自信や自主性を育む土台になります。

愛着関係の発達ピラミッド

ゆう

愛着は、段階を追って積み上がっていくものなんです。

ここで紹介したいのが、「愛着関係の発達ピラミッド」という考え方です。これは、臨床心理士の愛甲修子氏が著書『愛着障害は治りますか? 自分らしさの発達を促す』(花風社)の中で示しているもので、愛着を築く力が、どの順番で育っていくのかを図で表したものです。以下は、この本をもとにご紹介します。

ここまで、愛着は乳幼児期の養育者との関係で形成されると説明してきました。でも、愛甲氏によると、実際には愛着関係を築く能力の発達は、胎内から始まっているとされています。つまり、愛着を築く力は段階を追って発達し、その土台には胎児期があるという考え方です。

愛着関係の発達ピラミッド

愛着関係は、このピラミッドの下の段を土台として、上へと積み上がっていきます。土台の部分がよく育っていないと、上もしっかり育ちにくいという関係です。

だからこそ、愛着に課題が見られるときは、「どこまで育っているか」に注目し、そこまで立ち返って土台を育て直していくことが、うまくいくことにつながります。焦って先へ進めるより、その子が安心できている段まで戻ってあげる——それが遠回りに見えて近道になります。

愛着の課題は、大人になってからでも育ち直せる?

ゆう

「もう手遅れ」ではありません。ここが希望です。

「今からでは遅いのでは」と不安になる方もいます。でも、愛着の土台は、気づいたときから育て直していけるものです。愛甲氏も、いつの時期の愛着につまずきがあるかを見きわめ、その段階に応じて関わっていくことで、少しずつ回復に向かえると述べています。

愛着の育ち直しには、いつの段階につまずきがあるかを見きわめる、専門的なアセスメントが役立ちます。「これは愛着障害では」と一人で決めつけず、気になるときは専門家に相談してみてください。適切な見立てが、その子(そしてあなた自身)に合った関わりへの近道になります。

ここで大切なのは、過去の関わりを「あのときこうすれば」と責めないことです。愛着は、これからの関わりで育て直していけます。今日この記事を読んで理解を深めたこと、それがもう育ち直しの第一歩です。

愛着のことを、一人で抱え込んでいませんか

子どもの愛着のことも、あなた自身の生きづらさも、話すことで整理が進みます。オンラインで、公認心理師や臨床心理士に自宅から相談できます。

まとめ

愛着形成の発達と、「愛着関係の発達ピラミッド」について紹介してきました。要点はこの4つです。

  • 愛着とは、特定の人との間に築く信頼や絆。乳幼児期の関わりが土台になる
  • 親は「安全基地」。安心があるからこそ、子どもは外の世界へ踏み出せる
  • 愛着を築く力は段階を追って発達し、その土台には胎児期からの積み重ねがある
  • 愛着の課題は、いつのつまずきかを見きわめ、そこから育て直していける

愛着と聞くと、「もう手遅れかも」と不安になりがちです。でも、愛着はこれからの関わりで育て直していけるものです。過去を責めるより、今日からの小さな関わりを大切にしてください。あなたが我が子の、そして自分自身の心に目を向けたこと、それがもう確かな一歩です。焦らず、一緒に進んでいきましょう。

愛着の育ち直し、一人で悩まず話してみませんか

子どものことも、あなた自身の心のことも大丈夫。夜でも自宅から、専門家に話を聞いてもらえます。

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ゆう
この記事を書いた人:ゆう
公認心理師(国家資格)
元 少年鑑別所 心理技官(18年)
現職:子ども家庭支援センター
3,000人以上の親子の相談、500件以上の心理検査の経験から、発達障害・不登校・子どもの問題行動でお悩みの保護者へ、「親自身が自分を責めなくていい」視点で記事をお届けしています。

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