不登校の支援をする前に知っておくこと|不登校の回復の5つのプロセス

不登校の回復の5つのプロセス

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「子どもが学校に行きたがらない…どうすればいいの?」

共働き家庭では、仕事と育児の両立の中で、子どもの不登校の問題に直面すると、どう対応すべきか悩んでしまうでしょう。

不登校は単なる「怠け」ではなく、子どもが何らかのSOSを発しているサインです。

親は、そのサインをきちんと捉えつつ、不登校がどのようなプロセスを進んでいくのかを知っておくことで、子どものペースに寄り添って、安心できる環境を整えていくことができるようになります。

そこで、本記事では、不登校の回復プロセスを理解し、親ができる実践的なサポートを紹介します。

この記事がおすすめの方
  • 不登校の子どもを持つ共働きの親
  • 不登校について正しい知識を得たい人
  • 支援方法を具体的に知りたい人
ゆう

この記事は、高賢一先生の著書「不登校を乗り越えるために 親として何ができる」を参考にしています。

著:高 賢一
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目次

不登校は「問題」ではなく「サイン」と理解する

子どもをあやす

子どもが不登校になると、親には不安や焦り、戸惑いなどといった感情が生じがちです。

すると、どうにか学校に行かせようとして、あの手この手で子どもの背中を押そうとしまいがちです。

その結果もしも子どもが学校に行けたとしても、問題は解決しません。

なぜなら、不登校そのものが「問題」ではなく、その背景に学校の環境、人間関係、発達特性、家庭内のストレスなど様々な要因があるからです。

「学校に行かないこと」、「学校に行けないこと」を問題視するのではなく、「なぜ行けないのか」を理解する視点が大切になります。

「不登校は問題ではなく、子どものサインであると理解する」

こうした心構えが、子どもの不登校の支援の第一歩になります。

不登校からの回復プロセスとは?

プロセス

子どもの不登校の回復のプロセスを知っておくことは、親自身の気持ちの余裕につながります。

ただし、不登校の回復のプロセスは一人一人異なることも事実です。

ここでは、高賢一先生の著書にならって、第1期から第5期までのプロセスを挙げています。

この通りに進む子もいれば、いくつかの期をを飛ばす子もいますし、全く異なるプロセスを進む子もいます。

あくまでも専門家の経験を踏まえたものとして参考にしていただければと思います。

不登校のプロセス
  • 第1期(前兆期):登校を行きしぶる、身体症状が表れる
  • 第2期(葛藤期):子も親も登校を諦める、暴れたり昼夜逆転も
  • 第3期(安定期):次第に落ち着くか、家族関係いかんで分かれ目に
  • 第4期(始動期):エネルギーを充電し自然に外へ
  • 第5期(活動期):自宅以外の居場所で活動できるように

第1期(前兆期)

本格的な不登校になる前に、いわゆる「登校しぶり」が表れ始めます。

それは身体症状となって生じることが多いです。

例えば、朝になるとなかなか起きられない、起こしても布団から出られない、頭痛や吐き気、腹痛、発熱などです。

学校に行く準備をしても、いざ出発しようとすると玄関の前で足が固まってしまう、うずくまって泣いてしまうなどの行動が見られることもあります。

こうした壱岐市ぶりの時期には、子どもの内面に大きな葛藤があり、親子ともに落ち込み、家庭の中がたえず緊張にさらされていると言えます。

行かせようとして逆効果になることも

この時期、親は、今子どもの背中を押さないと、このまま引きこもりになってしまうのではないか、という焦りや不安から、いろいろな方法で子どもを登校させようとします。

しかし、やればやるほど子どもの具合が悪くなっていく場合があります。

子ども自身も、学校に行きたい、行かないといけないと考えているのに、学校に行けない自分を受け入れることができないこともあります。

ゆう

不登校について、親だけでなく、子ども自身も悩んでいます。

父親の無理解と母親の苦悩

この時期では、母親は子どもの状況をよく理解していますが、父親には理解できないことがあります。

なぜなら、父親は子どもが登校する時間帯にはすでに出勤していて、帰宅することには子どもは比較的元気になっているからです。

すると、父親は、母親の関わり方が甘い、間違っていると責めてしまうことが多いものです。

誰にも相談できない母親の苦労が始まります。

担任との朝の連絡方法を決めておく

担任や学校に欠席の連絡を入れるのがつらいと思う方が非常に多くいます。

そこで、担任に朝の連絡方法について話し合っておくと、かなり楽になります。

登校できる日に電話をする、メールでやり取りするなど決めておくと良いでしょう。

最近では、スマホアプリで連絡することもできるようになりました。

親にとってできるだけ気持ちが楽な方法でできるように、担任と話し合っておくことが良いです。

子どもが安心していられる場所と人を見つける

もしも子どもが自宅で安心していられないという場合、安心できる人と一緒にいられる学校の保健室や別室で過ごすと登校できることがあります。

子どもが安心して過ごせるのであれば、自宅でも学校でも良いのです。

ただ、小学校高学年や中学生になると、子どもが出入りする保健室を敬遠する傾向があります。

だからといって、決して責めないようにしましょう。

そこに行けなかった自分を責めたり、自己否定の気持ちを強めたりすると逆効果になります。

自宅が一番安心できるのであれば、それを認めてあげてください。

第2期(葛藤期)

学校に行く、学校を休む、これを繰り返していくうちに、だんだん学校に行けなくなり、子どもも親も登校を諦めるようになります。

他の子が学校に行っているのに、自分だけが行けないという後ろめたさがあります。

そのため、学校は休んでいても、心が休めていない状態になります。

そのようなジレンマや自己否定の感情がストレスとなって、家で暴れたり、親に八つ当たりしたりするようになります。

この時期に、とりわけ思春期の子どもに多く見られるのは、昼夜逆転、スマホ・ゲーム・YouTube漬け、生活習慣の乱れなどです。

子どもへの関わり方について、夫婦間で見解の相違が出てきて、葛藤や争いなどが生じる場合もあります。

不登校を乗り越える思いを夫婦で共有する

たとえ夫婦間の見解がお互いに違っていても、子どもの不登校を乗り越えるという共通の思いを共有することが大切です。

お互いに言い合いになったとしても、どこかで折り合いをつけるようにすることも重要です。

子どもは、それを見て、それを知って、どこかで折り合いをつけることの大切さを学習します。

この時期、子どもは生活するエネルギーが枯渇することがあります。

典型的な例としては、自室の片付けや掃除ができない、生活習慣が乱れる、食事を取らないでお菓子ばかり食べるなどです。

また、学校のことを忘れようとして、ゲームやYouTubeなどに没頭することもあります。

親はとても心配してしまいますが、子どもの元気が回復してくると生活に変化が出てきます。

第3期(安定期)

この時期になると、子どもは落ち着いてきて、家でも穏やかに過ごすことができるようになります。

親も少しホッとできる時期です。

学校に行っていないこと以外は、普通に家族と生活することができるようになります。

早すぎる投稿で心の傷がまた開く

子どもは、この時期になると、友達に会いたいとか、買い物をしたいとか、気持ちが外へ動く傾向があります。

親は、子どもとよく話し合って、外出する機会を促してあげると良いです。

一方、親自身は、もう登校させても大丈夫ではないかと焦りがちもなります。

でも、子どもの心の傷は癒えていても、しっかりと立ち直ってはいないので、ちょっとしたことで再び傷が開いてしまうかもしれません。

親は、親の会に参加したり、カウンセリングを受けたりすると良いです。

家事分担で、必要とされている実感が湧く

親子で学校以外の会話が普通にできるようになったら、親子で話し合って家事分担をすることをお勧めします。

子どもは、自分の役割があると、家族に必要とされているという実感が湧きます。

何かやってもらったら、家族は必ず「ありがとう」という感謝の気持ちを伝えましょう。

こうした積み重ねで、子どもは「自分は家族の役に立っているんだ。認められているんだ。」という安心感や自信がついてきます。

もしも、子どもが家族の中で孤立を深めたり、自己肯定感を感じされなかったりすると、そのまま引きこもっていく危険性があります。

家族以外との関わりはストレスを避ける。

子どもは安定期が長くなってくると、そろそろ刺激が欲しくなってきます。

大学生が話し相手になってくれるメンタルフレンド制度を利用したり、不登校に理解のある若い家庭教師をつけたりなどの方法があります。

勉強するよりも、家族以外の人と関わることが大切になります。

しかし、子どもがストレスを感じるようであれば、無理に勧めない方が良いでしょう。

第4期(始動期)

子どもが、暇だとか、退屈だなどと言い出したら、これがそろそろ動き出すサインです。

子どもは、エネルギーが充電されて元気になると、自然と外に出たがります。

この時期は、子どもが安心できる人間関係と居場所があれば、外に出て行きやすくなります。

年齢や興味に応じた居場所を探してあげることも良いでしょう。

ゆう

たとえば、フリースクールや適応教室などがあります。

子どもが踏み出せない場合には、親だけでも見に行って担当者の話を聞いて、その感想を子どもに伝えるようにしてみましょう。

もしも子どもが通うのをやめてしまった場合でも、そのことに落ち込む必要は全くありません。

「子どもに合わなかっただけ」「今は外に出るタイミングではなかった」とプラスに捉えることが大切です。

合うところを見つけ、それぞれのペースで

子どもが興味を持ったら、一緒に見学に行ってみることを繰り返していると、子どもの興味・関心とタイミングが合わさって、楽しんで行けるようになるかもしれません。

だからといって、初めから毎日決まった場所に決まった時間に行けるようになるわけではありません。

子どもがペースをつかむようになるまで見守ってあげましょう。

また、無理に外へ出すことにこだわる必要はありません。

ところで、こうした時期に保健室登校や別室登校が認められると、比較的登校しやすくなります。

子どもと似たような状況にある子もいて、友達になることもあるでしょう。

少し背中を押してみて、もしダメだったらすぐにやめるというように、いろいろなことに少しずつチャレンジしていく時期でもあります。

一歩でも前進できれば認めてあげる

以前よりも、一歩でも前進できたら、そのことを決して見逃さないで、認めてあげる、喜んであげる。

このことがとても大切です。

小さな喜びを積み重ねていくと、子どもは少しずつ前へ進むことができるようになります。

第5期(活動期)

安定期に十分エネルギーを蓄積できた子どもは、比較的スムーズに活動期に入って行きます。

ただ、学校に登校できていることだけが活動期に入ったというわけではありません。

その子なりに、学校に通っている、塾に入っている、部活動には参加している、フリースクールに行っているなど、元気にやりたいことができていれば活動期に入っていると癒えます。

ブランクがあっても学力は取り戻せる

親としては、学校の授業についていけるのか心配でしょう。

子ども自身も不安かもしれません。

ただ、大抵の場合、子どもは自分が必要と思う程度に学力を取り戻していくものです。

自分から必要を感じて学び始めたとき、自分でも不思議なくらい勉強したことが頭に入ってくることがあります。

親もカウンセリングを受け、子の話を聞く余裕をもつ

子どもは外に出ていく前に、家族にたくさん話したがります。

その話し相手になるのは母親が多くなりますが、母親自身に余裕がないと、子どもの話を受け止めることができません。

母親自身が家族の中で精神的に孤立していることが少なくありません。

そうした場合、母親自身がカウンセリングを受けたり、親の学習会などで自分の話を受け止めて聞いてもらったりする体験が必要です。

共働き家庭でできる実践的なサポート

泣いている子どもに手を差し伸べる

共働き家庭では、仕事の忙しさから子どもとの関わりが十分に取れず、不登校の対応に悩むことも多いでしょう。

しかし、大切なのは「長時間一緒にいること」ではなく、「子どもが安心できる関わり方」を意識することです。

子どもの気持ちを否定せず、話を聞く姿勢を持つだけでも心の支えになります。

また、家族で過ごす時間を意識的に作ることで、子どもが「一人じゃない」と感じられる環境を整えましょう。

小さな積み重ねが回復の力になります。

平日忙しくてもできる「短時間でも効果的な関わり方」

不登校の子どもにとって、親の存在は安心感につながります。

平日忙しくても、朝晩の「おはよう」、「おやすみ」といった声かけや、「今日はどうだった?」と興味を持つだけでも十分です。

短時間でも、子どもが話したくなるタイミングを逃さず、「聞く姿勢」を意識しましょう。

また、週末には一緒に好きなことをする時間を作ると、親子の信頼関係が深まります。

ポイントは「無理に学校の話をしないこと」

子どもが安心できる関係を築くことが最優先です。

学校外の支援機関やオンラインカウンセリングの活用方法

学校外の支援機関(フリースクール、NPO、自治体の相談窓口など)も、子どもが新しい環境で過ごすきっかけになります。

親だけで抱え込まず、専門家の力を借りることも大切です。

また、仕事が忙しく、なかなか相談の時間を確保できない場合は、オンラインカウンセリングの活用が有効です。

自宅で受けられるため、親子で気軽に相談できるのがメリットです。

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ゆう

支援を上手に活用しながら、子どものペースでの回復を温かく見守りましょう。

まとめ

今回は、不登校の回復プロセスを理解し、親ができる実践的なサポートについて説明しました。

不登校は「すぐに解決すべき問題」ではなく、「子どもが自分らしく生きるためのプロセス」です。

親が焦らず見守ることで、子どもは少しずつ前を向けるようになります。

共働き家庭でも、短時間でできる関わり方や支援機関を活用することで、無理なくサポートが可能です。

子どもの気持ちに寄り添いながら、長い目で成長を見守っていきましょう。

ご相談や質問がある場合には、こちらまでどうぞ!

最後までお読みいただきありがとうございました。

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