「朝になると子どもが学校に行きたがらない」
「どう声をかけたらいいのかわからない」
——そんな不登校の悩みを、一人で抱え込んでいませんか?
共働きの家庭では、忙しさの中で親自身が不安を抱え、どう対応すればいいのか迷うことも多いでしょう。
不登校の理由はさまざまで、子どもによって適した対応も異なります。
大切なのは、親だけで解決しようとせず、必要なサポートを得ることです。
本記事では、不登校の原因や相談先、親としての向き合い方を解説し、子どもと家族が安心して前に進むためのヒントをお届けします。
- 子どもが学校を休みがちになり、不登校になるのではと不安を感じている方
- どう対応すればよいのかわからず、相談先や選択肢を知りたいと考えている方
- 共働きで忙しく、子どもの不登校に対応する時間や精神的な余裕が持てずにいる方
不登校の原因と親が感じる不安

子どもが学校に行きたがらない日が増えてきたとき、親としては「何が原因なのか?」、「このままで大丈夫なのか?」と不安になってしまうでしょう。
不登校になる背景にはさまざまな要因があり、子ども一人ひとりの状況によって異なります。
また、共働き家庭の場合、対応する時間の確保や夫婦の意見の食い違いなど、特有の悩みを抱えることも少なくありません。
子どもの気持ちに寄り添いながら、不登校の原因を理解し、適切な対応を考えることが大切です。
ここでは、不登校の主な原因や子どもからのサイン、共働き家庭ならではの課題について詳しく解説します。
不登校の主な原因(学校環境、人間関係、家庭のストレス、発達特性など)
不登校の理由は一つではなく、さまざまな要因が絡み合っていることが多いです。
例えば、学校環境の問題(授業についていけない、過度なプレッシャー)や、人間関係の悩み(いじめ、友達とのトラブル)があります。
また、家庭のストレス(親の離婚、引っ越し、家庭内の緊張感)も影響することがあります。
さらに、発達特性が関係しているケースもあり、雑音・大きな音や人混みが苦手、ルールの理解が難しいなどの理由で学校に馴染めないことも一因になりえます。
「もしかしてうちの子も?」と感じたときのサイン
不登校は突然始まるのではなく、事前に子どもからサインが現れます。
例えば、「朝になるとお腹や頭が痛いと言う」、「夜なかなか眠れず、朝起きられない」、「学校の話をしたがらなくなる」、「表情が暗くなり、イライラしやすくなる」などの変化が見られたら、サインかもしれません。
また、ゲームやスマホに依存するようになったり、家庭内での会話が減ったりするのも、不登校の兆候かもしれません。
これらのサインが見られたら、「なぜ行きたくないの?」と詰め寄るのではなく、まずは子どもの気持ちに寄り添い、話を聞くことが大切です。
すると、子どもが本音を話しやすくなります。
共働き家庭ならではの悩み(時間の制約、夫婦の意見の違いなど)
共働きの家庭では、子どもの不登校の対応に時間をかけるのが難しいです。
朝の忙しい時間に「どうして学校に行かないの?」と焦ってしまったり、仕事中も「家でどう過ごしているのか」と気になって集中できなかったりすることもあります。
また、夫婦で対応の考え方が違う場合、「無理にでも行かせるべき」、「今は休ませるのが大事」と意見が対立し、親自身のストレスになることもあるでしょう。
不登校は長期化することもあるため、家庭内で無理なく対応できる方法を考え、必要なら外部のサポートを活用することが大切です。

具体的な相談先について、次から紹介して行きます。
親だけで抱え込まないための相談先

不登校に限らず、子どものことで悩んだら、親だけで抱え込まずに、早めに相談することが解決への近道です。
自分から相談できない親御さんが多いのが実態です。
日本人は、アメリカや韓国などの諸外国に比べて、誰かに相談することが苦手な人が多いというデータもあります。
家族だけで不登校の問題を解決するのは難しく、いろいろな方々の協力が不可欠です。
まずは、親が勇気を出して「相談する」という行動に出ることから始めましょう。
相談内容によって相談先は変わりますが、まずは自分が相談しやすい人に話してみることから始めて構いません。
その人が、適切な相談先を教えてくれます。
不登校の相談先については、次の一覧が一般的です。
学校:担任教諭、学年主任、校長・副校長 養護教諭や特別支援教育コーディネーター スクールカウンセラー
公的機関:教育センター、子ども家庭支援センター、児童相談所
民間:フリースクール、放課後デイサービス、オンラインカウンセリングサービス

ここでは、藤枝静暁先生の書籍「不登校・登校しぶり 親子によりそうサポートBOOK」を参考としています。

学校
学校には、担任教諭をはじめとする教育の専門家の他、福祉や心理の専門家などもいます。
親自身が子どもの不登校の原因がわかる・わからないに関わらず、学校の先生に相談してみましょう。
それぞれの専門家につないでもらうことができます。
学校に相談をすることが、不登校の解決の第一歩となります。
担任教諭、学年主任、校長・副校長
最初は、校長や副校長などに相談するのではなく、まずは担任教諭に相談しましょう。
担任教諭の最大の特徴は、1年間、あるいは、2年間、学校で子どもたちと一緒に生活することです。
教師と子どもはいろいろな体験を通して、共に学び合い、成長する共同体です。
基本的に、担任教諭を信頼し、連絡を取り合いながら、子どもの成長を共に支えることが大切です。
ただ、担任教諭が忙しいのは間違いありません。
相談する際のポイントは次の4点です。
- 事前にアポを取る。候補日は3つくらい用意しておく。
- 時間帯は放課後がベスト。夜は退勤しているので、遅くとも18時まで。
- 相談したい内容をまとめておく。
- 困っていること、どうしてほしいかを具体的に話す。
担任教諭だけで解決が難しい場合、学年主任、副校長、校長と相談相手が変わっていくこともあります。
養護教諭や特別支援教育コーディネーター
「保健室の先生」と呼ばれている先生の正式名称が、養護教諭です。
登校はできるけど、教室に入れないような子どもがいた場合、養護教諭のいる保健室がその子の居場所となる場合があります。
養護教諭は、そうした生徒を支えています。
特別支援教育コーディネーターは、各学校に1〜2名おり、学校長が教員の中から任命します。
学校によっては、不登校対応のためのコーディネーターが置かれている場合もあります。
養護教諭と特別支援教育コーディネーターは、「チーム学校」の一員として連携し、子どもの不登校を改善するために支援します。
スクールカウンセラー
スクールカウンセラーは、公認心理師、臨床心理士などの資格を持つこころの専門家です。
スクールカウンセラーに相談するためには、担任教諭か養護教諭などから紹介してもらう方法と、直接相談室に電話で予約する方法があります。
担任教諭などの関係者が状況を把握しておいた方が良いので、利用する際は、前者の方法をおすすめします。
スクールカウンセラーの見分け方については、次の記事を参考にしてください。

公的機関
学校外にも不登校について相談できる公的な機関がいくつかあります。
それぞれ医療、教育、福祉、心理などの専門家に相談することができます。
教育センター(教育・心理)
教育センターは、教育相談所、教育研究所といった名称があり、都道府県・政令指定都市・中核市及び区・市といったより身近な場所に設置されています。
そこで働く教育相談員は、現職の教育職員や退職した元教員、公認心理師といったこころの専門家で構成されています。
不登校のほか、虐待、いじめ、発達障害、非行などの問題行動に関する相談に対応しています。
そうした相談が急増しているため、利用する際に1、2か月間、順番を待つといった場合もあります。
相談の他に、子どもの知能検査や発達検査を行っている施設もあります。
知能検査に関する記事について、いくつか紹介します。


子ども家庭支援センター(福祉・心理)
子ども家庭支援センターは、通称「こかせん」と呼ばれ、子どもと家庭の問題に関することは何でも相談できます。
不登校に関しても相談でき、社会福祉士や公認心理師等の国家資格を持つ専門家が対応する施設もあります。
各自治体によって利用方法などは異なりますので、HPなどで確認しましょう。
児童相談所(医療・福祉・心理)
児童相談所は、通称「じそう」と呼ばれ、18歳未満の子どもとその家族が対象です。
子育て、しつけ、発達障害、飛行、登校しぶりと不登校、いじめ、引きこもりなどの相談ができます。
児童相談所には、児童福祉士、児童心理司、小児科医、精神科医、保健師などが勤務していて、主となるのが児童福祉士です。
また、児童心理司は、保護者との面談を通して指導・助言、子どもへの心理検査や行動観察を行い、適切な心理アセスメントを行います。
民間
不登校の子が安心して学んだり、人と関わる体験ができたりする場所が増えています。
フリースクールや放課後デイサービスなどは、不登校を治すというよりは、不登校を経て、社会的自立を目指すところです。
本人の気持ちに十分に寄り添って、本人にあった居場所が見つかる場合があります。
フリースクール
学校を休み、ある程度の心身のエネルギーが回復すると、家にいることがつまらなくなり、何かしたいという意欲が湧いてきます。
その場合、登校を再開するほか、学校外の民間あるいは公設民営等の施設(フリースクール)を利用するなどを選択することができます。
お子さんが選択するということがとても重要です。
フリースクールによって、学校別に特徴が異なります。
- 学習サポートが充実している
- 学習面で個別指導が受けられる
- 人との関わりを重視している
- 農業など自然体験が充実している
- 学校復帰を視野に入れ、規則正しい生活習慣を目指している
- 心理カウンセラーがいて、親子で相談できる
20年を超える歴史と実績を持つ施設から、最近できた施設までさまざまあり、受け入れている年齢層、施設の規模、料金、運営方針なども多様です。

必ず、見学、体験入学をしてから決めましょう。
放課後デイサービス
放課後デイサービスは、障害のある子どもが放課後や夏休み等の長期休暇中に利用することができる通所施設です。
子どもの自立、コミュニケーション能力、集団生活力の獲得を目指します。
放課後デイサービスの一番の特徴は、子どもの年齢、障害の種類と程度、個性を理解した上、個々に応じた「個別支援計画」を作成し、支援することです。
もう一つの特徴は、子どもの在籍校や関係機関と積極的な連携が求められている点です。
不登校の子どもが、放課後デイサービスを利用する場合、放課後デイサービスと在籍校あるいは、教育支援センターが連携して、必要な支援を行います。

学校長が放課後デイサービスの活動内容を適切と認めれば、放課後デイサービスに通った日は出席扱いになります。
オンラインカウンセリングサービス
共働き家庭では、時間の制約があり、不登校の悩みをじっくり相談する余裕がないことも少なくありません。
そんなときに役立つのがオンラインカウンセリングです。
スマホやPCを使って自宅から相談できるため、忙しい親でも気軽に利用できます。
不登校の子どもへの対応だけでなく、親自身のメンタルケアとして活用するのもおすすめです。
オンラインなら夜間や早朝対応のサービスもあり、夫婦で一緒に相談することも可能です。

親としてできることと心の持ち方

不登校に直面したとき、親は「どうすればいいのか」と戸惑い、焦ることが多いでしょう。
そうした戸惑いや焦りのまま子どもに接してしまうと、プレッシャーを与えることにもなりかねません。
親自身が無理をしすぎず、適切なサポートを受けることが重要です。
ここでは、子どもとの対話の仕方、親のメンタルケア、そして「不登校=悪いことではない」という心の持ち方について解説します。
子どもとの対話のポイント
不登校の子どもに対して、「どうして学校に行けないの?」と問い詰めるのは逆効果です。
無理に登校を促すのではなく、「今どんな気持ち?」と子どもの心情を聞くことが大切です。
また、親が「学校に行かなくても大丈夫だよ」と安心感を与えることで、子どもはプレッシャーから解放され、自分のペースで考えられるようになります。
話をするときは、子どもが安心できるタイミングを選び、焦らずじっくり聞くことを意識しましょう。
言葉でのやり取りが難しい場合は、一緒に好きなことをしながら自然に話せる時間を作るのも有効です。
親自身のメンタルケア
子どもの不登校に向き合ううちに、親自身がストレスを抱えてしまうこともあります。
共働きの場合、仕事との両立や夫婦間の意見の違いで、さらに負担が大きくなることもあるでしょう。
そんなときは、夫婦で役割を分担したり、仕事の調整をしたりして、親自身の心の余裕を確保しましょう。
また、学校や専門機関、オンラインカウンセリングなどのサポートを活用し、一人で抱え込まないことが大切です。
親が安定した気持ちでいることで、子どもも安心し、家庭全体の雰囲気がよくなります。

「不登校=悪いことではない」という視点の転換
不登校になると、「学校に行かないのは悪いことでは?」と考えてしまう親も多いでしょう。
しかし、不登校は決して珍しいことではなく、子どもが心や体を守るために必要な時間を取っているとも言えます。
大切なのは、学校に行くことだけを目的にせず、子どもが自分らしく過ごせる方法を見つけることです。
フリースクールや家庭学習、オンライン学習など、学びの選択肢は広がっています。
「学校に行かない=将来が閉ざされる」と考えず、子どものペースに寄り添いながら、その子に合った道を一緒に探していくことが大切です。
まとめ
今回は、不登校の原因や相談先、親としての向き合い方を解説し、子どもと家族が安心して前に進むためのヒントを説明しました。
不登校は決して珍しいことではなく、適切なサポートを受けることで子どもも家族も前向きな選択ができます。
親だけで抱え込まず、学校や専門機関、オンラインカウンセリングなどを活用しながら、子どもにとって最善の道を一緒に考えていきましょう。


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また、親自身の気持ちを大切にすることも重要です。
不安な気持ちを相談することで、心が軽くなり、よりよい対応ができるようになります。
まずは一歩踏み出し、信頼できる相談先を見つけましょう。
ご相談や質問がある場合には、こちらまでどうぞ!
最後までお読みいただきありがとうございました。