子どものことが心配で眠れない親へ|夜に考えが止まらないときの整え方

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やっと家事が終わって、布団に入る。そこからが長い一日の続きだった、という夜はありませんか。

今日の子どもの様子、担任の先生の言葉、来週の面談。目を閉じるほど、次から次に浮かんできます。時計を見るたびに焦って、余計に目が冴えていく。

この記事では、そうした夜に何が起きているのかを整理します。そのうえで、今夜から試せる具体的な方法をお伝えします。眠れない自分を責めずに済む考え方も、一緒に見ていきます。

私は公認心理師として、子ども家庭支援センターで保護者の方のご相談を受けています。相談の場で「実は最近、眠れていなくて」と打ち明けられることは、とても多いです。

📖 こんな方に読んでほしい記事です

  • 子どものことが頭から離れず、夜なかなか寝つけない方
  • 布団に入ると今日の出来事を何度も思い返してしまう方
  • 眠れないのは自分が弱いからだと感じてしまう方
  • 睡眠不足のまま朝を迎える日が続いている方
目次

夜になると子どものことを考えてしまうのはなぜ?

ポイント

まず知っておいていただきたいことがあります。夜に考えごとが増えるのは、あなたの性格の問題ではありません。

日中は、やることが次々にやってきます。仕事、家事、子どもへの声かけ。目の前の用事に手を動かしている間は、心配ごとを脇に置いておけます。

ところが夜、布団に入った瞬間にその「用事」がなくなります。心配ごとを脇に置いておくための材料が、なくなってしまうのです。

ゆう

静かになった途端、頭が動き出すんですよね。

考えが同じところをぐるぐる回る

夜の考えごとには、特徴があります。答えが出ないのに、同じ場所を何周もしてしまうことです。

「あのとき、ああ言わなければよかった」「このままだとどうなるんだろう」。過去への後悔と、未来への不安。この二つを行ったり来たりします。

厄介なのは、これが問題解決につながりにくいことです。夜の頭は疲れていて、視野が狭くなっています。悪い方向の想像ばかりが膨らみやすくなります。

これはあくまで一般化した事例ですが、こんなお話をよく伺います。「夜中に考えたことを朝もう一度考えると、大したことないと思えるんです」。同じ内容でも、時間帯で見え方が変わります。夜の判断は、あてにしすぎなくて大丈夫です。

眠らなきゃ、が眠りを遠ざける

もうひとつ、見落とされがちな要因があります。「早く眠らなければ」という焦りそのものです。

明日も仕事がある。あと5時間しか眠れない。そう考えると、体は緊張します。眠りに必要なのは、緊張がほどけた状態です。

眠ろうと努力するほど、眠りから遠ざかる。この仕組みが、眠れない夜をつくっています。

共働き家庭で起きやすいこと

ご夫婦ともお仕事をされていると、子どものことを落ち着いて話す時間がとりにくくなります。

朝はそれぞれの支度で慌ただしい。夜は帰宅時間がずれる。話そうと思っても、相手はもう疲れて眠っている。そんな日が続きます。

すると、心配が誰にも渡されないまま、ひとりの中にたまっていきます。行き場のない心配は、夜にまとめて出てきます。

実際、ご相談に来られるのは片方の親御さんだけ、ということが少なくありません。もう片方が無関心なわけではなく、単に時間が合わないのです。

あなたが眠れないのは、心配を抱える量が一方に寄っているサインかもしれません。

眠れない夜に試してみてほしい3つのこと

ここからは具体的な方法です。どれも特別な道具はいりません。今夜から試せます。

1. 頭の中のことを紙に出す

寝る前に、気になっていることを紙に書き出します。きれいにまとめる必要はありません。単語だけでも構いません。

頭の中にあるうちは、忘れないように意識が握り続けます。書いて外に出すと、その握りが少しゆるみます。

コツは、解決策まで書こうとしないことです。「面談が心配」で止めておきます。考えるのは明日の自分に任せる、という区切りをつけるための作業です。

2. 20分眠れなければ、一度布団を出る

寝つけないまま布団の中で粘ると、「布団=眠れない場所」という結びつきが強まっていきます。

体感で20分ほど寝つけないと感じたら、一度布団を出てみてください。時計は見なくて大丈夫です。

別の部屋で、暗めの明かりのもと静かに過ごします。眠気が来たら布団に戻ります。このときスマホは見ないでください。光と情報が、眠気を遠ざけてしまいます。

3. 起きる時間だけを固定する

眠れない日が続くと、寝る時間を早めたくなります。ですが先に整えたいのは、起きる時間のほうです。

眠れなかった翌朝も、いつもと同じ時間に起きて光を浴びます。つらいのですが、体のリズムはここで整っていきます。

週末の寝だめも、できれば1〜2時間の範囲にとどめます。リズムが崩れると、日曜の夜がまた眠れなくなります。

できない日があって当たり前です

ここまで読んで、「これも守れそうにない」と感じた方がいるかもしれません。

大丈夫です。毎日きちんとやる必要はありません。むしろ完璧にやろうとすると、それ自体が新しいプレッシャーになります。

3日に1回できれば十分です。できなかった日は、数えなくていいのです。

ゆう

できた日だけ数えていきましょう。

変化が見えるまでには、2〜3週間かかることが多いです。数日で結果が出なくても、やめてしまわないでいただけたらと思います。

3つのポイント

  • 気になることは紙に出す(解決策は書かない)
  • 20分寝つけなければ一度布団を出る
  • 寝る時間より、起きる時間を固定する

全部やろうとしなくて大丈夫です。今夜できそうなものを、ひとつだけ選んでみてください。

ここでご紹介した考え方をもっと知りたい方には、こちらの本が参考になります。睡眠の記録をつけながら、自分の眠りのくせを見ていく方法がまとめられています。

眠れない日が続くときに考えたいこと

ポイント

ここまでの方法を試しても、変化を感じないことはあります。それはあなたのやり方が悪いからではありません。

セルフケアで届く範囲には、限りがあります。次のような状態が続いているなら、ひとりで抱え込まないでいただきたいです。

  • 眠れない日が2週間以上続いている
  • 日中の眠気で、仕事や家事に支障が出ている
  • 食欲が落ちた、体重が減った
  • これまで楽しめていたことが、楽しめない
  • 朝、起き上がるのがとてもつらい

こうしたサインが重なっているときは、心と体の両面から診てもらえる場所が向いています。睡眠の悩みは、医療機関で相談できるテーマです。

とはいえ、平日に受診の時間をつくるのは簡単ではありません。共働きのご家庭なら、なおさらだと思います。

病院に行く時間がとれない、という方へ

かもみーるは、オンラインで精神科医・心療内科医に相談できるサービスです。自宅から、夜の時間帯にも相談できます。まずは話を聞いてもらうところからで大丈夫です。

眠れないあなたを、責めないでほしい

最後にお伝えしたいことがあります。

眠れないほど子どものことを考えているのは、あなたがお子さんを大切に思っているからです。どうでもいい相手のことで、人は眠れなくなりません。

ただ、その大切さが、あなたの体を削る形で表れてしまっている。ここを何とかしたいのです。

ゆう

心配する力は、休ませても消えません。

相談の場で、私はよくこんなふうにお伝えします。親が休むことは、子どもから何かを奪うことではありません。

眠れた翌日と、眠れなかった翌日。同じ出来事が起きても、返せる言葉は変わります。あなたが休むことは、そのまま子どもへの関わりの余裕になります。

私自身も親のひとりとして、うまくいかない夜があります。だからこそ、眠れなかった自分を責めないでほしいと思っています。

心配を、ひとりで持たない

もしパートナーがいらっしゃるなら、ひとつ試していただきたいことがあります。

「相談したい」ではなく、「聞いてほしいだけ」と先に伝えることです。

心配ごとを話すと、解決策を返されることがあります。悪気はないのですが、それでは話しづらくなってしまいます。

これはあくまで一般化した事例ですが、こんなお話を伺うことがあります。「どうしたらいい?」ではなく「今日こんなことがあって不安だった」。話し方をそう変えただけで、夫婦の会話が続くようになったそうです。伝え方を少し変えるだけで、受け取られ方は変わります。

週に10分でも、子どものことを話す時間を決めておくのもひとつです。時間が決まっていると、夜に持ち越さずに済みます。

ひとりで抱えなくていい

子どものことで眠れない夜が続くとき、根っこにあるのは睡眠だけの問題ではないことがあります。

誰にも話せていない不安。パートナーと共有できていない心配。話し相手がいないことで、考えが夜に集中してしまうこともあります。

夜にひとりで考え込む前に、話してみませんか

うららか相談室では、オンラインでカウンセラーに相談できます。子育ての悩みも、自分自身の不調も、まとめて話して大丈夫です。夜や土日の予約にも対応しています。

まとめ

  • 夜に考えごとが増えるのは、性格ではなく仕組みの問題です
  • 「眠らなきゃ」という焦りが、かえって眠りを遠ざけます
  • 気になることは紙に書き出し、解決策までは書きません
  • 20分寝つけなければ、一度布団を出てみてください
  • 寝る時間より、起きる時間を固定するほうが先です
  • 2週間以上続くときは、医療機関の相談を考えてみてください
  • 親が休むことは、子どもから何かを奪うことではありません

今夜も眠れないかもしれません。それでも、眠れなかったこと自体を責める必要はありません。

眠れない夜をひとりで抱えてきたあなたが、少し肩の力を抜けますように。

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ゆう
この記事を書いた人:ゆう
公認心理師(国家資格)
元 少年鑑別所 心理技官(18年)
現職:子ども家庭支援センター
3,000人以上の親子の相談、500件以上の心理検査の経験から、発達障害・不登校・子どもの問題行動でお悩みの保護者へ、「親自身が自分を責めなくていい」視点で記事をお届けしています。

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