「自分なんてダメだ…」そんなふうに感じることはありませんか?
仕事や家事、育児に追われる毎日。
頑張っているのに、「もっとやらなきゃ」と自分を責めてしまう。
それは、自己肯定感の低さが影響しているかもしれません。
本記事では、自己肯定感が低い人の特徴とその原因を解説し、誰にでも実践しやすい改善方法を紹介します。
- 仕事も育児も頑張っているのに、自己評価が低い人
- パートナーとの関係で自己肯定感が揺らぎやすい人
- 子どもの自己肯定感を育みたいと考えている人

この記事は、安藤俊介先生の「アンガーマネジメントで読み解く なぜ日本人は怒りやすくなったのか?」を参考にしています。

自己肯定感が低い人の5つの特徴

自己肯定感が低い人というとどのようなイメージがありますか?
一見すると気弱そうな人とか、自信がなさそうな人とか想像するかもしれません。
それは表面的な姿であって、内面には全く異なる特徴を秘めていることがあります。
ここでは、次の5つの特徴について解説していきます。
- 承認欲求が強い
- 依存心が強い
- ネガティブ思考
- 劣等感が強い
- 渇望感が強い
承認欲求が強い
承認欲求の強い人は、自己肯定感の低い人です。
自分のことを自分で価値があると思えない、自分を受け入れることができません。
そのため、つねに他者からの承認を求めることで自分に価値があることを確認しようとします。
承認欲求の強い人は、いったい何の承認を求めているのでしょうか?
それは、存在そのもの、です。
自分が何をしているのか、実際に何をしていたとか、そういったことは関係なく、「自分そのものを承認してほしい」と思っています。
依存心が強い
依存心が強い人も、自己肯定感の低い人エス。
依存心が強い人は、自分で物事を決めることができず、周りの人に判断をゆだねます。
自分で決めることができないのは、自分で自分の判断・選択の責任を取りたくないという心理が働いています。
自分で決めて失敗をすれば自分が責められることになります。
そのことで、自分の価値が傷つくと考えています。
また、依存心が強い人は、自分の感情さえも自分で責任を取ることができません。
自分で自分の感情、行動、結果に責任が取れると思っていません。
そのため、自分が悲しい思いをするのは誰かのせい、自分は悪くないのに、と責任を周りの人に転嫁します。

その責任転嫁は、簡単に怒りに結びつきます。
ネガティブ思考
人は、ポジティブなことよりも、ネガティブなことの方が意識が向きやすい、学習しやすいとされています。
ヒトが生き残るためには、目の前の危険なことから逃げ出さなければならなかったためです。
自己肯定感の低い人は、物事をネガティブに捉えがちです。
自分が何か問題に直面したとき、その問題を解決できるわけないと思っています。
過去に実際に問題を解決できなかった苦い経験ばかりを覚えているのです。
それまでうまく行ったことがどれだけあっても、「自分なんかがうまくいくわけがない、どうせ今度も失敗するに決まっている」と心の底で思っています。
自己肯定感の低い人、ネガティブな思考の人はよりネガティブに、自己評価を下げるという悪循環にハマっていきます。

劣等感が強い
誰かとの比較の上で自己肯定感が作られると、誰かとの比較でしか自分を認められなくなります。
その結果、自分が思うようにならないと、他者と比較して劣等感を抱くようになります。
劣等感の強い人は、人から攻撃されることを極端に怖がります。
他者からのちょっとした意見であっても、特にそこに劣等感を感じるポイントであれば、攻撃を受けたと感じとります。
自分の大切なものが攻撃されたとなれば、怒りを持って防衛しようと動きます。
劣等感の強い人は、劣等感ポイントを触れられたくないので、触れられまいとピリピリします。
誰も攻撃をしていないのに、いつでも臨戦体制に入っています。
渇望感が強い
渇望感が強いとは、どれだけのことをしても、されても満足をしないということです。
自己肯定感の低い人は、自分に足りないものが多いと感じています。
そのため、いろいろなものでそれを埋めようとします。
ところが、自分で自分の価値を評価できないので、仮に一つが埋まったとしても「まだ自分には価値がない」と思ってしまいます。
いわゆる「減点主義」で物事を捉えようとします。
自分だけでなく、相手にとっても減点主義で向かうため、相手のダメなところ、至らないところ、未熟な点に意識が向かいます。
そのため、人を褒めるよりもけなすことの方が得意です。
自己肯定感が低くなる原因とは?

ここからは、なぜ自己肯定感の高い人と低い人がいるのか、その違いはどこで生まれるのかを説明していきます。
一度自己肯定感が高くなれば、それがずっと持続することはありませんし、その逆もありません。
さて、自己肯定感の高低は、どこからきているのでしょうか?
その答えは、「家庭の中」です。
もう少し具体的にいうと、一般的に親の愛情と言われているものが、子どもの自己肯定感を低くさせてしまっていることが多いです。
親は、子どもの自己肯定感が高くなるように、一生懸命に育てているつもりです。
ところが、実際にはそうならず、意に反して自己肯定感を低くさせています。
なぜなら、親自身も、自己肯定感が低くなるように育てられているからです。
ここからは、先ほどの自己肯定感が低い人の5つの特徴に沿って、それぞれが家庭の中でどのように身についてしまうのか解説していきます。
承認欲求が強くなった原因
これは、親が子どもを十分に承認しなかったことによります。
基本的に、親は子どもを承認するものです。
しかし、親が認めるものと子どもが認めてほしいものが異なっていることで、子どもは満足に承認を受けなかったと感じてしまいます。
親からすれば認めていると思っているのに、子どもからすれば自分は認められていない、どうして親は認めてくれないのかと思っています。
もちろん、「個性を大切にしてほしい」「いろいろなことに、のびのびと挑戦してほしい」と受容的に接している親もいます。
しかし、もしかしたら「自分が理解できる範囲で」という、前提が隠されているかもしれません。
親が興味がないこと、関心がないことについては、好きに挑戦すればいいとはなかなか言えません。

親が理解できないことは認めにくいものです。
依存心が強くなった原因
親は、子どもに自立してほしいという気持ちを持って育てています。
しかし、子どもが自立するということは、親にとっては寂しいものです。
親は、子どもが大人になっていくことを歓迎しつつ、その寂しさも受け入れて、自分の気持ちと折り合いをつけていきます。
しかし、親が自分の寂しさを優先させると、子どもに対して親への依存を止めさせないよう、巧妙に仕向けてしまいます。
親によっては、無意識的に、知らず知らずのうちにやってしまっています。
子どもに対して「あなた一人じゃ無理だから」「まだあなたに早いから」などと言って、無理やり手伝うことで、子どもの自立を抑え込もうとしてことはありませんか?
親切心から手伝っただけかもしれませんか、実際のところは、子どもが親から自立できないように促しているのです。
いわゆる子離れできていない状態ですが、子離れできていないと同時に、子どもにも親離れをできないようにしている状態です。

「あなたのことを思って」「あなたが心配だから」は、相手のことを思うふりをして、実は依存を誘うための常套句と言えます。
ネガティブ思考になった原因
できていることよりも、できないことを指摘されたり、減点主義で育てられたりすると、ネガティブ思考になりやすいと言えます。
子どもにしてみれば、頑張ったことやできたと思ったことでダメ出しされたら、自信を失うのは当然です。
特に、小さい子であれば、評価してくれるのは親しかいないので、その親から常にダメ出しされていたら自信を回復することはできません。
ネガティブ思考は、自己肯定感の低い人にとって、ある意味で好都合な考え方です。
なぜなら、物事がうまくいかないと考えておけば、うまくいかなかったときに、心のダメージを低くすることができるからです。
いわば、保険をかけていると言えます。
物事をネガティブに捉えることで保険をかけて、これ以上は自己評価を下げないよう、無意識のうちに防衛線を張っているのです。
劣等感が強くなった原因
劣等感は、他の誰からと比較され続けることで作られ、それが続くことで強固なものになっていきます。
きょうだいがいれば、きょうだいと比べられます。
口では「個性を大事に」と言われているはずですが、実際には上のきょうだいと同じことができなければならない、というプレッシャーをかけられているのです。
また、誰かと比較することの問題点として、比較する人にキリがないということもあります。
比較する相手はいくらでもいます。
親にとっては、子どもを比較して評価するのは便利なのですが、親として自分なりに評価する軸がないから、比較に頼らざるを得ないということもあります。
渇望感が強くなった原因
親の期待が非常に高いところにあり、子どもがその期待を一身に背負わされていると、その期待に応えなければならないと思うようになります。
その期待に応じるのが当たり前のこと、期待に応じなければ価値がないと強く思うようになります。
そのため失敗して期待に応じられないと感じると大きな問題になってしまいます。
人生には失敗はつきものです。
失敗のない人生なんてないのですが、うまくいかないのは自分の努力が足りていないせいだと、自分を責めるようになります。
そして、またそこで自己肯定感を下げるという、望まない結果が待っているのです。
自己肯定感の低さが怒りにつながります。具体的には次の記事を参考にしてください。

自己肯定感を高めるためにできること

最後、自己肯定感を高めるためにできることについて解説します。
基本的には、自己肯定感が低くなっている原因を見つけ、その原因を取り除くことで解決していく方法が一般的です。
ただし、上記したように、自己肯定感の低さは子ども時代の親との関係性に根っこがあることが多いため、今更解決が難しいことも少なくありません。
そこで、原因を見つけて解決するのではなく、これから良い状態になるためには何ができるのか、どうすればいいかを重点的に考えましょう。
これを「解決志向」と言います。
解決志向は、原因が解決できないとしても、今から目指す理想の状態になればいいと考えます。
つまり、過去よりも未来を考えて、目指す理想やゴールを優先的に考えるようにしていきましょう。

その上で、次の具体的な方法を行うことが効果的です。
小さな成功体験を積み重ねる
自己肯定感を高めるには、「できた!」という実感を積み重ねることが大切です。
大きな目標を立てるよりも、「今日の仕事を時間内に終わらせた」、「子どもとしっかり向き合えた」など、日常の小さな達成を意識しましょう。
ポイントは、「これくらい当たり前」と流さず、意識的に自分自身を認めること。
自分の努力を肯定する習慣が、自己評価を高め、前向きな気持ちを育みます。
「できたこと」に意識を向ける習慣をつける
忙しい毎日の中で、「まだやれていないこと」ばかりに目が向くと、自己肯定感は下がりがちです。
そこで、1日の終わりに「今日できたこと」を3つ書き出してみましょう。
「メールをすぐ返信できた」「子どもを笑顔にできた」など、どんな小さなことでもOKです。
続けるうちに、「自分は意外と頑張っている」と実感できるようになります。
自分を責めるのではなく、労う言葉をかける
ミスをしたり、思い通りにいかなかったりすると、自分を責めてしまうことはありませんか?
そんなときは、「どうしてダメなんだ」と叱るのではなく、「よくやったよ」、「今日は疲れてるだけ」と、親しい友人にかけるような優しい言葉を自分に向けてみましょう。
自分自身を労わることで、心の負担が軽くなり、前向きな気持ちを取り戻しやすくなります。
他人との比較を減らし、自分の成長に目を向ける
SNSや職場の同僚、ママ友・パパ友との比較が自己肯定感を下げる原因になっていませんか?
他人と比べるのではなく、「昨日の自分より一歩前進したか」に目を向けてみましょう。
「先週よりスムーズに仕事をこなせた」、「イライラせずに子どもと接することができた」など、自分自身の成長を見つけることが大切です。
少しずつでも前進していると気づくことで、自信につながります。
必要に応じてオンラインカウンセリングを活用する
自己肯定感が低いと感じるとき、一人で抱え込まず、専門家の力を借りるのも一つの方法です。
オンラインカウンセリングなら、忙しい共働き世帯でもスキマ時間に相談が可能。
第三者の視点でアドバイスをもらうことで、自分では気づかなかった考え方の癖や、自己肯定感を高めるコツが見えてくることもあります。
無理をせず、サポートを活用しながら心を整えていきましょう。

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まとめ
今回は、自己肯定感が低い人の特徴とその原因を解説し、誰にでも実践しやすい改善方法について説明しました。
自己肯定感が低いと、毎日を生きるのがつらくなってしまいます。
そうした自分を少しずつでも変えられるように、今回の記事を参考にしていただければと思います。
子どもの自己肯定感を育てることについて解説した記事もあるので、参考にしてください。

ご相談や質問がある場合には、こちらまでどうぞ!
最後までお読みいただきありがとうございました。