小学生男子の性的問題行動|学校から連絡が来たときの親の関わり方

小学生男子の姓的問題行動という記事のアイキャッチ画像

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「学校から電話がかかってきた。息子が女の子を触ったと言われた——」

そのとき、あなたはどんな気持ちになりましたか。頭が真っ白になった。信じられなかった。恥ずかしさと怒りと、どこにもぶつけられない気持ちが一気にあふれてきた、という方が多いと思います。

子どもの性的な問題行動は、保護者にとってとりわけ対応に困るテーマです。どう受け止めればいいのか、どう叱ればいいのか、学校にどう顔を合わせればいいのか——悩みの多さに比べて、情報があまりにも少ない。

この記事では、小学生男子に見られる性的問題行動の背景と、親として最初にすべきことを整理します。「わが子を責める」でも「見て見ぬふりをする」でもない、その間にある向き合い方を一緒に考えましょう。

私は公認心理師として子ども家庭支援センターに勤務し、発達障害・不登校・問題行動の相談を日々受けています。以前の職場では、性的な問題行動を起こした少年たちとも長く向き合ってきました。「もっと早く相談してほしかった」と思った経験が、何度もあります。

📖 こんな方に読んでほしい記事です

  • 子どもが学校で女子を触る・スカートをめくる・性器を見せるといった行動をして、学校から連絡を受けた方
  • 繰り返しているが、どう対応すればいいかわからずにいる方
  • 「なぜこんなことをするのか」理由が知りたい方
  • 相談先を探しているが、どこに行けばいいか迷っている方
目次

「性的問題行動」とはどういう状態か——まず知っておきたいこと

ポイント
ゆう

まず言葉の整理から始めましょう

「性的問題行動」とは、年齢や発達段階に照らして不適切な性的な行為を指します。

小学生男子に見られるものとしては、次のような行動が挙げられます。

💬 小学生に見られる性的問題行動の例

  • 学校で自分の性器を触る・見せる行為を繰り返す
  • 女子の体(胸・臀部など)を触る
  • スカートをめくる
  • 特定の女子に執拗に付きまとう
  • 性的な言葉を繰り返し使う・書く

ここで大切なことを先にお伝えします。「性的問題行動」は「性犯罪」とは別のものです。とはいえ、「子どもらしいいたずら」でもありません。された側の子どもには不快感や傷つきが生じており、軽く見てよい行為ではありません。

一方で、行為をした子どもを「性的に問題のある子ども」とラベリングすることも正確ではありません。この時期の性的問題行動は、背景にある困難のサインであることが多く、適切な関わりによって変化していきます。

「なんてひどい子だ」でも「たいしたことない」でもなく、「なぜこの行動が起きているのか」を知ることが、対応の出発点です。

なぜこうした行動が起きるのか——4つの背景

ゆう

「なぜ」を知ると、見え方が変わります

子どもの性的問題行動は、ほとんどの場合、性的な欲求だけで起きているわけではありません。支援の現場では、複数の要因が絡み合っていることがほとんどです。

参考になる枠組みとして、Friedrich(2003)の研究では、子どもの性的問題行動には次の4つの要素が絡み合っていることが指摘されています。

📄 参考:Friedrich(2003)の4要素モデル

  1. 性に関する誤った学習——性的な映像・会話に繰り返し触れる環境がある
  2. 養育上の困難——家庭内でのルールや感情の整理が十分にされてこなかった
  3. 暴力・不公平な関係の学習——虐待・DV目撃・いじめなど、力の差を使う関係を見てきた
  4. 性的刺激への過剰な露出——年齢に合わない性的なコンテンツへのアクセスがある

これを読んで、「うちはそんな環境じゃない」と感じた方もいると思います。ただ、これらの要素は「あるかないか」の二択ではなく、程度の差が重なり合うものです。

また、現場の経験から付け加えると、スマホやタブレットを通じた性的なコンテンツへの早期接触が、低年齢化する性的問題行動の背景の一つとして近年増えています。「設定してあるから大丈夫」と思っていても、友達の家や学校のトイレで見ている場合も少なくありません。

発達特性が関わっていることもある

ADHD(注意欠如・多動症)の特性がある子どもの場合、衝動を抑制する力が弱く、「やってはいけない」とわかっていても行動が先に出てしまうことがあります。また、ASD(自閉スペクトラム症)の特性から、相手が嫌がっているという感覚が読み取りにくく、行為が繰り返されることもあります。

これは「発達障害だから仕方ない」という話ではなく、特性に合った伝え方・教え方をすれば変化が起きやすいという視点です。「何度言ってもやめない」と感じているなら、伝え方そのものを変える必要があるかもしれません。専門家への相談が助けになります。

💬 一般化した事例

これはあくまで一般化した事例ですが——小学3年のJくんは、クラスの女子のスカートをめくる行為を繰り返し、担任から数回注意を受けていました。「ダメ」と叱られるたびに泣いて謝るのに、また繰り返す。お母さんは「なぜやめられないの」と途方に暮れていました。よく話を聞くと、Jくんは友達のスマホで性的な動画を見たことがあり、それが頭の中に残っていました。家では言えなかった、という状況でした。

一人で抱えず、まず話してみませんか

子どもの性的問題行動についての戸惑いや不安、専門家に相談できます

学校から連絡が来たとき——最初の対応の考え方

理解力
ゆう

最初の動き方で、その後が変わります

学校からの連絡を受けたとき、多くの親は動揺のまま動こうとします。でも、焦って動くほど、大事なことを見落としやすくなります。

まず親自身が落ち着く時間を取る

「すぐに子どもを問い詰めなければ」と思いがちですが、親が動揺したまま向き合うと、子どもは萎縮して正直に話せなくなります。まず深呼吸して、自分の感情を少し落ち着かせてから子どもと向き合う——それだけで、その後の話し合いの質が変わります。

子どもへの向き合い方

⚠️ 避けてほしい対応

  • 「この変態!」「気持ち悪い」などの強い言葉でのラベリング——子どもの自己評価を傷つけ、隠蔽・再発のリスクが高まる
  • 長時間の問い詰め——子どもは「言ったことへの後悔」を学習し、次に話せなくなる
  • 「もうしないよね」という約束だけで終わらせる——背景に触れないまま終わると繰り返しやすい

🔑 子どもへの伝え方のポイント

  • 行為を明確に否定する——「あなたのことは大切だけど、その行動はしてはいけない」と分けて伝える
  • 「された側の子どもが傷ついた」ことを具体的に伝える——「いやだった」「こわかった」という相手の気持ちを言葉にして届ける
  • 「なぜしたのか」より「そのとき何があったか」を聞く——責める質問より、状況を一緒に振り返る問いかけのほうが話しやすい
  • 「体のプライベートゾーン」について話す機会にする——自分の体も相手の体も守られなければならないことを、短く、具体的に伝える

学校・相手の保護者への対応

学校に対しては、「子どものことをしっかり対応します」という姿勢を早めに示すことが大切です。感情的にならず、事実を確認しながら、学校と連携して対応策を考えるという姿勢が双方にとって助けになります。

された側の子どもや保護者への対応は、学校を通じて行うのが基本です。直接の接触はかえって混乱を生むことがあるため、まず学校に相談しながら進めましょう。

大切なのは、された側の子どもへの影響を軽く見ないことです。相手の子どもにも心のケアが必要になる場合があります。

相談先を知っておく——一人で抱えないために

ゆう

相談先によって役割が違います

子どもの性的問題行動は、家庭内だけで解決しようとすることに限界があります。また、「こんなことを相談していいのか」という遠慮から、相談が遅れることも多いテーマです。でも、早期に専門家とつながることが、再発を防ぐ最も確実な方法です。

まず相談しやすい公的機関から

📋 公的な相談先

  • 子ども家庭支援センター(各市区町村)——無料。保護者だけでも相談可。子どもの行動上の問題について、心理職などの専門スタッフが対応します。「事件になる前の段階」での相談に適しています
  • スクールカウンセラー——学校に在籍している子どもの状況を把握した上で、保護者の相談も受けられます。まず学校経由でつながるのが自然なルートです
  • 児童相談所——行動が深刻化している場合、または背景に虐待やネグレクトの可能性がある場合に適した相談先です。「通告」だけでなく「相談」として利用できることを知っておいてください
  • 法務少年支援センター(少年鑑別所)——非行・問題行動の専門機関として、事件化していない段階からでも保護者だけで相談できます。性的問題行動を含む行動上の困難について、心理専門職が対応しています

時間外・内緒で相談したいときはオンラインカウンセリング

「日中は仕事で相談に行けない」「学校や地域の人に知られたくない」——そうした事情を抱える保護者の方には、オンラインカウンセリングも選択肢になります。

夜間でもスマホから相談できるため、共働きで時間が取りにくい方や、まずは匿名に近い形で話してみたい方に利用しやすい窓口です。カウンセラーに「何から話せばいいかわからない」という状態から始めても、整理しながら一緒に考えてもらえます。

公的機関への相談前に、まず自分の気持ちと状況を整理するためにオンラインカウンセリングを使う、という使い方をされる方も多くいます。

🔑 相談先の選び方の目安

  • 「まずどこかに話したい・状況を整理したい」→ オンラインカウンセリング
  • 「子どもと一緒に専門家に見てもらいたい」→ 子ども家庭支援センター・スクールカウンセラー
  • 「行動が繰り返されていて深刻さを感じている」→ 児童相談所・法務少年支援センター
  • 「発達の特性が背景にあるかもしれない」→ 発達支援センター・児童精神科への相談も検討

どこに相談してよいかわからないときは、最初の一歩として子ども家庭支援センターかオンラインカウンセリングをお勧めします。相談することで「通告される」「記録に残る」と心配される方もいますが、相談と通告は別のものです。まず電話で確認することから始めてもいいんです。

時間外でも、内緒で相談できます

公認心理師・臨床心理士に、スマホからこっそり相談できます

まとめ

📝 この記事のまとめ

  • 性的問題行動は「性犯罪」でも「ただのいたずら」でもない——行為を否定しながら、子ども自身は否定しない視点が基本
  • 背景には「性に関する誤った学習」「衝動性」「発達特性」「性的コンテンツへの早期接触」などが複合していることが多い
  • 子どもへの最初の対応は「ラベリングしない」「相手の傷つきを具体的に伝える」「体のプライベートゾーンについて話す」
  • され側の子どもにも心のケアが必要——軽く見ず、学校を通じて連携する
  • 公的機関(子ども家庭支援センター・スクールカウンセラー・児童相談所・法務少年支援センター)は「事件前」から相談できる
  • 日中は動けない・知られたくないという場合はオンラインカウンセリングが最初の一歩になる

学校からの電話を受けたその日、誰にも言えずに一人で抱えていた方も多いと思います。

「どこかに相談する」という一歩が、子どもにとっても、あなた自身にとっても、状況を動かす力になります。

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ゆう
この記事を書いた人:ゆう
公認心理師(国家資格)
元 少年鑑別所 心理技官(18年)
現職:子ども家庭支援センター
3,000人以上の親子の相談、500件以上の心理検査の経験から、発達障害・不登校・子どもの問題行動でお悩みの保護者へ、「親自身が自分を責めなくていい」視点で記事をお届けしています。

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