発達障害の二次障害は治らないの?|少しでも良くなる方法を伝授!

発達障害の二次障害が少しでも良くなる方法

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今回の記事では、

子どもの発達障害の二次障害が少しでも良くなる方法

について詳しく説明していきます。

子どもが発達障害と診断されているか、診断されていなくとも、その傾向がある場合、学校など社会でうまく適応できず、それによって心身に様々な症状が表れたり、問題行動に及んだりするようになることがあります。

ゆう

こうした症状や行動のことを、発達障害の「二次障害」と呼びます。

発達障害の二次障害の影響による心身の症状や問題行動によって、親や周りの大人は相当に振り回されてしまいます。

そうした状態が続くと、親や周りの大人は、その子に対してイライラを抑えられずに厳しく怒ってしまったり、何をしてもうまくいかず、もう治らないとあきらめてしまったりしてしまうかもしれません。

そこで、今回は、

  • 発達障害の二次障害って何?
  • 二次障害に至るまでの子どもの気持ちの変化を知りたい!
  • 二次障害を改善するための接し方を詳しく教えて!

といった悩みや疑問について答えていきます。

発達障害のある子どもの二次障害にお悩みの方は是非参考にしてください。

目次

発達障害の二次障害とは

発達障害のある子どもは、脳機能の障害の影響による様々な特徴的な行動があります。

すると、本人に自覚や悪気がなくても他者に迷惑を掛けてしまうことがあります。

そうした子どもは、周りの大人に「扱いにくい子ども」として見られるようになり、小さい頃から特徴的な行動に対して頻繁に注意を受けることになります。

子どもは初めの頃は素直に受け止めて自分を変えようと努力しますが、自力で修正できるものでもなく、徐々に自分の行動を思い悩むようになります。

次第に、余計にその行動を意識してしまって、抑えようとしてもかえって悪化することになり、周囲からますます注意を受けるようになります。

そうした中で、子どもは「自分がいけないんだから、もっと気を付けよう。」と考えていたのに,だんだんと「どんなにやってもうまくいかない。」と傷つき、悩み、落ち込むようになります。

更には「どうせ自分なんて頑張ってもできない。どうでもいい。」などと不満やイライラが高まってきて、別の問題行動や身体や心の不調が生じます。

もともとの発達障害の特徴的な行動や症状が、その子が育った環境や周囲の対応によってゆがめられて、それが周囲に受け入れがたい形で表現されるようになる状態を「二次障害」といいます。

つまり、二次障害は、「子ども自身の問題ではなく、周囲の大人によるその子への誤った接し方によって生じる。」と説明できます。

ゆう

二次障害は、身体面、精神面、行動面の3つの領域に症状や行動として表れます。

二次障害の特徴

身体面:腹痛、頭痛、胃痛、便秘、下痢、体のだるさ、めまい、吐き気 など
精神面:抑うつ、意欲の減退、不安、イライラ、対人恐怖、依存症、自殺念慮 など
行動面:反抗、強迫的行動、ひきこもり、自傷行為、対人暴力、家出 など

二次障害が生じるまでの子どもの気持ちの変化

発達障害のある子どもは、二次障害が現れるようになるまで、周囲の大人の関わり方によって気持ちは大きく変化していきます。

4つの段階に分けてみていきましょう。

  • 第1段階(小学中学年頃):周囲の大人は「扱いにくい子ども」と捉えて、注意や指導が増える。この段階では、子どもは不安や緊張から、素直に注意や指導を受け入れる。
  • 第2段階(小学高学年頃):周囲の大人は引き続き注意や指導を続ける。この段階では、子どもは注意や指導を受けるたびに直そうとするが、かえって意識してしまってうまく直せず、次第に自信をなくして落ち込むようになる。
  • 第3段階(中学1~2年生):周囲の大人はますます厳しく注意や指導をするようになる。この段階では、子どもは自分への否定的なかかわりをする大人に対して不満や怒りを抱くようになる。
  • 第4段階(中学3年生~):周囲の大人は、ますます厳しく注意や指導をするか、あきらめて避けようとするなど、関わり方が極端になる。この段階では、子どもは周囲への敵意や被害感が強くなり、二次障害として様々な症状や問題行動が現れる。

それぞれの段階には、おおむねの学年を記載していますが、これは子どもの成長や周囲の大人の関わり方によって時期は前後します。

ただ、周囲の大人がその子の気持ちを理解して、その子に適した工夫した接し方を心掛けなければ、第1段階から確実に進んで行き、第4段階で二次障害が生じます。

発達障害の子どもの気持ちを理解する

発達障害のある子どもの気持ちを理解するために必要なことは、大きく二つあります。

一つ目は、「発達障害についての基本的な知識を持つこと」

二つ目は、「目の前にいる子どもに向き合って話を聴くスキルと、その子の気持ちを理解するスキルを身に付けること」です。

一つ目については、発達障害の種類に応じた特性や行動傾向などを理解することによって、子どもの気持ちが理解しやすくなりますので、次の記事を参考にしてください。

二つめについては、子どもの話を上手に聴くためには、「動機づけ面接」の考え方が役立ちますので、次の記事を参考にしてください。

発達障害の種類別の接し方

ここまで発達障害の二次障害の子どもの気持ちの理解の仕方について説明してきました。

ここからは発達障害の子どもについて、その障害の種類別の接し方のコツについて説明していきます。

以下の接し方を心掛けることにより、まだ二次障害が現れていない子どもにとっては「予防」になります。

すでに二次障害として様々な症状や問題行動が生じて知る子どもにとっては「改善」につながります!

ゆう

自閉スペクトラム症、AD /HDについてそれぞれ説明していきます。

自閉スペクトラム症

自閉スペクトラム症(ASD)の大きな特徴は、次の通りです。

自閉スペクトラム症の特徴
  • コミュニケーションの難しさ:言葉や視線、表情、身振りなどを用いて相互的にやりとりをしたり、自分の気持ちを伝えたり、相手の気持ちを読み取ったりすることが苦手
  • こだわりの強さ:特定のことに強い関心をもっていたり、こだわりが強かったりする
  • 感覚(五感)の過敏さ:例えば蛍光灯の光や大きな音が苦手など

コミュニケーションの難しさ

この傾向がある子どもは、相手と会話をするときに、視線を合わせることができにくく、表情や身振りなど用いた、いわゆるノンバーバル(非言語的)な表現が苦手です。

冗談も通じにくく、言葉どおりに受け止めてしまいがちです。

ゆう

曖昧な表現や抽象的なことの理解も苦手です。

こうした子どもに対して、こちらが伝えたいことがある場合には、できるだけ簡単な表現で具体的な言葉を用いるとともに(何時何分にどこに行って何をするなど)、それに併せてメモを渡したり、メールを送ったりすることで、後でも確認することができるように示す方法が効果的です。

とはいえ、苦手なことを避けてばかりだとスキルは伸びませんので、相手の表情や言葉の微妙な変化などについて気付くことができるようなスキルを身に付けさせる訓練も大切です。

そうしたときに、手軽に手に入って遊び感覚で行うことができるのが「はぁって言うゲーム」です。

これは、ある言葉を表現する際、お題とした意味を込めるように指示され、その意味を相手に伝えることができるように、表情や言語表現を工夫して一言で表現するといったゲームです。

「はぁって言うゲーム」は、次の記事でも紹介していますのでご覧ください。

こだわりの強さ

こだわりとは、特定のモノや状態・行動パターンを絶えず好み、強く執着する傾向です。

こだわりを貫くことができない状態や変化を受けると、本人はパニックやかんしゃく、不安、フリーズ(恐怖や混乱によって凍りついたように動かなくなること)を起こします。

子どもがこだわりを強める原因は、「想像力の乏しさ」にあると考えられています。

想像力とは、先の展開やその後の流れを頭に思い浮かべる力であり、そうした先のことを思い浮かべることのできない子どもにとっては、この先どうなるか分からないことに不安や恐怖を抱きやすくなります。

すると、子どもは安心感を求めようとして、常に同じものに囲まれていたい、同じことを同じ順番でやり続けたい、ルールを頑なに守りたいという気持ちが強まります。

こうした子どもに、初めて新しいことに取り組ませるときには、その取組の全体の流れや掛かる時間、自分は何をすればよいのか、最終的にはどうなるのかということを丁寧に伝えておきましょう。

この先が分からないことへの不安を取り除いてあげることが大切です。

ゆう

ASD傾向の子どもは、変化することを好まず、同じものに囲まれ、同じ場所で同じこと繰り返したがります。

それが周囲に迷惑を掛けるものでなければ自由にさせてあげて、もしも周囲に迷惑を掛けるようなものであれば、何に不安を感じているのか、その不安を取り除くにはどうしたらよいのかということを、本人とじっくりと話し合って、解決方法を見つけていくことがよいでしょう。

感覚の過敏さ

自閉スペクトラム症のある子どもは、周囲の大人が思っている以上に、様々な感覚機能が過敏に反応します。

例えば、蛍光灯のチカチカした光がまぶしいとか、大きな音に恐怖心を抱くとか、ちょっとぶつかっただけで相当な痛みを感じるとか、洋服のタグの触覚が苦手だとか、その子どもによって過敏に反応する内容は様々です。

周囲の大人は、こうした子どもについて、具体的に何が苦手であるのか、どういったときに過敏に反応しやすくなりやすいのかなど、事前に把握しておきましょう。

それにより、配慮ある接し方を心掛けることができるようになります。

AD/HD

注意欠如多動症の大きな特徴は、次の二つです。

AD/HDの特徴
  • 不注意:活動に集中できない、気が散りやすい、物をなくしやすい、順序立てて活動に取り組めない
  • 多動-衝動性:じっとしていられない、静かに遊べない、待つことが苦手で他人のじゃまをしてしまう
ゆう

それぞれ見ていきましょう!

不注意

不注意傾向のある子どもには、何か活動に取り組ませるときには、1回の時間を短時間に設定して、こまめに休憩をはさみながら取組を進めていくことが大切です。

また、初めに何をやるのか、次に何をするのか、その次には何をするのかといった活動の流れについて、大きな模造紙に書いていつでも確認できるようにすることで、先の見通しを立てて落ち着いて取り組むことができるようになるでしょう。

活動する場所についても配慮が必要です。

できるだけ気が散らないようにするための工夫をしましょう。

学校あれば、同級生と離れて学習できるように個室を用意する、その個室には時計を置かない、余計な装飾品は外す、カーテンを閉めて外を見えないようにするといった工夫が大切です。

多動-衝動性

多動-衝動性のある子どもには、身近な大人による優しい言葉掛けによって、事前に周囲に迷惑を掛けるような行動をやんわりとやめさせることが効果的です。

頭ごなしに厳しい注意や指導をしては、それによって二次障害につながるおそれがあります。

子どもの心を傷つけず、その子の気持ちを理解して接することにより問題行動を防ぐことが対応方法になります。

子どもが前向きな意欲を高めることができるようになると、周囲が期待するような行動を取ることが増えていきます。

ゆう

どんな子どもであってもすぐに改善はしませんので、関わる大人は粘り強く接していく覚悟が大切です。

発達障害の悩み相談

もしもお子さんの発達障害にお悩みで、どこに相談すれば良いかわからない方は、専門機関に相談することをお勧めします。

発達障害全般であれば「発達障がい者支援センター」、子どもの発達や問題行動については「児童相談所」、診断が必要であれば「小児精神科病院」などです。

しかし、そうした専門機関に直接行くのは勇気が必要です。

そうした方は、とりあえずオンラインで心理の専門家に相談してみましょう。

ネットで検索すると様々なオンラインカウンセリングが出てきますが、うららか相談室は、私と同じ公認心理師や臨床心理士といった信頼性の高い心理の資格をお持ちの方が相談に乗ってくれます。

【URARAKA(ウララカ)】

まとめ

今回は、発達障害の二次障害が生じるまでの流れや、発達障害の子どもの気持ちを理解する方法、更に発達障害の種類別の関わり方のコツについて説明してきました。

発達障害のある子どもが特徴的な行動を取ったことについて、厳しく否定的なかかわりをしてしまうと、それによって心が傷付いて二次障害として様々な障害や問題行動に及ぶおそれが高まります。

親や周囲の大人は、本当に困っているのは子ども自身なんだと意識しつつ、子どもの気持ちを理解して、その子に適した工夫した方法で接することを心掛けましょう

なお、二次障害による子どもの反抗でお悩みの方は、次の記事を併せてご覧ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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