この記事では、
夫ができる長引いた夫婦けんかを収める方法
について詳しく説明していきます。
夫婦喧嘩を一度もしたことのない夫婦はいないでしょう。
すぐに仲直りできれば良いのですが、もしも長引いてしまったらどうやって解決したらよいか分からなくなってしまいます。
子どもがいればその子に与える影響も非常に大きくなります。
そこで、今回は、
- 夫婦けんかが長引きやすい夫婦の特徴って何?
- 長引く夫婦けんかは家庭にどんな影響を与えるの?
- 夫ができる解決方法を知りたい!
といった疑問や悩みに答えていきます。
この記事では夫に焦点を当てていきます。
今まさに、夫婦けんかの真っただ中で、何とか解決したいと考えているご主人は、是非参考にしてください!
夫婦喧嘩が長引きやすい夫婦の特徴
夫婦は、お互いが愛し合って結婚して一緒に生活を始めますね。
とはいえ、もともとは全く違う生活をしてきています。
お互いの考え方や価値観、生活習慣などはいくら合わせようとしても一致することは難しいです。
一度夫婦の関係にひびが入って、喧嘩を繰り返すようになると、夫婦の考え方や価値観が衝突し、その修正は簡単ではありません。
特に、次のような夫婦の場合、夫婦けんかが長期化する傾向があります。
- 夫婦のコミュニケーションの少なさ
- プライドや自己愛の強さ
- スマホやアルコールなどへの逃避
1つずつ見ていきましょう。
夫婦のコミュニケーションの少なさ
夫婦けんかが長引きやすい原因の一つが、日頃から夫婦間で会話が少ないことです。
これは、けんかが生じやすい原因の一つでもあります。
会話が少ないということは、お互いの考えや気持ちを理解することができにくくなるということです。
けんか中だと、相手のことを悪く考えがちです。
自分自身にもけんかの原因があったとしても、「謝ってこない向こうが悪い。」などと責任転嫁することにもつながります。
また、相手のちょっとした行動や振る舞いについて、被害的に受け止めて、ささいなことで怒りやイライラが生じやすくなります。
夫や妻(又は両方)のプライドや自己愛の強さ
夫婦が衝突したとき、原因を作った方がすぐに「ごめんなさい」と素直に謝罪できれば,喧嘩が長引くことはありません。
ただし、夫や妻(又は両方)のプライドが高いと、そう簡単な話ではありません。
プライドとは「自尊心」や「誇り」のことです。
プライドの高い人は、自分のことを過大評価しがちで、自分のミスや責任を素直に認めようとしません。
裏を返すと、自分のミスや責任を認めてしまって、自分の価値が下がることを怖れているとも言えます。
また、自己愛の強さも、喧嘩が長引く原因になりがちです。
自己愛とは、自分自身とその能力に対する信頼、自信、誇りを持つことです。
自己愛を持つこと自体は悪いことではありません。
しかし、自己愛が未熟な人は、自己中心的で特別扱いされることを好み、相手への思いやりを持つことができにくいところがあります。
すると、相手の気持ちを理解することができず、自分の行動を正当化してしまいがちです。
スマホやアルコールなどへの逃避
夫婦喧嘩をしたときに、夫婦で向かい合って話し合うことができれば、いずれは解決に向かうことができます。
一方で、夫婦の問題から目をそらして、自分にとって気楽で心地の良いものに逃げてしまうと、問題解決を図ることはできず、けんかは長引いてしまいがちです。
夫婦で問題に向き合わずに、スマホの操作ばかりに時間を費やしたり、毎晩のように飲酒をしたりすると、その行為自体が相手の不満やいら立ちにつながります。
さらに、スマホもアルコールも「依存」につながる可能性があり、夫婦けんかをきっかけとして、新たな依存の問題が生じてしまうおそれもあります。
依存については、こちらの記事を参考にしてください。
長引く夫婦喧嘩が家庭に及ぼす影響
夫婦喧嘩が長引いてしまうと、家庭内外に様々な問題を引き起こすことになります。
特に、お子さんのいる家庭だと、その問題は深刻になりがちです。
- 離婚の危機
- 子ども与える心の傷
- DV
1つずつ見ていきましょう。
離婚の危機
夫婦けんかの行きつくところには「離婚」があります。
離婚は家族全員に大きな影響を与えます。
特に、妻が専業主婦やパートタイムをしている場合には、離婚後に金銭的な問題が生じます。
また、子どもがいる家庭では、親権や子どもの養育費についての問題になります。
その他にも、離婚がこじれた場合の調停、転居や子どもの転校、自宅を住宅ローンで購入している場合の今後の支払いや売却、役所や職場などにおける様々な手続きなどがあります。
何よりも、夫にとっても妻にとっても、心理的なダメージは計り知れません。
子どもに与える心の傷
夫婦けんかが長引いてしまうと、家庭内の雰囲気は重苦しくなります。
子どもは、両親のけんかをよく見ていますし、表面だってけんかをしていなくても、両親間のギスギスした雰囲気を敏感に察知します。
子どもは、両親を怒らせまいとしてびくびくして生活するようになり、両親の顔色をうかがうような「いい子」を演じるようになるかもしれません。
一見、大人しくて、素直で、全く問題がないように見えても、心は傷を負ってしまいます。
そうした傷が大きい場合には、心を閉じてしまい、覇気がなく、感情の動きがなくなります。
また、両親に仲良くしてほしい気持ちから、子どもが問題行動を起こすようになることもあります。
子どもが悪さをすることによって、両親が自分たちのけんかを止めて、両親が協力して子どもに目を向けようとするので、一見夫婦関係が改善したかのようになります。
しかし、子どもの行動が収まると、両親はけんかを再開するため、子どもは問題行動を繰り返すようになり、事態は悪化する一方になります。
子どもの問題行動の背景には、両親の不和が隠れていることがあります。
DV
夫婦けんかが長引くと、夫婦の感情はネガティブな状態になりがちで、ささいなことでかっとなって乱暴な言動に出やすくなります。
大抵の夫婦は、男性の方が力が強く、夫から妻への暴力や暴言が起きます。
これが「DV(ドメスティック・バイオレンス)」です。
夫は、妻を力や気勢で支配して、妻の反抗をねじ伏せようとします。
DVが発展してしまうと、夫による暴行や傷害事件につながり、妻が自宅にいられなくなってDVシェルターに逃げ込むような事態に発展することもあります。
夫ができる仲直りのための3つの方法
では、夫婦関係が長期化してしまった場合に、どうすればより早く解決に向けて進むことができるでしょうか。
すぐに夫がやるべき3つのポイントを説明していきます。
それは、
- 自己理解(アセスメント)
- 解決に向けての行動(トリートメント)
- 良い関係を維持する(メンテナンス)
の3つです。
順番に見ていきましょう。
自己理解(アセスメント)
まずは、自己理解です。
自分自身に目を向ける中で、夫婦けんかのきっかけは何だったのか、そのけんかが長引いている原因は何かということについて考えていきます。
その際に注意するべきポイントがあります。
それは、妻の原因ばかりに目を向けるのではなく、できるだけ自分自身の問題に注目することです。
夫婦けんかが生じたり長引いたりする原因は、おそらく夫婦両方にあることが多いです。
しかし、相手の非ばかりに目を向けていては、夫婦関係の修復には進みません。
相手を変えるよりは自分を変えた方が早いという事実もあります。
自分の問題に目を向けて、非を認めるということは心理的につらいことですが、先ほど説明したように夫婦喧嘩が長引く方のデメリットの方が大きいはずです。
解決に向けての行動(トリートメント)
次に、解決に向けての行動です。
自分の問題点に目を向けたら、次は夫婦関係を修復するために行動する段階に移ります。
夫婦喧嘩をできるだけ早く修復させるための方法を、簡単なものから困難なものまで紹介していきます。
- 妻を気遣う:家事を手伝うなど、妻の負担を減らす。
- 挨拶をする:コミュニケーションのきっかけを増やす。
- 話し合いの場を設ける:二人で話せる時間場所を確保する。
- 謝罪する:自分の責任を認めて伝える。
- 妻の話を聴く:妻の話に耳を傾けて妻の気持ちを正しく知る。
- 自分の考えを伝える:自分の考えを正直に伝える。
- 一緒に解決方法を考える:夫婦で同じ方向に目を向ける。
- 一緒に解決する:問題を一つ一つ解消する。
この中で最も重要になるのは、⑤の妻の話を聴くことです。
夫婦関係をより良いものにするためには、相手の気持ちを考えて配慮して行動できるようになることが大切です。
そのためにも、日頃から妻が何を考えているのか、どのようなことに配慮したら良いのかをを知っておく必要があります。
また、妻にとっても、夫に自分の考えや気持ちを聴いてもらうことにより、安心感を得ることができるでしょう。
良い関係を維持する(メンテナンス)
最後に、良い夫婦関係を維持することです。
夫婦関係を良い形で維持するために最も大切なことは、やはりコミュニケーションを取り続けることです。
夫婦がお互いに自分の素直な考えや気持ちを伝え合えるような関係が理想的です。
自己表現の方法として、心理相談の分野では「アサーション」という心理技法がありますが、アサーションが大切にしている考え方は次のとおりです。
夫も妻も、お互いのことを認め合い、良い点も悪い点も含めて「OKである」と受け入れられることを目指していきましょう。
アサーションについては、次の記事をご覧ください。
また、今回の夫婦けんかが長引いた状況と似たような状況になったときに、どうやって解決するか決めておくことも大切です。
そうならないようにするために、夫婦で何をするべきか約束事を決めておきましょう。
もしも約束事を守れなかったときには、どうするかまで決めておくとよいでしょう。
そうした約束事を守るためにも、やはり夫婦のコミュニケーションは欠かせません。
もしも夫婦関係が悪化しそうで、なかなか会話をしにくいような状況に陥った場合には、例えばメールや手紙などを介して考えや気持ちを伝え合うこともよいでしょう。
ただし、夫婦のコミュニケーションのために、子どもを利用することだけは絶対にやめましょう。
子どもは、両親から相手に不満をぶつけるような話を聴かされることになりますし、間に挟まれることでストレスが生じてしまいます。
それ自体が、子どもの心を傷付けることになりかねません。
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まとめ
この記事では、夫ができる長引いた夫婦けんかを収める方法について説明してきました。
夫婦喧嘩が起きてしまうのは仕方がないことですが、その関係をできるだけ早く修復し、できるだけ子どもに影響を与えないようにすることが何よりも大切です。
夫婦の仲が良いことが、子どもの心の成長にはとても重要です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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