この記事では、
セルフコントロールを身に付ける方法
について説明していきます。
子育てをしながら仕事をしていると、家に帰ってきてから家事や育児に追われてしまい、ようやく子どもが寝てくれる時間には、すでにくたくたになってしまいます。
すると、本当にやりたいことややらなければならないこともできず、結局だらだら・ずるずると過ごしてしまうことありませんか?
そうした人にこそ身に付けてほしいのが自分自身を管理する方法、つまり「セルフコントロール」です。
そこで、今回は、
- 自分自身を管理する方法を教えて!
- 毎日の生活に役立つセルフコントロールを身に付ける方法を知りたい!
- セルフコントロール力を高める心理スキルって何?
といった疑問や悩みに答えていきます。
この記事は、堀田秀吾先生・木島豪先生の書籍「科学的に自分を思い通りにうごかすセルフコントロール大全」を参考にしています。
心理学的な研究結果もたくさん盛り込まれていて信頼性の高い内容です!
セルフコントロールとは
セルフコントロールとは、日本語に訳すと、「自己管理」とか「自己統制」などと表現できます。
つまり、自分の感情や行動をコントロールして、本当にやりたいことややらなければならないことをきちんとできるようになる力のことです。
先ほど紹介した書籍では、「本書が扱うのは「心」と「体」の健やかさと活力です。」と記載されています。
セルフコントロールを身に付けることで、子どもにも落ち着いて接することができるようになりますし、仕事や日常生活でもうまく行動できるようになっていきます。
セルフコントロールを身に付ける方法
セルフコントロールを身に付けるためには、心理学の知見を取り入れるものもあれば、日常生活の中で少しずつ習慣化していくものもあります。
ここでは「だらだら」したり、「ずるずる」先延ばしにしたりしてしまうような場面や悩み別にセルフコントロールを身に付ける方法を紹介します。
先ほど紹介した書籍からいくつか抜粋していきます。
仕事編
仕事をしなければならないのに、なかなか机に向かうことができないことがありませんか?
なかなか「やる気」が出ず、だらだらと時間だけが経ってしまうことは誰でもあることです。
また、やるべきことが詰まってくると、かえって他の関係のないことを始めてしまい現実逃避をした経験のある人も少なくないと思います。
私も、テレワークをしていたとき、なかなか仕事が進まずに思わず部屋の片付けをしてしまった経験があります。
そうしたときにおすすめなセルフコントロールは、①強制的に行う環境を作る、②「仕事をがんばるぞ!」と書いて部屋に貼る、の2点です。
強制的に行う環境を作る
強制的に行う環境を作るためには、自分の机やそのそばにスマホやタブレットを置かないなど、机の上を片付けて日頃からきれいにしておきましょう。
また、周囲から席を隠すような衝立がある場合には、取っ払って周囲の視線を意識できるようにすることも有効です。
「仕事をするしかない!」環境を作ることが大切です。
「仕事をがんばるぞ!」と書いて部屋に貼る
努力に関する言葉を見ることで、モチベーションが上がり、さらにポジティブな言葉と組み合わせることでより効果的になるという研究があります。
「やるぞ!」、「目標達成!」、「がんばるぞ!」といったポジティブな言葉を書いて机に貼り出すとモチベーションが上がりやすくなります。
生活編
家に帰ってからSNSばかりチェックしていませんか?
SNSは仕事やプライベートのネットワーク作りに有用なツールで、多くの人が使っています。
しかし、中にはSNS中毒のようなスマホから離れられないような人がいるのも事実です。
過剰なSNSの使用は「うつ」を招くおそれがあり、「SNSはやり過ぎない方がいい」というのが多くの研究の結論です。
そうしたときにおすすめなセルフコントロールは次の4つです。
- スマホからSNSアプリを削除する
- いやな気持ちになることを想像する
- デジタル機器を持たずに旅行する
- SNSは1日30分程度がベスト
スマホからSNSアプリを削除する
SNSのネガティブな影響を回避するための方法として、一番シンプルなのは、「SNSをやめてしまうこと」です。
やめたくてもやめられないSNS中毒の人もいるかもしれませんが、その場合はSNSをできない状況に自分を追い込みましょう。
SNS中毒と似たスマホ依存について詳しく知りたい方は、次の記事を参照してください。
いやな気持ちになることを想像する
人は、「これは見てはいけないものだ」と言われるとかえって見たくなってしまうものです。
そのため、SNSについても、「SNSを見るのはよくないことだ」と思えば思うほど、見たくなってしまいます。
そうしたときの対策として、「SNSを見ると、自分と他の人を比較して、いやな気持ちになるだろう」と想像してみましょう。
そうすることで、SNSを見たいと思う回数を減らすことができるはずです。
デジタル機器を持たずに旅行する
人は、スマホやタブレットを持たずに旅行に行くと、案外SNSを見なくても大丈夫だという安心感を得られるという実験結果があります。
普段の生活では、暇があるとついわけもなくスマホやインターネットで無益な暇つぶしをしてしまうことがあります。
そうした人こそ、デジタル機器を持たずに旅行に出かけることで、スマホが本当に必要な場面や、意外に不要だった状況などがわかり、どういう目的でデジタル機器を使うべきなのか、自分の生活を見直することにつながります。
SNSは1日30分程度がベスト
SNSはやめて仕舞えばいいのですが、人とのコミュニケーションがないと、健康を害してしまう可能性もあるので、人によっては完全にSNSを断ち切ることはおすすめできません。
そうした人は、iOSでアプリの利用時間に制限をかけられるスクリーンタイム機能を使うことで、1日30分しかSNSを使用できな環境を構築しましょう。
「体」編
朝、なかなか起きられないことありませんか?
一度目が覚めたけど、二度寝してしまったり、しばらく布団から出られなかったりと、そんな起床時の問題をコントロールするためにはどうすればよいでしょうか。
そうしたときにおすすめなセルフコントロールは、①最初から二度寝をスケジュールに組み込む、②起床時にポジティブな記憶を思い出す、の2点です。
最初から二度寝をスケジュールに組み込む
二度寝そのものが、自己管理できない人のイメージにつながりやすいですが、二度寝によって心を落ち着けて、リラックスさせる効果があることが分かっています。
「また二度寝しちゃった」と後悔するくらいなら、最初から二度寝すると決める「計画的二度寝」をすることをおすすめします。
個人差はありますが、深い眠りのノンレム睡眠と、浅い眠りのレム睡眠を繰り返す睡眠周期のサイクルは90分です。
レム睡眠の時に目覚めると快適に起床できるので、90分単位で睡眠時間を区切るといいでしょう。
例えば、7時30分までずるずる寝てしまう人は、まずは6時にアラームをセットします。
そして二度寝からの起床をレム睡眠にするため、90分後の7時30分にもう一度アラームが鳴るようにしてみましょう。
起床時にアラームだけでなく、天気予報や音楽なども一緒に流すと目覚めの効果はアップします。
そうしたときにはアレクサ搭載のスマートスピーカーなどと使うことがおすすめです。
アレクサ搭載のスマートスピーカーでアラームを設定する方法については、次の記事を参考にしてください。
起床時にポジティブな記憶を思い出す
目覚める時には、例えば前日にあった楽しい出来事を思い出すなど、ポジティブなことを考えると、それだけでストレスを抑える効果が期待できます。
ストレスを減らすことで、すっと気持ちよく起きられるはずです。
「心」編
無意識に悪い方へ考える癖がついていませんか?
そうしたことは誰にでもあることです。
子育てをしていると、子どもに対してイライラして強く当たってしまって、後で後悔したり悩んだりすることもあるでしょう。
生き生きとした人生を送る上で厄介な感情である「不安」は、セルフコントロールでどうにか対応していきたいものです。
そうしたときにおすすめなセルフコントロールは、次の2点です。
- 「そういうものだ」と理解する
- リアプレイザルする
「そういうものだ」と理解する
単純ながら一番大切なのは、「不安になるのは決して特別なことではない」と理解することです。
また、不安になりやすい性格のおよそ5割が遺伝によるものだと考えられているので、自分が平均から見ても明らかに心配性であったとしても「遺伝だから仕方ない」といい意味で諦めるのもよいでしょう。
不安に対して現状では有効な対策を取れるわけではありませんが、誰でも不安になって当たり前のことなのだとわかると、少し気が楽になります。
自分が不安になりやすいのであれば、敏感な不安センサーを持っていることをむしろ誇りに思って、湧き上がってきた不安に対して自信を持って対処していくことが大切です。
リアプレイザルする
リアプレイザルとは、自分の感情についての解釈を変えることで、マイナスの感情の要素を減らす方法です。
不安を感じたら、「お、今、私はワクワクしているんだ。」という風に声を出して言ってみましょう。
それだけで、不安から生じる汗をかいたり、体が震えたりする生理現象を「ワクワクから生じている」という解釈を脳に与えることができます。
それだけで、不安はちょこっと解消されるはずです。
セルフコントロール力を高める心理スキル
最後に、セルフコントロール力を高めるための心理スキルを紹介します。
- マインドフルネス
- アンガーマネジメント
- 認知行動療法
マインドフルネス
マインドフルネスとは,自分に気付きを向けて,その気付いた自分の体験を,評価や否定をすることなく,優しく受け止め,興味を持って味わって,そっと手放すといったものです。
子育てや日常生活を通して、なんとなくだるいなとか、やる気が起きないなといったときに、「今,ここにいる自分」に集中することで、ぐるぐると考えてしまっているさまざまなことから離れることができます。
坐禅や瞑想のイメージがあるかもしれませんが、日常生活で取り入れられる簡単な方法もたくさんあります。
マインドフルネスを実施する方法について詳しく知りたい方は、次の記事を参考にしてください。
アンガーマネジメント
アンガーマネジメントとは、怒りなどの感情を上手にコントロールしたり、適切な方法で表現できたりするようになるためのスキルです。
感情的になってしまって、目の前のことに手がつけられなくなったときなどに効果的です。
親のためのアンガーマネジメントについては、次の記事で詳しく説明しています。
認知行動療法
認知行動療法とは、自分自身に目を向けてストレスの存在を知り、自分に何が起きているのかよく理解した上で、自分にとって効果的で適切な対処法を見つけていくための心理療法の一つです。
自分の考え方や感情の動き方の癖に気が付くことで、どんな場面でも落ち着いて行動できるようになります。
認知行動療法について詳しく知りたい方は、次の記事をご覧ください。
おすすめのオンラインカウンセリング
自分のことや家族のことでお悩みの方は、一度オンラインカウンセリングを検討してみてはいかがでしょうか?
他人に相談することに多くの人は抵抗がありますが、私のブログをお読みになっていただいている方は、悩みを解決するために一歩進むことのできる方です。
実際のカウンセリングルームや精神科病院などにいくのは勇気がいりますし、家族の理解も得にくいと思いますので、そうした方には「オンラインカウンセリング」をおすすめしています。
ネットで検索すると様々なオンラインカウンセリングが出てきますが、「うららか相談室」は、私と同じ公認心理師や臨床心理士といった信頼性の高い心理の資格をお持ちの方が相談に乗ってくれます。
多種多様な相談内容にも対応しているので、一度試してみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は、セルフコントロールを身に付ける方法について説明しました。
子育て中の方にとって、セルフコントロールを身に付けることはとても大切です。
適切に自分を管理する力を身に付けることで、毎日の子育てを楽しく上手にできるようになっていきます。
ご相談やご質問がある場合は,こちらにご連絡ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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