「昨日まで普通に行っていたのに、今朝突然『行きたくない』と言い出した」
そんな経験をされた方も、多いのではないでしょうか。不登校の始まりは、多くの場合、突然やってきます。親としては頭が真っ白になって、何をすればいいかわからなくなりますよね。
この記事では、子どもが学校に行けなくなった最初の1ヶ月に絞って、「今日すること」「最初の1週間」「1ヶ月後まで」の動き方を時系列でお伝えします。「何から手をつければいいかわからない」という方に、具体的な道標になれば幸いです。
📖 こんな方に読んでほしい記事です
- 子どもが最近急に「学校に行きたくない」と言い出した方
- 不登校になったばかりで、何をすればいいか迷っている方
- 最初の対応を間違えたくないと不安に感じている方
- 学校への連絡や今後の動き方がわからない方
まず深呼吸。最初の数日間にしてはいけないこと

子どもが「行きたくない」と言い出したとき、親として最初にしたくなるのは「なぜ?」と理由を問い詰めること、あるいは「頑張って行こう」と背中を押すことではないでしょうか。
ただ、この最初の数日間の対応が、その後の回復に大きく影響することがあります。焦る気持ちはよくわかりますが、まず「してはいけないこと」を知っておくことが、最大の初期対応になります。
⚠️ 最初の数日間に避けてほしいこと
- 「なぜ行かないの?」と原因を執拗に問い詰める
- 「頑張れば行けるはず」と登校を強く促す
- 「このままじゃダメになる」と将来の不安を口にする
- きょうだいや他の子と比べる
- 学校や担任の先生にすぐ細かく報告・相談しようとする
子どもが「行けない」と感じているとき、その多くは本人も理由がわかっていません。問い詰めても答えられないのは、隠しているのではなく、言語化できないからです。
ゆう最初の数日は「何もしないこと」が最善の対応になることも多いです。まず休ませることから始めましょう。
不登校でやってはいけない対応全般については、こちらの記事でくわしく解説しています。


「今日・今週」親がすること|最初の1週間の動き方
子どもが学校を休みはじめた最初の1週間は、情報収集と環境づくりの時期です。あれこれ動き回るのではなく、「今日できることを一つずつ」という気持ちで進めてみてください。
① 学校への連絡はシンプルに
毎朝の欠席連絡は、できるだけ短くシンプルに。「体調不良で休みます」「本人の状態を見ながら対応します」程度で十分です。最初のうちは詳しい事情を説明しなくても構いません。
📞 連絡時のひとこと例
「○○ですが、本日も体調が優れないため欠席します。状況が落ち着いたら改めてご相談させてください。」
担任の先生から「理由は何ですか?」「いつ頃来られそうですか?」と聞かれても、「まだ把握できていません」と答えて構いません。最初の段階では、親も状況を整理している最中で当然です。
② 家での過ごし方は「安心」を最優先に
休んでいる間のゲームや動画視聴を、最初から制限しようとしなくて大丈夫です。学校に行けなくなったばかりの子どもは、心身ともに疲弊していることが多く、まずエネルギーを回復させる時間が必要です。
「何もしていない」ように見えても、それは回復のプロセスの一部です。生活リズムが多少乱れても、最初の1週間は大きく叱らず、「家にいてもいい」という安心感を伝えることを優先してください。
③ 子どもへの声かけは「聞く」より「そばにいる」
「何があったの?」「どうしたいの?」と聞きたくなる気持ちはよくわかります。でも最初の1週間は、無理に言葉を引き出そうとしなくていいです。
「休んでいいよ」「ゆっくりしていいよ」という短いひとことで十分です。子どもは、親が焦っていないかどうかを、表情や態度からとても敏感に読み取っています。



親が落ち着いていると、それだけで子どもは少し安心できます。まずあなた自身が深呼吸することも大切です。
どう動けばいいか、一人で抱え込まないでください
初期の対応に不安を感じたら、専門家に相談するのも一つの選択肢です。
最初の1ヶ月の動き方フロー|焦らなくていい理由


1週間が過ぎたころから、少しずつ「この先どうしよう」という気持ちが出てくると思います。ここでは、最初の1ヶ月を3つのフェーズに分けて、親の動き方をお伝えします。
フェーズ①(1〜2週目):まず休ませる・様子を見る
これはあくまで一般化した事例ですが、Bさん(38歳)の中学1年生の子どもは、5月のゴールデンウィーク明けから突然「お腹が痛い」と言い始め、学校を休みがちになりました。最初の2週間はとにかく休ませることだけに集中し、「なぜ?」は一切聞かなかったといいます。3週目に入ったころ、子ども自身から「人間関係がしんどかった」と話してくれたそうです。
最初の2週間は、原因究明よりも「安心できる場所を作ること」を最優先にしてください。子どもが自分から話せるようになるには、安心感が必要です。
フェーズ②(2〜3週目):情報を集める・相談先を知る
少し落ち着いてきたら、親自身が情報収集を始めるタイミングです。子どもに動いてもらうのではなく、まず親が動く段階です。
💡 2〜3週目に親がやっておきたいこと
- 担任またはスクールカウンセラーに「相談したい」と連絡を入れる
- 自治体の教育相談センター・子ども家庭支援センターを調べる
- 子どもの状態(睡眠・食事・表情の変化)をメモしておく
- フリースクールや支援機関の情報をざっくり把握しておく
この段階では、相談先に「どうすればいいですか?」と聞くより、「今こういう状態です」と現状を伝えることが大切です。
フェーズ③(3〜4週目):子どもと少しずつ話す
子どもが少し落ち着いてきたら、ようやく「これからどうしようか」という会話ができるようになってきます。ただし、「学校に戻る」ことを前提にした話し合いは避けてください。
「今、何がしんどい?」「何があったら少し楽になる?」という、子ども自身の気持ちを引き出す問いかけから始めると、話しやすくなります。この段階でも、登校を急かすことは回復を遅らせることがあります。
不登校の回復には段階があります。そのプロセスについてはこちらの記事が参考になります。


「休ませていて大丈夫?」という不安に答えます
初期対応でもっとも多い保護者の不安が、「このまま休ませ続けて本当にいいのか」というものです。出席日数・進路・学習の遅れ……気になることはたくさんありますよね。ここで事実をお伝えします。
出席日数・内申点への影響は?
欠席日数が内申点や進路に影響するかどうかは、学校や都道府県によって異なります。ただ、一般的に以下のことは押さえておいてください。
- フリースクール・適応指導教室(教育支援センター)への出席は、学校の出席として認められる場合がある
- 通信制高校・定時制高校など、欠席日数を重視しない進路の選択肢は多くある
- 小・中学校は義務教育のため、欠席を理由に留年や卒業不可にはならない
最初の1ヶ月の段階では、進路の心配よりも子どもの回復を優先することが、結果として進路の選択肢を広げることにもつながります。
いつ専門家に相談すればいい?
「まだ様子を見るべきか、もう相談すべきか」という判断に迷う方も多いです。目安としては、以下のような状態が続くようであれば、早めに専門家に相談することをお勧めします。
🔔 早めの相談をお勧めするサイン
- 身体症状(頭痛・腹痛・発熱など)が続いている
- ほとんど部屋から出てこない・食事をとらないことが増えた
- 「死にたい」「消えたい」などの言葉が出てきた
- 親への暴言・暴力が出ている
- 2週間以上まったく改善の兆しが見えない
「相談するほどでもないかも」と思って一人で抱え込むのが、一番しんどい状況です。相談先や支援機関については、こちらの記事にまとめています。


また、不登校の原因や全体的な理解については、こちらの柱記事も参考にしてください。


まとめ
- 最初の数日間は、問い詰めず・急かさず、まず休ませることが最優先
- 学校への連絡はシンプルに。詳しい説明は後回しでいい
- 1〜2週目は安心できる環境づくり、2〜3週目から情報収集・相談先の把握へ
- 3〜4週目になったら、登校を前提にせず子どもの気持ちを聞く会話を
- 身体症状・引きこもり・暴力などのサインがあれば早めに専門家へ
- 最初の1ヶ月は、回復のための土台を作る時期。焦らなくて大丈夫
「何もしていない」のではなく、「休ませることができている」。それだけで、最初の1ヶ月は十分です。あなたがこうして情報を調べていること自体、子どもへの大切な関わりだと思います。
不安なことは、専門家に話してみませんか
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元 少年鑑別所 心理技官(18年)
現職:子ども家庭支援センター

