「相談したいけど、どこに行けばいいかわからない」「子どもが相談に行きたがらない」「どこに相談しても変わらない気がして……」
不登校の相談先を探すとき、こういった壁にぶつかる方はとても多いです。相談先の種類は多いのに、どれを選べばいいか迷ってしまいますよね。
この記事では、不登校の相談先の種類と特徴、そして状況別の選び方を、子ども家庭支援センターで日々相談を受けている現場の立場からお伝えします。「今の自分の状況にはどこが合うか」を考えるヒントにしてください。
📖 こんな方に読んでほしい記事です
- 子どもの不登校が続いていて、どこに相談すればいいか迷っている方
- 子どもが相談機関に行きたがらず、どうすればいいか困っている方
- 学校や担任に相談したが、うまくいかなかった経験がある方
- 親自身の気持ちを整理できる場所を探している方
「相談に行くのが怖い」を解決する|まず親だけでOK

相談先について調べていると、「子どもを連れて行かなければいけない」というイメージを持つ方が多いようです。でも、ほとんどの相談機関では、最初は親だけで相談することができます。
思春期の子どもは、カウンセリングや支援機関に対して強い抵抗感を持つことがあります。「自分がおかしいと思われる」「無理やり学校に行かされる」という不安からです。そういった子どもを無理に連れて行くと、かえって関係が悪化することもあります。
💡 最初の相談で親が話すといいこと
- いつごろから・どんな様子で学校に行けなくなったか
- 家での子どもの様子(睡眠・食事・表情・会話の様子)
- 学校や担任とのやりとりの状況
- 親自身が一番困っていること・不安に思っていること
「子どもの情報が少ないと相談できないのでは」と心配しなくて大丈夫です。親が現状を整理して話すだけで、専門家は多くのことを読み取ることができます。まずは親だけで、気軽に話しに行くところから始めてみてください。
ゆう「相談するほどのことでもないかも」と思っているうちが、実は一番早く動けるタイミングです。
不登校の相談先4種類|特徴と現場からひとこと
相談先は大きく4種類に分けられます。それぞれの特徴と、現場で感じていることをお伝えします。
① 学校内の相談先|スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカー
スクールカウンセラー(SC)
心理の専門家。子どもの気持ちを聞いたり、保護者の相談に乗ったりします。学校内でアクセスしやすいのが強みですが、勤務日数が週1〜2日程度のことが多く、継続的な関わりには限界があります。
スクールソーシャルワーカー(SSW)
福祉の専門家。家庭環境や経済的な問題など、学校外の課題も含めて支援します。関係機関とのつなぎ役として動いてくれるため、複数の問題が絡んでいるケースで特に力を発揮します。
SCとSSWの詳しい違いや活用法については、こちらの記事で解説しています。


② 公的機関|教育センター・子ども家庭支援センター
教育センター・教育相談室
自治体が運営する教育相談窓口。不登校・発達・学習など幅広い相談に対応しています。適応指導教室(教育支援センター)への入室窓口にもなっています。無料で利用できます。
子ども家庭支援センター
私が現在勤務している機関でもあります。子育て・家族関係・発達・不登校など幅広い相談を受け付けており、必要に応じて医療機関や福祉サービスにつないでいます。無料で、予約なしで相談できる自治体も多いです。
公的機関の強みは、無料で継続的に関われること、他の支援機関へのつなぎ役になれることです。「どこに相談すればいいかわからない」という方の最初の一歩として、特におすすめです。
③ 医療機関|小児科・児童精神科
小児科・かかりつけ医
身体症状(頭痛・腹痛・睡眠障害など)が続いている場合は、まずかかりつけの小児科に相談するのが入りやすいです。起立性調節障害など身体的な疾患が背景にある場合もあるため、早めの受診をおすすめします。
児童精神科・思春期外来
発達の心配がある・強い不安や抑うつが見られる・自傷行為があるなど、より専門的な評価が必要なケースで受診を検討します。初診まで数ヶ月待ちになる地域もあるため、必要と感じたら早めに予約することをおすすめします。診断は医師の領域のため、受診前に「診断してもらわなければいけない」と構えすぎなくて大丈夫です。
④ 民間・オンライン|フリースクール・オンラインカウンセリング
フリースクール・民間支援団体
学校とは別の居場所として機能します。子どもが自分のペースで社会とつながる練習ができる場所です。出席扱いになる場合もあるため、学校と連携して利用するのがおすすめです。
オンラインカウンセリング
自宅から気軽に相談できるのが最大の強みです。共働きで平日に動きにくい方、子どもを一人にできない方、まず「親自身の気持ちを整理したい」という方に特に向いています。有料ですが、交通費や時間のコストを考えると使いやすいという声も多いです。
オンラインカウンセリングのサービスを選ぶポイントについては、こちらの記事も参考にしてください。


まずは親自身の気持ちを整理してみませんか
自宅から予約不要で相談できるオンラインカウンセリングです。
状況別|どの相談先を選ぶか


「どこでもいいから相談してみよう」と思っても、状況によって向いている相談先は違います。今のご家庭の状況に近いものを参考にしてみてください。
不登校になったばかりのとき
👉 まずスクールカウンセラーか教育センターへ
学校との連携が取りやすく、初動として動きやすいです。担任との関係や学校内の状況の情報も把握してもらいやすいのが強みです。
不登校が3ヶ月以上続いているとき
👉 子ども家庭支援センターや民間支援機関へ
長期化している場合は、学校だけでなく家庭全体を支える視点が必要になります。子ども家庭支援センターは、複数の機関をつないでくれる「ハブ」として機能してくれます。
発達の心配も重なっているとき
👉 発達障害者支援センター・児童精神科へ
発達の特性が不登校の背景にある場合は、専門的な評価が助けになることがあります。まず教育センターや子ども家庭支援センターに相談し、そこから専門機関につないでもらうルートが動きやすいです。
親自身が限界に近いとき
👉 オンラインカウンセリングへ
平日に動けない・子どもを一人にできない・まず自分の気持ちを吐き出したい、という方に向いています。子どものためではなく「親自身のケア」として使うオンラインカウンセリングは、回復の土台を作ることにつながります。
不登校になったばかりの時期の初動については、こちらの記事も参考にしてください。


相談してもうまくいかないと感じたときに
「相談に行ったけど、何も変わらなかった」「担当の人と合わなかった」という経験をされた方もいると思います。それで「もう相談はいい」と思ってしまうのは、とても自然な反応です。
ただ、一つの相談先がうまくいかなかったことは、「相談すること自体が無意味」ということではありません。いくつか知っておいてほしいことがあります。
💡 相談がうまくいかなかったときに試してほしいこと
- 担当者を変えてもらうか、別の機関を試す……相談の専門家にも相性があります。「この人とは話しにくい」と感じたら、遠慮なく別の担当者を希望するか、別の機関に相談し直して大丈夫です
- 複数の相談先を並行して使う……学校のSCと公的機関、公的機関とオンラインカウンセリング、など複数を使い分けることは問題ありません。それぞれ役割が違うため、組み合わせることで支援の幅が広がります
- 「相談の目的」を整理してから行く……「とにかく話を聞いてほしい」「具体的なアドバイスがほしい」「子どもの状態を評価してほしい」など、目的によって向いている機関が変わります



合う・合わないは、あなたのせいでも機関のせいでもないことが多いです。遠慮なく別の場所を探してみてください。
不登校の全体的な理解と対応の流れについては、こちらの柱記事もあわせてご覧ください。


まとめ
- 相談は最初から子どもを連れて行かなくていい。まず親だけで動いてOK
- 相談先は学校内・公的機関・医療・民間オンラインの4種類がある
- なりたてはSCか教育センター、長期化は子ども家庭支援センター、親が限界ならオンラインが向いている
- 一つの相談先でうまくいかなくても、別の機関を試したり複数を並行して使ったりしていい
- 「相談の目的」を事前に整理すると、より合った機関を選びやすくなる
「まだ相談するほどでもない」と思っているうちが、実は一番動きやすいタイミングです。一人で抱え込まず、使える場所をうまく活用しながら、子どもとの時間を乗り越えていきましょう。
一人で抱え込まず、まず話してみませんか
子どものことも、親自身の気持ちも。自宅から気軽に相談できます。
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元 少年鑑別所 心理技官(18年)
現職:子ども家庭支援センター
