この記事では、
自己表現方法を伸ばすための「DESC法」
について詳しく説明していきます。
親であれば、自分の子どものコミュニケーション能力が高くなってほしいという気持ちがあると思います。
親自身がコミュニケーションが好きで上手であれば、子どものコミュニケーション能力の成長にも良い影響を与えます。
コミュニケーションの本質は、相手の気持ちを理解することと、自分の気持ちを上手に相手に伝えること、つまり双方向のやり取りです。
その中でも、「自分の気持ちを上手に相手に伝える」ことが苦手な人いるのではないでしょうか。
親が自分の気持ちを上手に伝えられるようになれば、子どものコミュニケーション力も少しずつ高まっていきます。
そこで、今回は、
- 親自身のコミュニケーション力を高めたい!
- 子どものコミュニケーション力を伸ばしたい!
- DESC法を知りたい!
といった疑問や悩みに答えていきます。
自分の気持ちを上手に伝えることができるようになれば、言いたいことが言えて後悔することが少なくなりますし、嫌なこともはっきりと断れるようになります。
そうした親の姿を見て、子どもも上手なコミュニケーションを学んでいくことになります。
子どもは親の話し方をよく見ています!
DESC法とは
まずは、DESC法について説明します。
DESC法とは、アサーションスキルを体系的に4つのステップに分けたもので、相手を不快な気持ちにすることなく、自分の気持ちや考えを上手に相手に伝える方法のことです。
4つのステップとは、「Describe(描写する)」、「Express(説明する)」、「Suggest(提案する)」、「Choose(選択する)」です。
これらの頭文字を取ったのが「DESC法」です。
アメリカの心理学者ゴードン・バウアーらによって提唱されたアサーションスキルの一つです。
自己表現の3つのタイプ
自己表現には3つのタイプがあると言われています。
それが以下の3つです。
- 攻撃的タイプ
- 非主張的タイプ
- アサーティブなタイプ
コミュニケーションに悩んでいてこの記事を読んでいる人の多くが、非主張的なタイプか、または攻撃的なタイプのどちらかだと思います。
自分がどのタイプに当てはまるか考えながら読み進めてください。
理想的なのはアサーティブタイプです。
攻撃的タイプ
1つ目が攻撃的なタイプです。
攻撃的なタイプとは、自分の意見、考え、気持ちをはっきりと言えることです。
こうしたタイプの人は、表情が豊かで、ハキハキとしゃべり、きちんと自己表現ができているように見えます。
しかし、相手の話をあまり聞いていないこともあり、自分の話したいことばかり話していて、結局は相手のことを尊重せずに踏みにじってしまいがちです。
非主張的タイプ
2つ目が非主張的タイプです。
非主張的タイプの人は、自分の気持ちや考えを表現しなかったり、表現しようとしても上手くできなかったりします。
また、自分の気持ちや考えを言わないだけでなく、曖昧で遠回しな言い方をしたり、言い訳がましく言ったり、消極的な態度を取ったり、小さな声で話したりすることも含まれます。
アサーティブなタイプ
3つ目がアサーティブなタイプです。
アサーティブなタイプとは、自分も相手も大切にする自己表現です。
自分の考えや気持ちを正直に、率直に、そしてその場に相応しい方法で表現します。
それによって、相手にも同じような自己表現を促します。
3つのタイプの中で、一番理想的なタイプだと言えます。
アサーションのタイプについてもう少し詳しく学びたい人は、次の記事を参考にしてください。
DESC法の基本
DESC法の基本についてです。
DESC法は、4つの単語の頭文字をつなげた言葉です。
- Describe(描写する)
- Explain(説明する)
- specity(提案する)
- Choose(選択する)
1つずつ説明していきます。
Describe(描写する)
Describe(描写する)とは、相手の行動や解決しようとする問題の状況について客観的に事実を描写するという意味です。
例:この前のテストのときに貸したノートは約束の日に戻ってこなかった。それから2日間、ノートが戻ってくるのを待っていた。
この例では、貸したノートが約束の日に戻ってこなかったという事実だけを言葉にしていて、このときに生じていたかもしれない「怒り」や「不安」などの感情を言葉にしていません。
また、「相手は貸した者も返せないダメな奴だ」といったような自分の思い込みも省いています。
あくまでも客観的な事実だけを取り上げて、自分の感情や思い込みと切り離すことが大切です。
D「事実の描写」とも言います。
Explain(説明する)
Explain(説明する)は、D(Describe)で描写した客観的事実に対して自分の主観的な気持ちを述べる手法です。
例:自分もテスト勉強にはノートが必要だったから、いつ戻ってくるのか不安だった。
Explainで初めて自分の気持ちや感情を言葉にして伝えます。
このとき、あまり感情的にならずに相手に思いやりを持って、優しく丁寧に伝えることが大切です。
E「気持ちの表現」とも言います。
specity(提案する)
Specity(提案する)は、状況を変えるための具体的で現実的な解決策や妥協案を提案するものです。
例:家で一緒に勉強するか、ノートをコピーするか、他の方法もありそうだね。
このときには、相手が責められたと感じないように、また、相手にとって強制的にならないように伝えることがポイントとなります。
S「行動の提案」とも言います。
Choose(選択する)
Choose(選択する)によって、選択肢や代替案を示します。
例:そうしたら、このノートを使って、一緒に勉強しようか?それとも、必要なところだけコピーを取って渡そうか?
いくつかの選択肢や代替案を提案して、相手にとってより良い方法を選んでもらいましょう。
もしも「No」と言われたときのことも考えて、次にどうするか選択肢を用意しておくと更に良くなります。
C「行動の選択」とも言います。
DESC法を使った表現の活用
DESC法を使って、具体的な場面を想定した活用方法について説明していきます。
具体的な例としては次のとおりです。
- 例:「次の日曜日に一緒にカラオケに行こう」と友達に誘われました。前々から友達に誘われていて、コロナのためにずっと行くのを断っていましたが、最近になって他の友達も行き始めていたし、自分もカラオケが好きだから行きたい気持ちがあります。だけど、その日曜日の次の日は学校のテストがあるため勉強をしなくてはいけません。親にもカラオケ入ってもいいけど、テスト前は勉強するように言われています。
あなたは、今度の日曜日にカラオケには行けないと断らなければなりません。
なんと言ったらいいでしょうか?
ここからは私なりの考えで説明しますが、皆さんも自分だったらどのように答えながら読んでみてください。
D:事実の描写
状況や相手の言動を客観的に、事実だけを描写します。
E:気持ちの表現
自分の気持ちを表現します。
自分の気持ちを表現するときは、「主語を自分にする」ことを意識しましょう。
これを「アイ・メッセージ」と言います。
S:行動の提案
相手に解決策や妥協案を提案します。
C:行動の選択
最後に、行動を選択します。
あくまでも一例です。自分に合った答え方を見つけましょう。
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まとめ
今回は、自己表現方法を伸ばすための「DESC法」について説明しました。
親自身のコミュニケーション能力が高まれば、子どものコミュニケーション能力も育っていきます!
ご相談や質問がある場合には、こちらまでどうぞ!
最後までお読みいただきありがとうございました。