女性のADHDの特徴とは?|子育て中の女性にこそ知ってほしい

女性のADHDの特徴

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今回の記事では、

女性のADHDの特徴

について詳しく説明していきます。

ADHDは子どもの発達障害の一つとして社会的に認識が広がってきていますが、大人でもADHDの特徴を持っている人はいます。

特に、子育てに悩んでいる女性の場合、自分自身のADHDの特徴に気が付いて、そのことを理解して対応方法を身に付けることができれば、子育ての悩みを少しだけ軽減できるかもしれません。

そこで、今回は、

  • ADHDの特徴を教えて!
  • ADHDとの付き合い方を知りたい!
  • 女性のADHDならではの対処方法を学びたい!

この記事は、福西勇夫先生・福西朱美先生の書籍「マンガで分かる女性のADHD・ASD」を参考にしています。

目次

ADHDとは

ADHDとは、注意欠如多動症や注意欠如多動性障害といい、注意欠如、衝動性、落ち着きのなさなどの多動性を症状とする神経障害です。

AD/HDの症状
  • 注意欠如:忘れ物、なくし物、人の話を聞いていない
  • 衝動性:失言や暴言、軽はずみな行動
  • 多動性:じっと静かにしていることが苦痛で、ソワソワ落ち着きがない

こうした症状と関連して、学校や会社などで忘れ物や遅刻を頻発したり、人間関係のトラブルなど様々な困難を引き起こしたりすることがあります。

周囲からADHDの理解を得られないと、「いい加減にやっている」「やる気がない」など、厳しい評価を受けることが多くなりがちです。

ADHDの特性は先天的なものなので、治療して消えるということはありませんが、環境や生活習慣を改善したり、自分の苦手なところに気付いて適切に対応できるようにトレーニングをしたりすれば、トラブルを起こしにくくできます。

なお、子どものADHDを始めとした発達障害を理解したい人は、次の記事も併せてご覧ください。

女性のADHDの特徴

ADHDは、男性(男の子)の方が目立ちやすく、女性(女の子)の方が少ないと考えられてきました。

しかし、最近では女性にもそれなりの数の方が、ADHDではないかと考えられるようになってきています。

ここからは、「注意欠如」、「衝動性」、「多動性」、「その他」の特徴を説明していきます。

ゆう

一つずつ解説していきます。

注意欠如

注意欠如は、注意がいろいろなことに向きやすく、一つのことに集中することが苦手な傾向です。

家や職場の片付けが苦手だったり、遅刻が多いなど時間管理が不得手だったりすることにつながります。

衝動性

女性の場合は、暴力を伴うような衝動性はさほど多くはありませんが、思ったことや感じたことをその場でパッと言葉に出してしまうことがあります。

また、衝動性があると、衝動買いやお金をパッと使ってしまうといった悩みも生じがちです。

多動性

多動性については、大人になると落ち着く人も多いのですが、貧乏ゆすりをしたり、しゃべりすぎたりするといった表れ方をして悩む人が少なくありません。

その他

人によっては、意欲が湧きにくく、目の前に予定や課題があっても、ボーとするばかりで、なかなか取り掛かることができなくて困っている場合があります。

ADHDの人による生きづらさから、何かの依存になってしまう人もいます。

依存の対象は、精神薬やアルコールなどの物質だったり、スマホやゲームや買い物などの行為だったりします。

依存症については、次の記事で詳しく説明しています。

ADHDのチェックリスト

ADHDを始めとする発達障害の症状には、脳の働きのほかに、それまでの成育歴や環境の中で培ってきた習慣などが関わっています。

下の「ADHDチェックリスト」は、医療機関などでADHDかどうかを診断する際に使用するものの一例です(「マンガで分かる女性のADHD・ASD」p67-68の表の一部を引用)。

番号症状あまりないときどきしばしばいつも
物をなくしたり、
置き忘れたりする
集中が持続しない
注意が散漫で、
ケアレスミスが多い
整理整頓ができない
優先順位をつけるのが下手
朝起きるのが苦手
「ボーとしている」と言われる
視界に何かが入ったり、
周りの音で注意が削がれる
依頼、指示、約束などを忘れやすい
10「天然」と言われる
11同じ注意を何度も受ける
12時間を守れずに遅刻する
13長続きしないので、
すぐに投げ出してしまう
14興味があるものは集中できるが、
興味がないものは先送りしやすく
集中できない
15落ち着きがなく、
じっとしていられない
16会話中に人の話を遮る
17順番待ちをするのは苦手
18計画を立てて実行するよりも
思い付きで行動する
19すぐに人を信用して騙される
20欲しいものがあるとすぐに
買ってしまう
ADHDチェックリスト

このチェックリストだけで診断が出るわけではありませんが、医療機関に行く前に実施しておくことで、問診などの際に役立てることができます。

ADHDのある女性の家庭での困り感

悩む女性

家庭では、職場などと比べてルールの遵守や協調性を求められるようなことが少ないので、一見楽で適応の問題が少ないように思えますが、苦労している女性は少なくありません。

ここからは、ADHDの特徴が家事や子育てにどのような影響を与えるのかを説明していきます。

家事

家事は「こうしなくてはならない」という明確なルールがないため、何を、いつまでに、どのくらいやればよいのか分からなくなってしまうことがあります。

例えば、掃除や洗濯について、明確な期限やルールがないため、後回しにしているうちに、汚れ物がたまったり、ひどく散らかったりしてしまいます。

料理も、買い物をして、材料を揃えて、道具を準備するなどの段取りをする能力が求められますし、決まったレシピがあっても家族の人数や好みなどで臨機応変に対応しなくてはいけないこともあります。

スープやサラダを作りながら、主菜も作るなど、同時進行で色々な作業をする必要もあり、集中が続くかないことで難しく感じてしまいます。

公共料金の支払いや子供の学校の手続きが遅れがちになる人も少なくありません。

低年齢で忘れ物や遅刻が多い子どもの保護者の中には、保護者自身がADHDの問題を抱えている場合があります。

子育て

大人だけなら多少家のことがうまく回っていなくても、何とかなりますが、子どもがいるとそうはいきません。

通常の家事に子育てが加わると、やらなければならないことの量が一気に増えてしまいます。

特に、小さな子がいる家庭では、部屋に危険なものを置かないようにしたり、片付けをしたりして、事故やケガを予防しなければなりませんが、それを難しく感じやすいところがあります。

衝動性が高い母親の場合、思ったことをパッと口に出してしまったり、激しく厳しく叱ったりすることで、子供を傷つけてしまうことがあります。

母親として良かれと思って「あれを先にしなさい」「ああした方がうまく行くわよ」などとアドバイスをしたつもりが、子どものやる気を削いでしまうこともあるかもしれません。

アルコール依存症や買い物依存症、スマホ依存症のように、何かにのめり込んでしまって家事や子育てをおろそかにしてしまうこともあるでしょう。

ADHDの対応方法

ここまで説明してきたADHDの特徴やそれによる家事や子育ての困り感などについては、即効性のある解決法はなく、それぞれの特徴に合った工夫や生活習慣の改善などをしていくことで対処していくことになります。

個別の対応は医師などの専門家に相談していただくことでアドバイスをいただけますが、少し敷居が高いと思いますので、ここでは多くの方に共通する対応方法を紹介していきます。

なお、大人のADHDのトレーニングについては、次の記事も参考になります。

強みを見つける

ADHDに限りませんが、発達障害の特性は見方や環境によっては、必ずしも弱点や欠点とは言えないことがあります。

例えば、衝動性が高い人は、見方を変えると、「行動力がある」と評価されることがあります。

そのためにたくさんトラブルを経験していても、その分学びの機会は多かったといえるかもしれません。

また、注意欠如のある人は、一つのことを長く続けられなくても、次々と新しいことや別のことできる力があると言えます。

毎日いろいろなことを少しずつ区切りながら進めていくことで、全体として多くのことを成し遂げられるでしょう。

ゆう

自分の持っているADHDの特性は何か、強みは何か、考えてみましょう。

同じような特性を持っている人でも困っていない人がいたら、それはなぜなのか見方を変えてみましょう。

やることの優先順位をつける

予定が多すぎて把握できない、しなくてはならないことを忘れてしまうと悩んでいる人がいます。

ADHDの人は、思いついたことにどんどん着手するのではなく、一度やることをリストアップして、優先順位をつけてから取り掛かると良いでしょう。

優先順位をつけることが苦手ならば、問題や課題を分割・小型化してできることからやりましょう。

例えば、部屋の掃除と食材の買い物と銀行振り込みをしなければならない場合、まずは期限の迫っている銀行の振込に行くことを優先しつつ、その銀行のそばのスーパーで買える食材だけ買うことにします。

部屋の掃除については、とりあえず床に落ちているものを片付けて、残りの床の掃除機掛けや片付けは別の日にするといったことができます。

サポートを求める

ADHDの人は、自分の苦手なことを誰かにサポートしてもらうことで、適応がグッと良くなります。

しかし、そもそも人に助けを求めたり相談したりすることが苦手な人が少なくありません。

すでにある人間関係でサポートを求めにくいのであれば、医療機関や発達障害者支援センターなどに相談することをお勧めします。

また、金銭的に余裕があれば、たとえば家事が苦手なら家事サービスを利用したり、育児が苦手ならベビーシッターを頼んだりと民間のサービスを活用することもできます。

また、身近な人に助けを求める場合には、あれもこれも頼むのではなく、たとえば親に「週1回はゴミを出すようにメールをして」とか、夫に「子どもの習い事の月謝の支払いの日を知らせて」といったように小さなことを頼むと良いでしょう。

おすすめのオンラインカウンセリング

自分のことや家族のことでお悩みの方は、一度オンラインカウンセリングを検討してみてはいかがでしょうか?

他人に相談することに多くの人は抵抗がありますが、私のブログをお読みになっていただいている方は、悩みを解決するために一歩進むことのできる方です。

実際のカウンセリングルームや精神科病院などにいくのは勇気がいりますし、家族の理解も得にくいと思いますので、そうした方には「オンラインカウンセリング」をおすすめしています。

ネットで検索すると様々なオンラインカウンセリングが出てきますが、うららか相談室は、私と同じ公認心理師や臨床心理士といった信頼性の高い心理の資格をお持ちの方が相談に乗ってくれます。

多種多様な相談内容にも対応しているので、一度試してみてはいかがでしょうか。

【URARAKA(ウララカ)】

まとめ

今回は、女性のADHDの特徴について説明しました。

子育て中の女性が自分のADHDに気付いて正しく理解することができるようになれば、夫の助けも借りやすくなります。

また、何よりも子どもへの関わり方を工夫できるようになって、子どもに対して傷つけるようなことを避けることができるようになります。

発達障害で生きづらいと感じる人に向けた記事についても参考にしてください。

ご相談やご質問がある場合は、こちらにご連絡ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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