女性のADHDとは?大人になってから気づく特徴と生きづらさ【子育てで感じやすい悩み】

女性のADHDの特徴

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子育てをきっかけに、これまで気づかなかった生きづらさを抱く女性がいらっしゃいます。

「もしかして自分は、他の人より子育ての要領が悪いかもしれない」
「自分なりに頑張っているつもりなのに、なぜかうまく回らない」

こうした悩みのある方は、もしかすると「女性のADHD」の特性がある方かもしれません。

ただし、すべての生きづらさがADHDで説明できるわけではなく、また、診断があるかどうかで悩みの重さが決まるものでもありません。

この記事では、女性のADHDに多いとされる特徴や、大人になってから生きづらさを感じやすい背景を整理しながら、「なぜここまで一人で抱え込んでしまいやすいのか」という視点から考えていきます。

ゆう

自分に当てはまるかどうかを判断するためではなく、これまで感じてきた違和感を言葉にする手がかりとして、読み進めていただければと思います。

この記事は、福西勇夫先生・福西朱美先生の書籍「マンガで分かる女性のADHD・ASD」を参考にしています。

目次

ADHDとは

パジャマ

ADHDとは、注意欠如多動症や注意欠如多動性障害といい、不注意、衝動性、落ち着きのなさなどの多動性を症状とする神経障害です。

AD/HDの症状
  • 不注意:忘れ物、なくし物、人の話を聞いていない
  • 衝動性:失言や暴言、軽はずみな行動
  • 多動性:じっと静かにしていることが苦痛で、ソワソワ落ち着きがない

こうした症状が関連して、学校や会社などで忘れ物や遅刻を頻発したり、人間関係のトラブルなど様々な困難を引き起こしたりすることがあります。

周囲からADHDの理解を得られないと、「いい加減にやっている」「やる気がない」など、厳しい評価を受けることが多くなりがちです。

ADHDの特性は先天的なものなので、治療して消えるということはありません。

ただ、環境や生活習慣を改善したり、自分の苦手なところに気付いて適切に対応できるようにトレーニングをしたりすることで、トラブルを起こしにくくできます。

女性のADHDとは?大人になってから気づきやすい理由

両手に酒を持つ女性

先ほども説明したとおり、ADHDは、不注意、衝動性、多動性といった特性が見られる発達特性の一つです。

ただし、女性の場合は、子どもの頃に目立つ行動として表れにくく、大人になってから初めて「生きづらさ」として意識されることがあります。

その背景には、周囲に合わせようと努力したり、失敗しないよう強く気を張ったりする中で、困りごとを表に出さずに過ごしてきたケースが少なくありません。

一見すると問題なくこなしているように見えても、内側では強い疲労感や自己否定を抱えていることもあります。

そうした中で、大人になってからADHDという言葉に出会い、これまでの自分の悩みや違和感に説明がついたと感じる人がいます。

ゆう

ADHDかもしれないと気づくことで、気持ちが少し楽になる方もいらっしゃいます。

女性のADHDに多い「生きづらさ」の例ー頑張りすぎてしまう背景

女性のADHDに多い生きづらさは、一見すると「性格」や「努力不足」と受け取られやすい点にあります。

たとえば、予定や段取りを考えることに強い負担を感じたり、同時に複数のことを求められると頭が真っ白になってしまったりすることがあります。

忘れ物や遅刻を繰り返すうちに、「自分はだらしない人間なのではないか」と自分を責める気持ちが強くなるケースも少なくありません。

また、人に合わせようと頑張るあまり、外では問題なく振る舞えても、家に帰ると一気に疲れが出て動けなくなることもあります。

ゆう

こうした状態が続くと、周囲には理解されないまま、生きづらさだけが積み重なっていきます。

生きづらさの背景には、注意や行動の特性だけでなく、感受性の強さが関係している場合もあります。

HSP気質のある女性が感じやすい生きづらさについては、こちらの記事で整理しています。

ADHDのチェックリスト

ADHDを始めとする発達障害の症状には、脳の働きのほかに、それまでの成育歴や環境の中で培ってきた習慣などが関わっています。

下の「ADHDチェックリスト」は、医療機関などでADHDかどうかを診断する際に使用するものの一例です(「マンガで分かる女性のADHD・ASD」p67-68の表の一部を引用)。

番号症状あまりないときどきしばしばいつも
物をなくしたり、
置き忘れたりする
集中が持続しない
注意が散漫で、
ケアレスミスが多い
整理整頓ができない
優先順位をつけるのが下手
朝起きるのが苦手
「ボーとしている」と言われる
視界に何かが入ったり、
周りの音で注意が削がれる
依頼、指示、約束などを忘れやすい
10「天然」と言われる
11同じ注意を何度も受ける
12時間を守れずに遅刻する
13長続きしないので、
すぐに投げ出してしまう
14興味があるものは集中できるが、
興味がないものは先送りしやすく
集中できない
15落ち着きがなく、
じっとしていられない
16会話中に人の話を遮る
17順番待ちをするのは苦手
18計画を立てて実行するよりも
思い付きで行動する
19すぐに人を信用して騙される
20欲しいものがあるとすぐに
買ってしまう
ADHDチェックリスト
ゆう

このチェックリストだけで診断が出るわけではありません。

医療機関に行く前に実施しておくことで、問診などの際に役立てることができます。

ADHDのある女性の家事や子育ての困り感

悩む女性

家庭では、職場などと比べてルールの遵守や協調性を求められるようなことが少ないので、一見楽で適応の問題が少ないように思えますが、苦労している女性は少なくありません。

ここからは、ADHDの特徴が家事や子育てにどのような影響を与えるのかを説明していきます。

家事

家事は「こうしなくてはならない」という明確なルールがないため、何を、いつまでに、どのくらいやればよいのか分からなくなってしまうことがあります。

例えば、掃除や洗濯について、明確な期限やルールがないため、後回しにしているうちに、汚れ物がたまったり、ひどく散らかったりしてしまいます。

料理も、買い物をして、材料を揃えて、道具を準備するなどの段取りをする能力が求められますし、決まったレシピがあっても家族の人数や好みなどで臨機応変に対応しなくてはいけないこともあります。

スープやサラダを作りながら、主菜も作るなど、同時進行で色々な作業をする必要もあり、集中が続くかないことで難しく感じてしまいます。

公共料金の支払いや子供の学校の手続きが遅れがちになる人も少なくありません。

低年齢で忘れ物や遅刻が多い子どもの保護者の中には、保護者自身がADHDの問題を抱えている場合があります。

子育て

大人だけなら多少家のことがうまく回っていなくても、何とかなりますが、子どもがいるとそうはいきません。

通常の家事に子育てが加わると、やらなければならないことの量が一気に増えてしまいます。

特に、小さな子がいる家庭では、部屋に危険なものを置かないようにしたり、片付けをしたりして、事故やケガを予防しなければなりませんが、それを難しく感じやすいところがあります。

衝動性が高い母親の場合、思ったことをパッと口に出してしまったり、激しく厳しく叱ったりすることで、子供を傷つけてしまうことがあります。

母親として良かれと思って「あれを先にしなさい」「ああした方がうまく行くわよ」などとアドバイスをしたつもりが、子どものやる気を削いでしまうこともあるかもしれません。

アルコール依存症や買い物依存症、スマホ依存症のように、何かにのめり込んでしまって家事や子育てをおろそかにしてしまうこともあるでしょう。

女性のADHDの特性に向き合う

ガイドブック

ここまで説明してきたADHDの特徴やそれによる家事や子育ての困り感などについては、即効性のある解決法はなく、それぞれの特徴に合った工夫や生活習慣の改善などをしていくことで対処していくことになります。

個別の対応は医師などの専門家に相談していただくことでアドバイスをいただけますが、少し敷居が高いと思いますので、ここでは多くの方に共通する対応方法を紹介していきます。

強みを見つける

ADHDに限りませんが、発達障害の特性は見方や環境によっては、必ずしも弱点や欠点とは言えないことがあります。

例えば、衝動性が高い人は、見方を変えると、「行動力がある」と評価されることがあります。

そのためにたくさんトラブルを経験していても、その分学びの機会は多かったといえるかもしれません。

また、注意欠如のある人は、一つのことを長く続けられなくても、次々と新しいことや別のことできる力があると言えます。

毎日いろいろなことを少しずつ区切りながら進めていくことで、全体として多くのことを成し遂げられるでしょう。

ゆう

自分の持っているADHDの特性は何か、強みは何か、考えてみましょう。

同じような特性を持っている人でも困っていない人がいたら、それはなぜなのか見方を変えてみましょう。

やることの優先順位をつける

予定が多すぎて把握できない、しなくてはならないことを忘れてしまうと悩んでいる人がいます。

ADHDの人は、思いついたことにどんどん着手するのではなく、一度やることをリストアップして、優先順位をつけてから取り掛かると良いでしょう。

優先順位をつけることが苦手ならば、問題や課題を分割・小型化してできることからやりましょう。

例えば、部屋の掃除と食材の買い物と銀行振り込みをしなければならない場合、まずは期限の迫っている銀行の振込に行くことを優先しつつ、その銀行のそばのスーパーで買える食材だけ買うことにします。

部屋の掃除については、とりあえず床に落ちているものを片付けて、残りの床の掃除機掛けや片付けは別の日にするといったことができます。

サポートを求める

ADHDの人は、自分の苦手なことを誰かにサポートしてもらうことで、適応がグッと良くなります。

しかし、そもそも人に助けを求めたり相談したりすることが苦手な人が少なくありません。

すでにある人間関係でサポートを求めにくいのであれば、医療機関や発達障害者支援センターなどに相談することをお勧めします。

また、金銭的に余裕があれば、たとえば家事が苦手なら家事サービスを利用したり、育児が苦手ならベビーシッターを頼んだりと民間のサービスを活用することもできます。

また、身近な人に助けを求める場合には、あれもこれも頼むのではなく、たとえば親に「週1回はゴミを出すようにメールをして」とか、夫に「子どもの習い事の月謝の支払いの日を知らせて」といったように小さなことを頼むようにしましょう。

子育ての場面で悩みが強くなりやすい理由

子育てが始まると、ADHD特性による生きづらさが、これまで以上に強く意識するようになります。

育児は、時間管理、突発的な予定変更、同時に複数のことをこなす場面の連続です。

頭では分かっていても、思うように対応できず、「母親として失格なのではないか」と感じてしまう方も少なくありません。

さらに、周囲からは「みんな大変なのだから」と言われやすく、困りごとを言葉にする機会が減っていきます。

その結果、疲れや不安を一人で抱え込み、自分を責める気持ちが強まってしまうこともあります。

子育ての悩みは、外からは見えにくく、気づかないうちに一人で抱え込んでしまいやすいものです。

「誰かに話した方がいいのかもしれない」と感じたとき、すぐに答えを出す必要はありません。

悩みを一人で抱え込まないための考え方については、別の記事で整理しています。

診断や情報収集だけでは楽にならないこともある

女性のADHDについて調べる中で、「自分に当てはまる部分が多い」と感じた方もいるかもしれません。

言葉を知ることで、これまでの違和感に説明がつくこともあります。

一方で、情報を集めたり、診断を受けたりしても、日々のしんどさそのものがすぐに軽くなるとは限りません。

ゆう

「分かったはずなのに苦しい」という感覚を抱く人も少なくありません。

それは、生きづらさの多くが、日常の具体的な場面や、積み重なった感情と結びついているからです。

知識だけでは整理しきれない部分を、どう扱っていくかが、次の大切な視点になります。

「一人で考えるだけでは限界を感じる」「気持ちを整理する場がほしい」と感じたとき、オンラインカウンセリングという選択肢があります。

対面が難しい状況でも、自分のペースで話ができる点が特徴ですが、向き・不向きがあるのも事実です。

オンラインカウンセリングの特徴や活用の考え方については、次の記事で詳しくまとめています。

まとめ

今回は、女性のADHDの特徴について説明しました。

子育て中の女性が自分のADHDに気付いて正しく理解することができるようになれば、夫の助けも借りやすくなります。

また、何よりも子どもへの関わり方を工夫できるようになって、子どもに対して傷つけるようなことを避けることができるようになります。

発達障害で生きづらいと感じる人に向けた記事についても参考にしてください。

ご相談やご質問がある場合は、こちらにご連絡ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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