この記事では、
アサーティブなコミュニケーションをするための5つのヒント
について説明します。
アサーションとは、自己表現の考え方や方法です。
他人と上手にコミュニケーションを取るためには、自分の気持ちを大切にして率直に正直に相手に伝えると同時に、相手の気持ちを尊重して耳を傾けることが大切です。
こうしたアサーティブなコミュニケーションを取るためには、アサーションスキルが役立ちますが、そうしたスキル以外にも大切なことがあります。
そこで、今回は、
- 上手に自己表現できるようになりたい!
- アサーションスキル以外にも大切なことって何!
- アサーションをより深く学ぶために必要なことを教えて!
といった疑問や悩みに答えていきます。
一緒に学んでいきましょう。
この記事は、アサーション・トレーニングで有名な平木典子先生の書籍「よくわかるアサーション 自分の気持ちの伝え方」を参考にしています。
アサーションとは
アサーションとは、より良い人間関係を築くためのコミュニケーションスキルの一つで、適切な自己表現です。
自分の言いたいことだけを一方的に言うのでは、良好な人間関係を築くことはできません。
アサーションで大切なことは、相手とのコミュニケーションを取る中で、相手のことを理解してその気持ちを尊重しつつ、自分の気持ちも大切にして相手に率直に伝えていくことです。
子育て中の方にとって、アサーションは子どもと接する際に、最も望ましい自己表現とコミュニケーション法ということができます。
アサーションの3つのコミュニケーションタイプ
アサーションには3つのコミュニケーションタイプがあります。
以下の3点です。
- 攻撃的タイプ
- 非主張的タイプ
- アサーティブタイプ
理想的なタイプは「アサーティブ」です。
攻撃的タイプ
1つ目が、攻撃的タイプです。
自分の意見や考え、気持ちをはっきりと言葉にするのですが、自分ばかりを優先することで、相手の言動を抑えようとするタイプです。
相手の言い分や気持ちを無視したり、軽視したりして、相手に自分の考えや気持ちを押し付ける言動です。
非主張的タイプ
2つ目が、非主張的タイプです。
自分の気持ちや考え、意見を表現しなかったり、うまくできなかったりするのがこのタイプです。
自分の気持ちを言わないだけでなく、曖昧な言い方をしたり、言い訳がましく言ったり、他人に無視されやすい消極的な態度や小さな声で言うと言ったことも含まれる。
アサーティブタイプ
繰り返しますが、アサーションとは、自分も相手も大切にした自己表現やコミュニケーションのことです。
お互いが素直に、率直に、正直に自分の気持ちや考えを伝え合い、聞き合うという意味です。
アサーションができている状態を「アサーティブ」と言います。
アサー渋な表現とは、自分の気持ち、考え、信念などを素直に、率直に、そしてその場にふさわしい方法で表現することです。
ここからは自分がどのタイプに該当するか考えながら読み進めてみてください。
アサーティブになるための5つのヒント
アサーティブな自己表現をしたいと思っていても、うまくできないときがあります。
それは、アサーションのスキルを適切に身に付けられていないからという理由だけではないかもしれません。
そうした場合、スキル以外の要素も考えてみる必要があります。
そこで、アサーティブになるための5つの要素について説明していきます。
アサーションする権利を使う
アサーションは、全ての人が生まれながらに持っている権利です。
自分のしたいことと相手の希望が一致しないときなどを考えてみましょう。
次の例を読んでみて、あなたならどうしますか?
- 例:あなたは、知り合ってから日の浅い友人と遊びに出かけることになり、カラオケに誘われました。友人はあなたが歌うのが苦手であることは知らず、かなり強引に誘ってきます。あなたはできればカラオケでなく、カフェでゆっくり話したいと思っています。
こうした場面では、多くの人は「相手の誘いを断るのは悪いけど、自分は歌うのが苦手だし行きたくないな。どうしよう・・・」と悩むでしょう。
このようなジレンマに陥ったとき、「自分にはアサーションする権利がある」と言うことを確認することが助けになります。
ここでいうアサーションする権利とは、「自分がやりたいことややりたくないことを言うのは、人権として許される」というアサーション権です。
今回の例では、「私は歌うのは苦手です。できればカフェで一緒に話をしたいな。」と言う権利があります。
自分の考えや思いを言葉にして相手に伝えるのは、皆さんが当たり前に持っている権利です。
アサーティブでない思い込みを変える
ものの見方や考え方がアサーティブでないとき、アサーションができないことがあります。
次のような考え方(思い込み)があったら注意です。
- 物分かりの良い人が好かれる。
- 仕事では常に完璧を目指すべきだ。
- 親は子どもより優れている。
- 先生は生徒より優れている。
- 弱音を吐いてはいけない。
- 上司には絶対に従うべき。
- 人を傷つけてはいけない。
こうした考え方が当たり前のように頭の中に浮かぶ人は、攻撃的になったり、非主張的になったりしてしまいやすいかもしれません。
もちろん、文化的・伝統的に大切にしたい考え方や、地域によって多くの人が守っている対人関係の知恵などはあるでしょう。
それらが全て悪いというわけではありませんし、否定するものでもありません。
アサーティブな表現は、それらも含めて自分に合わない考え方や常識に逆らうのではなく、自分の考えや気持ちを大切にし、正直に相手に言ってみることです。
自分の気持ちを把握する
自分の気持ちや言いたいことがはっきりつかめていないときには、うまく自己表現はできません。
自分の気持ちや感情に気付くというのは、意外と難しいものです。
そもそも気持ちや感情というのは、親のしつけなどによって、素直な気持ちや感情を押さえつけられるところから始まります。
赤ちゃんの頃が、一番自分の気持ちや感情を素直に表現します。
もしも感情表現を嫌う親に育てられると、子どもは気持ちや感情を抑えることが習慣となり、親に受け入れられる言動をするようになります。
そうなると大人になっても自分の気持ちや感情は意識の憶測に追いやられ、自分でもよくわからなくなってしまいます。
自分自身が意識して奥底にある気持ちや感情に触れようとすることで、徐々にわかるようになっていきます。
子育て中の方で、自分にも当てはまるなと思う方は、次の記事を参考にして、自分の感情を把握する方法を探してみましょう。
結果や周囲を過度に気にしない
自分の言うことが相手にどのように受け取られるのかを気にしすぎると、アサーションに影響します。
そうすると自分の気持ちを棚上げしてしまうことになるので、表現が不明瞭になる可能性があります。
コミュニケーションは、自分が伝える行為と、それを相手が受け取る行為の両方が関わっています。
そのため、相手を大切にする気持ちを持ちつつ、まずは自分のできる範囲で、自分の気持ちを正直に表現することにエネルギーを注ぐようにしましょう。
特に、非主張的タイプの人は、自分の気持ちを表現するよりも他者の希望や意向を優先しがちです。
それが良い結果を生まないことも少なくありません。
コミュニケーションスキルを伸ばすために次の記事も参考にしてください。
アサーションのスキルを習得する
多くの人がアサーティブになれない理由は、そのスキルを持っていないことにあります。
対人スキルは、主に子ども時代に身に付けることになるため、親や周囲の大人の言動が大きく影響します。
しかし、対人スキルやコミュニケーションスキルを持たない親や、社会的スキルの訓練に無関心な大人に育てられると、子どもも対人スキルが育ちません。
思春期、青年期になると、同年代の仲間との付き合いの中で、仲間からスキルを学ぶチャンスも増えますが、中にはそれを活かせない人もいます。
大人になると、周囲があなたの自己表現の不味さに気がついても指摘してくれなくなるでしょう。
だからこそ、意識して適切なアサーションスキルを学ぶことが大切です。
こうした記事や書籍などで学ぶことも大切ですが、自分から見て、適切なアサーションができている人をまねることも良い方法です。
そうした人の言動を注意深く観察してみましょう。
自分の言動と比べて、どんなスキルがあるのか、どのように表現すれば良いのかがわかります。
適切な自己表現を伸ばす方法として、「DESC法」を学ぶこともおすすめです。次の記事を参考にしてください。
まとめ
今回は、アサーティブなコミュニケーションをするための5つのヒントについて説明しました。
アサーティブなコミュニケーションができるようになれば、人間関係がより良いものになっていきますし、子どももそうした親の振る舞い方を見て学ぶことで、コミュニケーションスキルが高まります!
ご相談や質問がある場合には、こちらまでどうぞ!
最後までお読みいただきありがとうございました。