小学生の不登校と中学生の不登校はこう違う|年代別の特徴と親の関わり方

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「小学生の不登校」と「中学生の不登校」——同じ言葉でも、その背景はかなり違います。年代によって子どもの心の発達段階が異なるため、必要な関わり方も変わってくるのです。

文部科学省の令和6年度調査によると、小学生の不登校は約13万7,700人(約44人に1人)、中学生は約21万6,300人(約15人に1人)と、12年連続で過去最多を更新しています。10年前と比べると、小学生は約5.5倍、中学生は約2.2倍という急増ぶりです。

この記事では、小学生と中学生それぞれの不登校の特徴と、年代に応じた親の関わり方をお伝えします。公認心理師として、また子どもの支援に長く関わってきた私が、できるだけ具体的に解説します。

📖 こんな方に読んでほしい記事です

  • 小学生の子どもが不登校になり、どう関わればいいか迷っている方
  • 中学進学のタイミングで急に学校に行けなくなったお子さんをお持ちの方
  • 小学校と中学校で不登校の対応を変えるべきか知りたい方
  • 年代に合った関わり方の基本を整理したい共働きの保護者の方
目次

小学生の不登校——「安心できる場所」を求めるサイン

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小学生の不登校で特徴的なのは、「親や家庭との結びつき」が大きく影響することです。中学生と比べて、まだ自分の感情を言葉にする力が発達途上にあるため、「なぜ行きたくないのか」をうまく説明できないことが多いです。

低学年(1〜3年生)に多いパターン

低学年では、母子分離不安が背景にあることが多く見られます。「お母さん・お父さんと離れるのが不安」「何かあったときに助けてもらえるか心配」という気持ちが、登校への抵抗感につながります。

また、入学・クラス替えなどの環境変化に適応しにくい子どもにとって、学校という場が「安心できない場所」として感じられるようになることもあります。集団のルール・騒音・感覚刺激など、環境への敏感さが絡んでいるケースもあります。

🔹 低学年でよく見られる様子
・登校前に腹痛・頭痛が出る
・「お母さんも一緒に来て」と言う
・学校の話題になると黙り込む
・帰宅するとホッとした様子で元気になる

高学年(4〜6年生)に多いパターン

高学年になると、友人関係のトラブル・グループの形成・仲間外れなど、対人関係の複雑さが増してきます。また、自我が芽生え「自分はどう見られているか」という意識が強くなる時期でもあります。

「なんとなく行きたくない」「理由がうまく言えない」という訴えが増えるのも高学年の特徴です。自分でも原因がわからないまま身体症状として出てくることも多く、親から見ると「なぜ?」と感じやすい状態です。

🔹 高学年でよく見られる様子
・「理由はないけど行きたくない」
・特定の友人の話題が出てくる(または出なくなる)
・部活・習い事も休みがちになる
・自己評価の低い発言が増える(「どうせ私なんか」)

小学生の不登校で大切にしてほしいこと

小学生の不登校への関わりで、最初に優先してほしいのは「家庭を安心の場にすること」です。学校に戻すことより先に、家が「休んでいい場所」「ありのままでいい場所」だと子どもが感じられることが、回復の土台になります。

低学年の場合は特に、「一緒にいる時間を増やす」「スキンシップを大切にする」ことが安心感につながります。不安が落ち着いてくると、自然に外へ向かう力が戻ってくることが多いです。

ゆう

小学生の「行きたくない」は「安心が足りていない」というサインであることが多いです。まず家を安全基地に。

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中学生の不登校——「自分とは何か」を揺さぶられる時期

中学生になると、不登校の背景はより複雑になります。思春期という発達段階のなかで、子ども自身が「自分のアイデンティティ」を模索し始める時期です。

令和6年度の調査では、中学生の不登校は約21万6,300人でクラスに約2〜3人が不登校という状況です。もはや「珍しいこと」ではなく、中学という環境がいかに子どもに負荷をかけているかを示しています。

中1ギャップという大きな壁

小学校から中学校への進学は、子どもにとって大きな環境変化です。担任制から教科担任制への変化、部活動の開始、定期テストによる成績評価、新しい人間関係の構築——これらが一度に押し寄せます。

小学校では問題なく過ごしていた子どもが、中学進学後の5〜6月頃から急に登校できなくなるケースは非常に多いです。「中1ギャップ」と呼ばれるこの時期の不登校は、環境への適応が間に合わなかったサインであることが多く、性格や意志の問題ではありません。

中学生の不登校に多い背景

🔹 中学生の不登校でよく見られる背景
・友人関係のこじれ・グループからの排除
・部活動のストレス(顧問との関係・レギュラー争いなど)
・勉強についていけなくなった焦り
・「自分は何者か」というアイデンティティの揺らぎ
・発達特性が中学の環境で表面化してきた
・小学校時代の疲れが蓄積して中学でリセットされた

中学生との関わりで変えるべきポイント

中学生になると、小学生のときと同じ関わり方では通用しないことが増えます。思春期の子どもは親から「子ども扱い」されることに敏感で、過干渉を強く嫌がる場合があります。

📌 中学生への関わりで意識したいこと
・「なぜ行けないの?」より「今どんな気持ち?」
・アドバイスより傾聴を優先する
・プライバシーと個室の確保を尊重する
・将来の話はタイミングを選ぶ(エネルギーが戻ってから)
・「学校以外の選択肢」を早めに視野に入れて情報収集しておく

また、中学生の不登校が長引くと進路への影響が具体的になってきます。焦る気持ちはよくわかりますが、「早く学校に戻すこと」を急ぎすぎることで、子どもがさらに追い詰められてしまうことがあります。まず子どものエネルギーを回復させることを優先してください。

ゆう

中学生には「話を聞いてもらえた」という経験の積み重ねが、親への信頼と回復の土台になります。

小学生・中学生、共通して大切な「親の姿勢」

家族愛

年代によって特徴や関わり方が異なる一方で、小学生・中学生どちらにも共通して大切なことがあります。

「登校させること」を最初の目標にしない

不登校の支援において、「まず登校を再開させること」を最優先にすると、子どもをさらに追い詰めてしまうことがあります。最初の目標は「子どもが安心して過ごせる状態を取り戻すこと」です。安心が戻ってきてから、次のステップを一緒に考えていくという順序が大切です。

「原因の特定」より「今の状態への寄り添い」

「なぜ行けないのか」を突き止めようとすることに親は一生懸命になりがちです。でも、子ども自身も理由がわからないことは多く、問い詰めることで「うまく説明できない自分」への自己嫌悪が深まることがあります。

まず「今つらいんだね」と受け取ること——これが年代を超えて大切な関わりの基本です。

「小学生だから」「中学生だから」より、その子を見る

年代別の特徴はあくまで傾向です。小学6年生でも思春期的な悩みを抱えている子もいますし、中学生でも分離不安に近い不安感を持つ子もいます。大切なのは年齢の平均ではなく、目の前のその子が今どういう状態にあるかを見ることです。

⚠️ こんな状態が続くときは、早めに専門家へ
・不登校が2〜3か月以上続き、状態が改善しない
・自傷行為・「消えたい」という言葉が出た
・食事がとれない・体重の急激な変化がある
・親との会話がまったくなくなった
・発達特性が疑われる(専門医への相談を)

学年・年齢を問わず、これらのサインは早めの対応が必要です。

まとめ

📝 この記事のまとめ

  • 小学生の不登校は約44人に1人(2.30%)、中学生は約15人に1人(6.79%)——令和6年度・過去最多
  • 小学生は「安心できる場への欲求」が中心。低学年は分離不安、高学年は対人関係・自我の芽生えが背景になりやすい
  • 中学生は「アイデンティティの揺らぎ」と環境変化(中1ギャップ)が重なりやすい
  • 小学生への関わりは「家庭を安全基地にすること」が最優先
  • 中学生への関わりは「アドバイスより傾聴」「プライバシーの尊重」「学校以外の選択肢を視野に」
  • 共通して大切なのは「登校させることより、安心を取り戻すこと」を最初の目標にすること
  • 年代の傾向はあくまで参考。目の前のその子の状態を見ることが一番大切

「小学生だから」「中学生だから」という枠より、今のその子が何を必要としているかを一緒に考えていけたらと思います。年代が違えば子どもの見えている世界も違います。その違いを知ることが、関わりの第一歩になるはずです。

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ゆう
この記事を書いた人:ゆう
公認心理師(国家資格)
元 少年鑑別所 心理技官(18年)
現職:子ども家庭支援センター
3,000人以上の親子の相談、500件以上の心理検査の経験から、発達障害・不登校・子どもの問題行動でお悩みの保護者へ、「親自身が自分を責めなくていい」視点で記事をお届けしています。

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