不登校の子を持つ働く親が限界になる前に|自分を守るための3つの視点

不登校の子を持つ親が限界になる前にのアイキャッチ画像

※当サイトではアフィリエイト広告を利用しています。

子どもが不登校になってから、自分のことを後回しにし続けていませんか。

不登校の子を持つ保護者の約80%が仕事に何らかの影響を受け、4人に1人が離職に至るという調査結果があります(Sasaki, Journal of Occupational Health, 2025)。そして離職した保護者の60%以上が、理由として「自分自身のメンタルヘルスの不安定さ」を挙げています。子どもの心配をしながら、自分自身も限界に近づいている——そんな保護者が、とても多いのが現実です。

この記事では、子どもの不登校に直面しながら働き続けている親御さんに向けて、「自分を守ること」がなぜ子どもの回復にもつながるのかをお伝えします。公認心理師として、また子どもを持つ一人の親として、一緒に考えさせてください。

📖 こんな方に読んでほしい記事です

  • 子どもの不登校が始まってから、自分のことを後回しにしている方
  • 仕事を続けるべきか、辞めるべきか、毎日悩んでいる共働きの方
  • 「自分さえ我慢すれば」と思いながら、心身の疲れを感じている方
  • 子どものために頑張ってきたけれど、そろそろ限界かもしれないと感じている方
目次

不登校の親は「見えない過重労働」をしている

やる気に満ちた女性

子どもが不登校になると、親の日常は一変します。学校への連絡、子どもの様子の見守り、担任やスクールカウンセラーとの面談、支援機関の情報収集……それらすべてが、仕事と並行して降りかかってきます。

東京大学大学院の研究者であるSasakiらが2025年に発表した論文(Journal of Occupational Health)では、不登校の子を持つ保護者の約80%が「仕事に影響が出た」と回答し、4人に1人が離職に至ったことが報告されています。さらに、離職した保護者の60%以上が「自分自身のメンタルヘルスの不安定さ」を理由に挙げていました。

📌 不登校の子を持つ保護者の約80%が仕事に影響4人に1人が離職(Sasaki, 2025)
離職者の60%以上が理由として「自分自身のメンタルヘルスの不安定さ」を挙げています。
子どもを支えようとするなかで、親自身が追い詰められている現実があります。

「子どものことで頭がいっぱいで、自分のことを考える余裕なんてない」という声をよく聞きます。でも、だからこそ少しだけ立ち止まってほしいのです。

親が消耗しきってしまうと、子どもに「大丈夫だよ」と伝える余裕がなくなります。子どもは親の表情や雰囲気を、言葉以上に敏感に読み取っています。親自身が安定していることは、子どもの回復にとっても、とても大切な条件のひとつなのです。

ゆう

親が倒れてしまったら、子どもを支える人がいなくなってしまう。自分を守ることは、子どものためでもあります。

「仕事を辞めるべきか」に答えが出ない理由

不登校になった子どもを持つ親御さんから、「仕事を辞めるべきでしょうか」という相談をよく受けます。正直に言うと、これに対する「正しい答え」は一つではありません。

仕事を続けることで収入が守られ、親自身の社会的なつながりや自己効力感が保たれるという側面があります。一方で、子どもが不安定な状態のときに一人で留守番させることへの心理的な負担も、親として当然の感覚です。

🔹 これはあくまで一般化した事例ですが——
中学1年生の子どもが不登校になったBさん(40代・会社員)は、はじめの3か月、毎朝子どもを見送ってから出勤していました。「仕事中も気になって集中できない」と言いながらも、「仕事に行くことで自分を保っている気がする」とも話していました。仕事を辞めることで経済的な不安が加わり、それが子どもへの焦りに変わるケースも少なくありません。「辞める・続ける」の二択ではなく、まず「今の働き方を調整できないか」を考えることが大切です。

大切なのは「辞めるか辞めないか」ではなく、「今の自分の状態で、何が無理なのか」を整理することです。いきなり離職を決断する前に、まず周囲に相談できる選択肢を探してみてください。

「もう限界かも」と感じたら、まず話してみてください

仕事のこと、子どものこと、自分のこと——全部を一人で抱えていませんか。
オンラインカウンセリングなら、夜でも自宅から、まず親だけで話すことができます。

限界になる前に——親が自分を守るための3つの視点

瞑想する女性

「自分のことを後回しにしない」と言葉では言えても、具体的に何をすればいいのか迷う方も多いと思います。私が相談のなかで大切にしている3つの視点をご紹介します。

① 「罪悪感」を手放す練習をする

子どもが不登校のとき、親は「自分の育て方が悪かったのではないか」「もっとうまくやれたはず」という罪悪感を抱えやすくなります。でも、不登校の背景には、子どもの気質・学校環境・友人関係・社会的なストレスなど、さまざまな要因が絡み合っています。一人の親の関わり方だけで説明できるものではありません。

罪悪感は、行動を変えるエネルギーになることもありますが、長期間抱え続けると親自身を消耗させます。「私のせいだ」という思考が浮かんできたとき、「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない」と少しだけ距離を置いてみてください。

② 「自分の感情」に名前をつける

「なんか疲れた」「もう嫌だ」という感覚が続いているとき、それが何の疲れなのかを少し言語化してみると、気持ちが整理されることがあります。

🔹 感情を分類してみる例
・仕事のパフォーマンスが落ちていることへの焦り
・子どもがどうなるかわからないことへの不安
・誰にも相談できない状況への孤独感
・「なぜうちだけ」というやるせなさ
・子どもに強く言ってしまったことへの自己嫌悪

どれが一番しんどいですか? 一つに絞れると、「今の自分に必要なこと」が少し見えてきます。

③ 「人に頼ること」を選択肢に入れる

日本では「親が一人で抱えるべき」という空気がまだ根強くあります。でも、子どもの不登校は、一人の親が抱えきれる規模の問題ではないことも多いです。

配偶者、職場の上司、スクールカウンセラー、支援機関、オンラインカウンセリング——どれも「頼っていい場所」です。すべてを自分で解決しようとしないことが、長く走り続けるための条件になります。

⚠️ こんな状態が続いているときは、早めに専門家へ
・眠れない日が続いている
・食欲がない、または過食してしまう
・「消えてしまいたい」という気持ちが浮かぶ
・涙が止まらない、または何も感じなくなってきた
・子どもに怒鳴ってしまうことが増えた

これらは、親自身がケアを必要としているサインです。子どものためだけでなく、あなた自身のために、相談してください。

ゆう

「人に頼る」は弱さじゃない。長く子どもに寄り添うための、大切な戦略です。

「働き続ける」を支えるための現実的な工夫

仕事を続けながら子どもの不登校に対応していくために、職場や日常で試せることをいくつかお伝えします。すべてを一度にやろうとせず、できそうなことから試してみてください。

職場への伝え方を考える

「子どもが不登校で……」と職場に話すのは、勇気がいることだと思います。すべてを話す必要はありませんが、「家庭の事情で急に休む可能性がある」「しばらく時短や在宅の配慮をお願いしたい」という程度を、信頼できる上司に伝えておくだけでも、精神的な負担がかなり違います。

隠し続けることのストレスは、意外と大きいものです。

子どもが一人でいる時間の安心を作る

不登校の子どもを自宅に一人にしておくことへの不安は、多くの親御さんが感じています。完全に解消することは難しいですが、次のような工夫が助けになることがあります。

🔹 一人の時間を安心につなげるヒント
・昼に一度短い電話やLINEで「元気?」と確認する
・フリースクールや居場所施設に一緒に見学に行ってみる
・「今日は何時に帰るね」と朝に伝えておく
・子どもが好きなことで過ごせる環境を整えておく(本・ゲーム・動画など)

子どもが安心できる環境があると、親も少し仕事に集中しやすくなります。

「自分時間」を意識的につくる

自分のための時間を持つことへの罪悪感を感じる親御さんは、とても多いです。でも、親自身が少しでも回復できる時間を持つことは、長期的に子どもを支えていくうえで必要なことです。

好きなドラマを見る、お風呂にゆっくり入る、友人とLINEで話す——そういった「小さな回復の時間」を、週に何度か意識的に確保してみてください。

まとめ

📝 この記事のまとめ

  • 不登校の子を持つ保護者の約80%が仕事に影響を受け、4人に1人が離職している(Sasaki, 2025)
  • 親が消耗しきると子どもへの安心感を届けられなくなる。自分を守ることは子どものためでもある
  • 「仕事を辞めるべきか」の前に、今の働き方を調整できないかを考えてみる
  • 罪悪感を手放す・感情に名前をつける・人に頼る——この3つが親自身を守る視点になる
  • 眠れない・食欲がない・消えたいという気持ちが続くときは、親自身が専門家に相談を
  • 小さな「自分時間」を週に何度か意識的につくることが、長く走り続けるための基盤になる

子どものことを思うからこそ、自分のことを後回しにしてきたのだと思います。でも、あなた自身が安定していることが、何より子どもにとっての安全基地になります。一人で抱え込まず、少しずつ「頼ること」を選んでいってください。

関連記事

まず親だけでも、話してみてください

子どもを連れていかなくても大丈夫。あなた自身の疲れや不安を、まず誰かに聞いてもらうことが最初の一歩です。

ゆう
この記事を書いた人:ゆう
公認心理師(国家資格)
元 少年鑑別所 心理技官(18年)
現職:子ども家庭支援センター
3,000人以上の親子の相談、500件以上の心理検査の経験から、発達障害・不登校・子どもの問題行動でお悩みの保護者へ、「親自身が自分を責めなくていい」視点で記事をお届けしています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次