WISCの再検査はいつ受ける?間隔と受け直す目的を公認心理師が解説

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お子さんが一度WISCを受けたあと、「もう一度受けたほうがいいのかな」「次はいつ受けられるんだろう」と気になっていませんか。前回の結果から時間が経つと、今の状態はどうなのか、知りたくなりますよね。

先にお伝えすると、再検査は、親が「受けさせたい」と思って受けるものではありません。適切な間隔と、受け直す目的があります。この記事では、WISCの再検査のタイミングと、その考え方をお話しします。私は公認心理師として、多くのお子さんの検査に関わってきました。その視点から、正直にお伝えします。

📖 こんな方に読んでほしい記事です

  • WISCの再検査を、いつ受ければいいか知りたい方
  • 「もう一度受けたほうがいい?」と迷っている方
  • 前回の結果から、成長した今の様子を知りたい方
  • 短い間隔での再検査を勧められ、迷っている方

目次

WISCの再検査は、約2年の間隔をあけるのが原則です

ポイント

WISCの再検査は、前回から2年程度あけるのが原則です。これは、WISCの実施マニュアルに示されている、適切な間隔です。なんとなくの目安ではなく、きちんとした根拠のあるルールなのです。

なぜ2年もあけるのでしょうか。理由は「練習効果」にあります。一度受けた検査は、内容をなんとなく覚えてしまうものです。前回の記憶が残っていると、本来の力ではなく「覚えていたからできた」結果になり、正確に測れなくなってしまうのです。

ゆう

2年あけるのは、正確に測るための大切なルールです。

では、2年より短い間隔で受けることはないのでしょうか。例外的にありますが、それは限られた場合です。たとえば、引っ越しなどで受検する機関が変わり、前の機関の結果が手に入らないといった、やむを得ない事情があるときです。こうした場合に、仕方なく実施することがあります。

大切なのは「何年あけるか」より「何のために受け直すか」

間隔と同じくらい大切なのが、「何のために再検査を受けるのか」という目的です。目的がはっきりしないまま、ただ数字を知りたいという理由だけでは、再検査の意味は薄くなってしまいます。

再検査が役立つのは、たとえば次のような場面です。

💡 再検査が役立つ主な場面

  • 成長にともなって、認知の特性がどう変化したかを知りたいとき
  • 学校での配慮や支援計画を、今の状態に合わせて見直したいとき
  • 特別支援教室(学びの教室)などの申請で、新しい結果が必要なとき
  • 前回の検査時、体調や環境が結果に影響した可能性があるとき

こうして見ると、再検査は「数字を更新するため」ではなく、今のお子さんに合った支援につなげるためにあることがわかります。目的があってこそ、結果が活きるのです。

ゆう

「なぜ受けるのか」がはっきりしていることが大切です。

再検査は「親が受けさせたい」で受けるものではありません

悩む女性

ここは、とても大切なところです。WISCの再検査は、医師や心理士が「必要だ」と判断したとき、あるいは特別支援教室などの申請で必要とされたときに行うものです。親が「気になるから受けさせたい」という理由だけで受けるものではありません。

意外に感じるかもしれませんが、これはお子さんを守るための考え方です。目的のない再検査は、お子さんに負担をかけるだけになりかねません。専門家が必要性を見極めることで、意味のあるタイミングで受けられるのです。

では、親は何をすればいいのでしょうか。答えはシンプルです。気になることがあれば、まず相談すること。主治医、前回検査を受けた機関、学校の先生やスクールカウンセラーに、今の困りごとを伝えてみてください。そのうえで、専門家が再検査の必要性を判断します。

⚠️ 短い間隔での再検査を勧められたら

もし前回から1年ほどしか経っていないのに、積極的に再検査を勧めてくる心理士や医師がいたら、少し立ち止まってください。残念ながら、収益を目的に検査を勧めるケースもゼロではありません。「なぜ今、再検査が必要なのですか」と、目的をはっきり尋ねてみましょう。納得のいく説明がなければ、別の専門家に意見を求めても構いません。

どこで相談すればいいか迷う方は、こちらの記事も参考になります。

再検査が必要か、迷っていませんか

受けるべきか、今の困りごとにどう向き合うか。判断に迷ったら、公認心理師などの専門家に、オンラインで相談してみるのも一つの選択肢です。

定期的に受け直す意味と、結果が変わっても大丈夫な理由

「親の一存では受けられない」とお伝えしましたが、だからといって再検査に意味がないわけではありません。むしろ逆です。知能検査の結果は、成長とともに変化することがあります。だからこそ、適切な間隔で受け直すことには、大きな意味があります。

子どもは、日々成長しています。数年前に苦手だったことが、今はぐんと伸びているかもしれません。逆に、学年が上がって求められることが増え、新たな困りごとが見えてくることもあります。その時々の「今の姿」を知ることが、支援を最適化していく助けになるのです。

ここで一つ、心に留めておいてほしいことがあります。再検査で数値が前回と変わっても、動揺しないでください。数値は、優劣を決めるものではありません。その日の体調や、検査者との相性によっても、多少は動くものです。数字の上下ではなく、「今のこの子に何が必要か」に目を向けてくださいね。

ゆう

数字の変化より「今、何が必要か」が大切です。

📝 これはあくまで一般化した事例ですが

低学年のときにWISCを受け、言葉の面に苦手があるとわかったお子さんがいました。数年後、支援教室での学びを経て再検査を受けたところ、言葉の力が伸びていることが確認できました。その結果をもとに、支援の重点を別の課題へと移すことができたのです。定期的に今の姿を知ることが、次の一歩につながった一例です。

数値が変わる理由については、こちらの記事でもくわしく解説しています。

結果の受け止め方や、これからの関わりについて、専門家と一緒に考えたいときには、オンラインのカウンセリングという選択肢もあります。

結果の受け止めに、迷ったときは

数値の変化や、これからの支援の方向。一人で抱えず、専門家と一緒に整理できます。自宅から、あなたのペースで相談できるのも心強いポイントです。

まとめ

WISCの再検査のタイミングについて、ポイントを振り返ります。

  • 再検査は、前回から2年程度あけるのが原則(マニュアルに基づく適切な間隔)
  • 理由は練習効果。内容を覚えていると、本来の力が測れなくなる
  • 2年以内の実施は、機関が変わり前の結果が手に入らないなど、やむを得ない場合に限られる
  • 再検査は親の一存ではなく、医師・心理士や、支援教室の申請などで必要と判断されたときに行う
  • 1年ほどで積極的に勧められたら、目的を尋ねる。収益目的の場合もあるため注意
  • 結果は成長とともに変わりうる。定期的に今の姿を知ることには意味がある

再検査は、頻繁に受ければよいものではありません。適切な間隔で、必要なときに受けるからこそ、お子さんの成長を正しく映し出せます。焦らず、専門家と相談しながら、そのときを見極めていきましょう。その歩みの隣に、伴走できる人がいることを、どうか忘れないでくださいね。

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ゆう
この記事を書いた人:ゆう
公認心理師(国家資格)
元 少年鑑別所 心理技官(18年)
現職:子ども家庭支援センター
3,000人以上の親子の相談、500件以上の心理検査の経験から、発達障害・不登校・子どもの問題行動でお悩みの保護者へ、「親自身が自分を責めなくていい」視点で記事をお届けしています。

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