「また今日も怒鳴ってしまった」「どうしてこんなに疲れているんだろう」「自分は親失格なんじゃないか」——そんな言葉が、夜になると頭の中をぐるぐると回っていませんか。
発達障害のある子どもを育てていると、毎日が緊張の連続です。
予測できない行動への対応、学校や療育機関との連携、周囲の無理解——そうした積み重ねの中で、心が限界に近づいている保護者の方に、今日はお伝えしたいことがあります。
私は公認心理師として、子ども家庭支援センターで発達障害のある子どもとその保護者の相談に日々携わってきました。以前の職場でも、思春期の子どもたちと家族に向き合い続けてきました。
その経験の中で、何度も感じてきたことがあります。
子どものためにすべてを注いでいる保護者ほど、自分自身のケアを後回しにしている。
この記事では、発達障害の子育てに疲れた保護者が、自分自身のためにカウンセリングを受けることの意味を、一緒に考えていきたいと思います。
📖 こんな方に読んでほしい記事です
- 発達障害のある子どもの子育てに疲れ、気持ちが限界に近づいている方
- 「自分のことは後でいい」と、自分のケアを後回しにし続けている方
- カウンセリングに興味はあるが、「子どもでもないのに」と踏み出せていない方
- 自分が元気でいることが、子どもにとっても大切だと頭では分かっているが、実感が持てない方
発達障害の子育てに疲れるのは、あなたが弱いからではない

まず、最初にお伝えしたいことがあります。
発達障害のある子どもを育てていて疲れるのは、あなたが弱いからでも、関わり方に問題があるからでもありません。
それは、それだけ大きな負荷がかかり続けているからです。
発達障害のある子どもの子育ては、定型発達の子どもと同じ方法では通じないことが多く、常に試行錯誤が求められます。
「正解のない問い」に向き合い続けることの消耗は、経験した人にしか分かりません。
ゆう疲れることは、頑張ってきた証拠です
発達障害のある子どもの子育てには、定型発達の子育てとは異なる種類の負担があります。
毎回のパニックや癇癪への対応、学校からの電話、きょうだいへの影響、夫婦間での認識のずれ、そして「自分の育て方のせいではないか」という自責の気持ち。
これらが積み重なると、どんなに我慢強い人でも消耗します。
これはあくまで一般化した事例ですが、小学3年生のADHD診断を受けたお子さんを育てるEさんは、「子どもが寝たあと、毎晩ぐったりして何もできない」と話していました。
「もっとうまく対応できれば」と自分を責め続けていたEさんが、「疲れて当然なんだ」と実感できたのは、カウンセリングで自分の日常を言葉にしてからだったと言います。
疲れを感じていること自体が、あなたが毎日全力で向き合ってきた証拠です。
その疲れを「仕方ない」と飲み込んで、また明日も頑張る——そのループをいつまでも続けることが、本当に子どものためになるのかどうか、一緒に考えてみてください。
疲れているのに、なぜ親は自分のケアを後回しにするのか
「カウンセリングを受けたい」と思いながら、踏み出せないでいる保護者の方に、よく聞く言葉があります。
「子どものことで精いっぱいで、自分のことまで手が回らない」
「自分がカウンセリングを受けるお金があるなら、子どもの療育に使いたい」
「子どもでもないのに、自分がカウンセリングを受けるのは大げさな気がする」



その気持ち、私もよく分かります
これらの言葉には、共通する心理があります。
「自分を後回しにすることが、良い親でいることだ」という信念です。
子どもに愛情を持っているからこそ、子どもを優先するのは自然なことです。
ただ、この信念が強くなりすぎると、親自身が消耗し続けることを「仕方ない」と思い込んでしまいます。
自分が限界になっても、「まだ大丈夫」と感じてしまう。
助けを求めることを「弱さ」と感じてしまう。
その結果、気づかないうちに心が追い詰められていく——これは、発達障害のある子どもを育てる保護者に、とても多いパターンです。
💡 公認心理師から一言
「自分のことを後回しにするのは、子どものためだ」という考え方は、一見献身的に見えます。
でも実際には、親の消耗は必ず子どもに伝わります。
親の余裕が子どもの安心感を支えているという事実を、支援の現場で何度も目の当たりにしてきました。
親自身がカウンセリングを受けることで、子どもにも変化が起きる


「自分のためにカウンセリングを受けることが、子どものためにもなる」——これは、きれいごとではありません。
子どもの発達支援に関わる専門家の間では、保護者のメンタルヘルスが安定していることが、子どもの支援効果を高める重要な要因の一つとされています。
理由は、シンプルです。
発達障害のある子どもは、周囲の感情の変化に敏感なことが多いです。
親が追い詰められているとき、その緊張や焦りは、言葉にしなくても子どもに伝わります。
逆に、親が少しでも気持ちの余裕を持てているとき、子どもは安心して行動しやすくなります。



親の余裕は、子どもの安全基地になります
カウンセリングで得られるのは、アドバイスだけではありません。
「今の自分の状態を、安心して言葉にできる場所がある」という感覚そのものが、親の心の土台を整えてくれます。
その土台の上に立ってこそ、子どもへの関わりも変わっていきます。
これはあくまで一般化した事例ですが、ASDのお子さんを育てるFさんは、子どものことだけに集中しようと「自分の感情を押し殺して」過ごしていました。
カウンセリングを始め、自分の疲れや悲しみを言葉にする機会を持てるようになってから、「子どもの前で笑えるようになった」と話してくれました。
その変化に気づいたお子さんが、少しずつ親に話しかけてくるようになったといいます。
まず、あなた自身の気持ちを話してみませんか
発達障害・子育て相談に詳しいカウンセラーが在籍しています
発達障害の子を持つ親が、カウンセリングで話せること
「カウンセリングで何を話せばいいか分からない」という方は多いです。
特に、発達障害の子育てという文脈では、「子どものことを相談するのか、自分のことを相談するのか」という迷いも生じやすいです。
どちらでも構いません。
カウンセリングは、話す内容があらかじめ決まっている場ではありません。
「今日は何から話せばいいか分からない」という状態からのスタートでも、カウンセラーは対応できます。



「何を話せばいい?」も、そのまま話していい
発達障害の子どもを持つ保護者がカウンセリングで話すことには、例えば次のようなものがあります。
カウンセリングで話せること(例)
- 毎日の子育ての疲れや、やるせなさを吐き出したい
- 子どもに怒鳴ってしまった罪悪感、自分を責める気持ち
- 夫や周囲の理解が得られず、孤独を感じている
- 子どもの将来への不安や、自分が倒れたらどうなるかという恐怖
- 子どもへの関わり方のヒントが欲しい
- 自分がどれだけ追い詰められているかを、誰かに分かってほしい
うららか相談室には、発達障害・不登校・子育て相談の経験が豊富なカウンセラーが多数在籍しています。
カウンセラーを選ぶ際に「発達障害」や「子育て」で絞り込めるため、自分の状況を分かってもらいやすい専門家を探しやすいのが特徴です。
疲れた気持ちを、まず話してみませんか
発達障害・子育ての悩みに詳しいカウンセラーに相談できます
また、ビデオ・電話・メッセージの3形式から選べるため、声を出しにくい環境でもメッセージ相談から始めることができます。
補足:かもみーるという選択肢もあります
「子どもの発達について、医師の視点からも意見を聞きたい」という方には、精神科医と公認心理師が在籍するかもみーるも選択肢の一つです。
医療と心理の両面からサポートを受けたい方に向いています。
まとめ|子どものために頑張るあなたが、自分を後回しにしなくていい
発達障害の子育てに疲れることは、弱さではありません。
そして、親自身がカウンセリングを受けることは、「子どもを差し置いて自分のことを優先する」ことではありません。
親が自分の状態を整えることが、子どもへの関わりを変え、家庭全体の安定につながっていきます。
📝 この記事の要点
- 発達障害の子育てに疲れるのは、親が弱いからでも関わり方に問題があるからでもない
- 「自分を後回しにすることが良い親だ」という信念が、親自身を追い詰めることがある
- 親のメンタルの安定は、子どもの安心感と行動にも直接影響する
- カウンセリングは、話すテーマが決まっていなくても始められる
- うららか相談室では発達障害・子育て経験の豊富なカウンセラーを条件で絞れる
- ビデオ・電話・メッセージから選べるため、状況に合わせた形で始めやすい
今日の自分の疲れを、少しだけ誰かに話してみてください。
それが、あなた自身のためでもあり、お子さんのためでもあります。



自分のケアは、子育ての一部です
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元 少年鑑別所 心理技官(18年)
現職:子ども家庭支援センター

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