つい言いすぎて後悔したり、逆に言いたいことを飲み込んで我慢したり——。人との関わりの中で、「うまく自己表現できないな」と感じることはありませんか。
自分も相手も大切にする伝え方を「アサーション」といいます。その第一歩は、今の自分の自己表現のクセ(タイプ)を知ることです。
私は公認心理師として、コミュニケーションに悩む方とたくさん向き合ってきました。この記事では、20の質問に答えるだけで、自分のアサーションのタイプがわかるチェックリストをご用意しました。まずは気軽に、自分の傾向を確かめてみてくださいね。
📖 こんな方に読んでほしい記事です
- 自分のアサーションのタイプを知りたい方
- つい言いすぎたり、逆に我慢したりしがちな方
- 自分の自己表現のクセを、客観的に確かめたい方
- アサーションを高めて、人間関係を楽にしたい方
アサーションには、大きく3つのタイプがあります。自分を抑えて我慢する「非主張的タイプ」、相手を押しのける「攻撃的タイプ」、そして自分も相手も大切にする「アサーティブタイプ」です。まずはチェックリストで、あなたがどのタイプに近いかを見ていきましょう。親自身がアサーションを意識できると、その姿は子どものコミュニケーションのお手本にもなります。
アサーションのチェックリスト【20問】

このチェックリストは、次の2種類の場面から構成されています。それぞれの設問に「はい」か「いいえ」で答えてください。あとで「どちらで答えたか」を振り返りますので、メモしながら進めるのがおすすめです。
ゆう直感でOK。正直に答えるほど、正確なタイプがわかりますよ。
①自分から働きかける言動
まずは、自分から働きかける場面についての10問です。
- あなたは、誰かにいい感じを持ったとき、その気持ちを表現できますか
- あなたは、自分の長所や成し遂げたことを人に言うことができますか
- あなたは、自分が神経質になっていたり、緊張しているとき、それを受け入れることができますか
- あなたは、見知らぬ人たちの会話の中に、気楽に入っていくことができますか
- あなたは、会話の場から立ち去ったり、別れを言ったりすることができますか
- あなたは、自分が知らないことやわからないことがあったとき、そのことについて説明を求めることができますか
- あなたは、人に援助を求めることができますか
- あなたは、人と異なった意見や感じを持っているとき、それを表現することができますか
- あなたは、自分が間違っているとき、それを認めることができますか
- あなたは、適切な批判を述べることができますか
②相手の言動に対する言動
次は、相手の言動に対する場面についての10問です。同じように「はい」か「いいえ」で答えてください。
- 人からほめられたとき、素直に対応できますか
- あなたの好意を批判されたとき、受け答えができますか
- あなたに対する不当な要求を拒むことができますか
- 長電話や長話のとき、あなたは自分から切る提案をすることができますか
- あなたの話を中断して話し出した人に、そのことを言えますか
- あなたはパーティーや催し物の招待を、受けたり断ったりできますか
- セールスマンや店員からの強い勧めを断れますか
- あなたが注文したとおりのもの(料理や洋服など)が来なかったとき、そのことを言って交渉できますか
- あなたに対する人の好意がわずらわしいとき、断ることができますか
- あなたが援助や助言を求められたとき、必要であれば断ることができますか
出典:平木典子『よくわかるアサーション 自分の気持ちの伝え方』(日本・主婦の友社)より引用
チェックリストの集計とタイプ判定
20問すべてに答えられたら、次の手順で集計していきましょう。
STEP1:「いいえ」の数を確認する
まず「いいえ」の数を数えましょう。その項目は、あなたが自己表現できていない、あるいは苦手な領域といえます。半分以上が「いいえ」だった場合、普段の生活や人間関係に、少し支障を感じているかもしれません。
STEP2:「はい」と答えた項目を見直す
次に、「はい」と答えた項目をもう一度チェックします。その「はい」は、心から納得できるものですか? それとも、相手への否定的な感情や、腹立たしさを攻撃的に表現したものではありませんか? もし後者なら、その項目に◎をつけておきましょう。自分の意思は大切にできていても、相手への配慮が足りていない可能性があるからです。
STEP3:判定結果の見方
- 「はい」が10個以上…アサーションが普通以上にできています。「アサーティブタイプ」です
- 「はい」が多いが◎の割合も多い…注意が必要。「攻撃的タイプ」の可能性があります
- 「いいえ」の方が多い…苦手な領域が多いようです。「非主張的タイプ」です
いかがでしたか? どのタイプであっても、それは「今の傾向」であって、これから変えていけるものです。アサーションは、生まれ持った性格ではなく、練習で身につくスキルだからです。3つのタイプの詳しい説明と、伝え方のコツは、こちらの記事でお伝えしています。


自分の伝え方のクセに、気づいたときは
「どう伝えればいいんだろう」と悩んだら、専門家と一緒に整理すると、自分に合った伝え方が見つかります。オンラインなら、自宅から気軽に相談できますよ。
アサーションは、練習で高められる


タイプがわかったら、次は少しずつ高めていく番です。ポイントは、自分の気持ちを「私」を主語にして、正直に、でも相手を尊重しながら伝えること。いきなり完璧を目指さず、言いやすい場面から一つずつ試していきましょう。具体的な伝え方の型(DESC法)は、こちらの記事が参考になります。


アサーションをもっと体系的に学びたい方には、今回のチェックリストの出典でもある、次の2つの書籍がおすすめです。日本にアサーションを広めた第一人者による、入門の定番書です。
また、専門家から直接コミュニケーションスキルを学びたい方は、オンラインで学べる教室・講座を比較したこちらの記事もどうぞ。


まとめ
今日の内容を、最後に振り返っておきますね。
- アサーションには、非主張的・攻撃的・アサーティブの3タイプがある
- 20問のチェックリストで、自分の傾向(タイプ)を確かめられる
- 「いいえ」が多ければ非主張的、攻撃的な「はい」が多ければ攻撃的タイプ
- タイプは今の傾向にすぎず、アサーションは練習で高められる
- 親が自分も相手も大切にする姿は、子どものお手本にもなる
自分のタイプを知ることは、責めるためではなく、これからを楽にするための第一歩です。どのタイプでも大丈夫。「私はこう感じている」と正直に、でも相手を大切に——その積み重ねが、あなたの毎日を少しずつ生きやすくしてくれます。まずは今日、言いやすい場面から一つ、試してみてくださいね。
伝え方の悩みを、ひとりで抱えないで
気持ちをうまく伝えられないつらさは、専門家と話すと整理されていきます。話すだけでも、心がふっと軽くなりますよ。
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元 少年鑑別所 心理技官(18年)
現職:子ども家庭支援センター

