この記事では、
アサーションの3つのタイプをチェックシートで確認する方法
について詳しく説明します。
アサーション・トレーニングでコミュニケーションスキルを高めれば、子どものコミュニケーションスキルの成長にも良い影響を与えます。
そうしたアサーション・トレーニングを行う前に、まずは自分の自己表現のタイプをチェックしておくことが大切です。
そこで、今回は、
- 自分のアサーションのタイプをチェックしたい!
- アサーションのチェックシートってどんなもの?
といった疑問や悩みに答えていきます。
自分のアサーションの3つのタイプをチェックしよう!
この記事は、アサーション・トレーニングで有名な平木典子先生の書籍「よくわかるアサーション 自分の気持ちの伝え方」を参考にしています。
アサーションのチェックリスト
早速、アサーションのチェックリストを見ていきましょう。
アサーションのチェックリストは、次の2種類から構成されています。
- 自分から働きかける言動
- 相手の言動に対する言動
それぞれの設問に「はい」か「いいえ」で答えてください。
自分から働きかける言動
まずは、自分から働きかける言動についてのチェックリストです。
後で、どの設問に「はい」「いいえ」のどちらで答えたのかを振り返りますので、どちらで答えたのか残しておきましょう。
番号 | 設問 |
---|---|
1 | あなたは、誰かにいい感じを持ったとき、その気持ちを表現できますか |
2 | あなたは、自分の長所や成し遂げたことを人に言うことができますか |
3 | あなたは、自分が神経質になっていたり、緊張しているとき、それを受け入れることができますか |
4 | あなたは、見知らぬ人たちの会話の中に、気楽に入っていくことができますか |
5 | あなたは、会話の場から立ち去ったり、別れを言ったりすることができますか |
6 | あなたは、自分が知らないことやわからないことがあったとき、そのことについて説明を求めることができますか。 |
7 | あなたは、人に援助を求めることができますか |
8 | あなたは、人と異なった意見や感じを持っているとき、それを表現することができますか |
9 | あなたは、自分が間違っているとき、それを認めることができますか |
10 | あなたは、適切な批判を述べることができますか |
相手の言動に対する言動
次は、相手の言動に対する言動のチェックリストです。
同じように、「はい」か「いいえ」のどちらかで答えてください。
番号 | 設問 |
---|---|
11 | 人からほめられたとき、素直に対応できますか |
12 | あなたの好意を批判されたとき、受け答えができますか |
13 | あなたに対する不当な要求を拒むことができますか |
14 | 長電話や長話のとき、あなたは自分から切る提案をすることができますか |
15 | あなたの話を中断して話し出した人に、そのことを言えますか |
16 | あなたはパーティーや催し物の招待を、受けたり断ったりできますか |
17 | セールスマンや店員からの強い勧めを断れますか |
18 | あなたが注文したとおりのもの(料理や洋服など)が来なかったとき、そのことを言って交渉できますか |
19 | あなたに対する人の好意がわずらわしいとき、断ることができますか |
20 | あなたが援助や助言を求められたとき、必要であれば断ることができますか |
チェックリストの集計結果
先ほどのチェックリストの集計結果です。
次の手順に沿って集計していってください。
「いいえ」の数を確認する
「いいえ」の数を数えましょう。
その項目は、あなたが自己表現できていない、あるいは苦手な領域といえます。
半分以上「いいえ」があった場合、あなたは普段の生活や人間関係に支障を感じているかもしれません。
「はい」と答えた項目を見直す
次に、「はい」と答えた項目について、もう一度チェックしてみましょう。
その「はい」は心から納得できるものですか?
または、相手に対して否定的な感情を持ったものだったり、腹立たしさを攻撃的に表現しているものだったりはしていませんか?
もしそうなら、その「はい」に◎などのチェックをしておきましょう。
なぜなら、あなたは自分の意思や気持ちは大切にしていても、相手を配慮していない言動をしていない可能性があるからです。
判定結果の見方
ここまでチェックが済んだら、結果を確認していきます。
「はい」の数が10個以上あれば、今の時点で、あなたのアサーションは普通以上ということができます。
つまり、「アサーティブタイプ」です。
ただし、「はい」の数が多くても、その「はい」に◎などのチェックの割合が多ければ注意が必要です。
つまり、「攻撃的タイプ」の可能性があります。
「いいえ」の数の方が多ければ、あなたはうまくアサーションができない領域が多いようです。
つまり、「非主張的タイプ」です。
次からは、3つのタイプについて詳しく説明していきます。
アサーションの3つのタイプ
最後に、アサーションの3つのタイプについて説明します。
先ほどのチェックリストの集計結果を見て、自分がどのタイプに当てはまるのかを確認してから読み進めてください。
攻撃的タイプ
1つ目は「攻撃的タイプ」の自己表現です。
自分の言い分を無理に通すなど、相手の犠牲の上に成り立つ自己表現がこのタイプです。
そうした表現をする人は、お互いが心地よい人間関係が築けないので、結果的にいい気分でばかりいることができません。
相手の気持ちや表現を受け止めない
不満や怒りの気持ちが相手の中に残る
必要な情報が共有されず失敗を招きやすい
人間関係が破綻したりギスギスした上下関係になる
自分の意見を通しても後味の悪さが残る
自己表現が「強がり」となり自分の本心とズレる場合もある
非主張的タイプ
2つ目は「非主張的タイプ」の自己表現です。
日本人に多いのが、このタイプです。
例えば、はっきりと誘いを断れない、無理な頼みごとを断れないといったことなどがあります。
ただし、相手によって対応が変わるのが人間なので、家族にはいばる人でも、職場の上司に対しては非主張的になる場合もあります。
劣等感や卑屈な気持ちが自分の中に残る
自分の気持ちや意見が相手に伝わらない
相手をうらやむ心や、怖れる心が生まれる
不快感や不満感が、心身に悪影響を及ぼす
必要な情報が共有されず、失敗の原因になる
対等でオープンな人間関係を作ることができない
アサーティブタイプ
3つ目は「アサーティブタイプ」です。
自分の気持ちと考えを大切にします。
同時に、相手の気持ちと考えも尊重するので、自他尊重のコミュニケーションとも呼ばれます。
アサーティブなタイプの人は、自分に正直、率直な言動をします。
誰もが目指したい自己表現です。
お互いに率直な気持ちや意見を表現できる
コミュニケーションの後に爽やかな気持ちが残る
意見が異なっても、双方が納得できる結論が見つける
違う意見を知ることで、自分の可能性が広がる
お互いの深い理解に基づく人間関係が生まれる
一人で考えたとき以上の良い結論が見つかる場合もある
アサーションの3つのタイプを詳しく知りたい方は、次の記事を参考にしてください。
まとめ
今回は、アサーションの3つのタイプをチェックシートで確認する方法について説明しました。
アサーティブなコミュニケーションができるようになれば、人間関係がより良いものになっていきますし、子どももそうした親の振る舞い方を見て学ぶことで、コミュニケーションスキルが高まります!
自分や子どものコミュニケーションに悩む方は、自宅で気軽に相談できるオンラインカウンセリングを活用する方法もおすすめします。
オンラインカウンセリングについて少しでも興味のある方は、ぜひ次の記事も読んでみてください。
ご相談やご質問がある場合は,こちらにご連絡ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。