五月雨登校・登校渋りとは?不登校との違いと親の関わり方

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「月曜は休んだけど、火曜は行けた。でも水曜はまた休んで……」

完全に学校へ行けなくなったわけではないけれど、行ったり行けなかったりを繰り返す。そんな日々が続くと、「これは不登校なのか、それとも一時的なものなのか」「このまま様子を見ていいのか」と、判断に迷う方も多いのではないでしょうか。

この、行けたり行けなかったりする状態を「五月雨登校(さみだれとうこう)」や「行き渋り」と呼びます。この記事では、五月雨登校とは何か、完全な不登校との違い、そして親としてこの段階でどう関わればいいかを、公認心理師の視点からお伝えします。

📖 こんな方に読んでほしい記事です

  • 子どもが学校を休みがちで、行ったり行けなかったりを繰り返している方
  • 「これは不登校と呼ぶべき状態なのか」と判断に迷っている方
  • 「様子を見ていい段階なのか、もう動くべきなのか」を知りたい方
  • 今のうちにできることを知って、完全な不登校への進行を防ぎたい方

不登校全体の原因や対応の流れについては、こちらの柱記事も参考にしてください。

目次

「五月雨登校」「行き渋り」とは|不登校との違い

文房具を思い浮かべる男の子

まず、言葉の整理をしておきましょう。

行き渋り
朝、学校に行く前に「行きたくない」と渋る状態。最終的に行けることもあれば、行けないこともあります。

五月雨登校
行き渋りが続いた結果、週のうち何日かは登校できるものの、何日かは休んでしまう状態が一定期間続くこと。「さみだれ(梅雨時のぱらぱらとした雨)」のように、登校と欠席が入り混じることからこう呼ばれます。

不登校(完全不登校)
年間30日以上(病気・経済的理由は除く)、学校に登校できない状態(文部科学省の定義)。

つまり、行き渋り・五月雨登校は、不登校の「手前」にある段階と捉えることができます。完全に行けなくなっているわけではないからこそ、「このくらいなら大丈夫」と思いたくなる一方で、「いつか完全に行けなくなるのでは」という不安もつきまといます。

ゆう

五月雨登校は、不登校でもなければ「普通」でもない、独自のグラデーションの状態です。

不登校の早期サインの見極め方については、こちらの記事も参考にしてください。

なぜこの段階での関わりが大切なのか

五月雨登校の状態は、何もせずに長く続けると、完全な不登校に進んでしまうことが少なくありません。ただし、ここで誤解しないでいただきたいことがあります。

「対応が大切」ということは、「無理に毎日登校させること」を意味しません。むしろ、この時期に登校を強く促しすぎることで、子どもが学校をより嫌いになり、結果的に完全不登校への進行を早めてしまうこともあります。

大切なのは、「何もせず様子を見続ける」のでも「無理に行かせようとする」のでもない、第三の関わり方です。

💡 この段階での「対応」が意味すること

  • 子どもが何に困っているのかを、焦らず聞いてみる
  • 学校(担任・スクールカウンセラー)と早めに情報共有しておく
  • 「行けた日・行けなかった日」のパターンを記録してみる
  • 無理に「毎日行く」を目標にしない

「対応する」とは「急かす」ことではなく、「子どもの状態をよく見て、必要な手当てを早めにしておく」ということです。

ゆう

早期対応=登校を急かすこと、ではありません。早めに「理解する」ことが対応の本質です。

「このまま様子を見ていいのか」迷ったときは

早めに専門家に相談することで、見えてくることがあります。

五月雨登校の子どもに見られる3つのパターン

理解力

五月雨登校は一つの形ではありません。子どもによって、休み方のパターンには傾向があります。

① 体調不良が先に出るパターン

朝になると頭痛・腹痛・倦怠感を訴え、休む日と行ける日が混在するパターンです。本人も「なぜ行けないのか」をうまく説明できないことが多く、心理的ストレスが身体症状として現れている状態と考えられます。長引く場合は、起立性調節障害などの身体的な要因が関わっていることもあるため、小児科への相談も選択肢に入れてください。

② 特定の曜日・授業に偏るパターン

「月曜だけ休む」「体育や音楽の日は休む」など、特定の曜日や授業に偏って休むパターンです。この場合、その曜日・授業に何らかのストレス要因(人間関係・苦手な活動・特定の先生との関係など)が隠れていることが多く、パターンを記録することで原因が見えやすくなります。

③ 気分・エネルギーの波によるパターン

明確な理由がはっきりしないまま、「今日は行ける」「今日はどうしても無理」という気分の波で登校が左右されるパターンです。このタイプは、本人の中にあるエネルギーが慢性的に不足している状態であることが多く、休める日に十分休めているかどうかが回復のポイントになります。

これはあくまで一般化した事例ですが、Dさん(39歳)の小学5年生の子どもは、火曜と木曜だけ「お腹が痛い」と休むことが続きました。記録をつけてみると、その2日は体育で長距離走がある日だと気づき、本人に聞くと「うまく走れなくて恥ずかしい」という気持ちが理由でした。担任に相談し、無理のない範囲で参加できるよう配慮してもらったところ、休む日が減っていったといいます。

ゆう

「なんとなく休む」に見えても、パターンを記録すると意外な理由が見えてくることがあります。

小学生・中学生での五月雨登校の現れ方には違いもあります。年代別の特徴についてはこちらの記事も参考にしてください。

親としてできること|「見守る」と「働きかける」のバランス

五月雨登校の段階での関わり方は、「何もしない」と「強く働きかける」の間にある、ちょうどいいバランスを探ることが大切です。

「行けた・行けなかった」を責めない

「今日は行けたのに、なんで今日は行けないの」という言葉は、子どもにとって大きな負担になります。行けた日があることは前向きな材料ですが、それを基準にして行けない日を責めると、「また行けなかった」という自己否定が強まり、休む頻度が増えることもあります。

学校との情報共有を早めにしておく

五月雨登校の段階で、担任やスクールカウンセラーに状況を伝えておくと、完全な不登校になった場合の連携がスムーズになります。「まだそこまで深刻ではないから」と相談を後回しにせず、早めに情報を共有しておくことをお勧めします。

休めた日は「しっかり休ませる」

休んだ日に「勉強しなさい」「せめて○○はしなさい」と過度に求めると、休む意味がなくなり、エネルギーの回復が進みません。休む日は、しっかり休むことに集中させてあげてください。

初期対応で大切なポイントの詳細については、こちらの記事もあわせてご覧ください。

やってしまいがちなNG対応については、こちらの記事で詳しく解説しています。

ゆう

「行ける日もある」ことに焦らず、「休む日もある」ことを安心して受け止めてあげてください。

まとめ

  • 五月雨登校・行き渋りは、完全な不登校の「手前」にある段階
  • この段階での対応は「急かすこと」ではなく「早めに理解すること」
  • 休み方には体調不良型・特定曜日型・気分の波型などのパターンがある
  • パターンを記録すると、隠れた理由が見えてくることがある
  • 「行けた・行けなかった」を責めず、学校との情報共有を早めにしておく

行ったり行けなかったりする毎日は、親にとっても気持ちが落ち着かないものだと思います。でも、その揺れの中にも、子どもが今の自分なりに頑張っているサインがあります。焦らず、子どもの今の状態をよく見ていきましょう。

一人で抱え込まず、専門家に話してみませんか

今の状態をどう見ればいいか、オンラインで気軽に相談できます。

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ゆう
この記事を書いた人:ゆう
公認心理師(国家資格)
元 少年鑑別所 心理技官(18年)
現職:子ども家庭支援センター
3,000人以上の親子の相談、500件以上の心理検査の経験から、発達障害・不登校・子どもの問題行動でお悩みの保護者へ、「親自身が自分を責めなくていい」視点で記事をお届けしています。

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