不登校を親戚に何て言う?帰省前に用意しておきたい答え方と心構え

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「今年のお盆、帰省するのが憂うつで……」そう感じていませんか。

不登校の子どもを持つ親にとって、帰省シーズンは独特のつらさがあります。久しぶりに会う親戚から「学校どう?」「最近どんな感じ?」と聞かれることへの緊張感。うまく答えられなかったときの気まずさ。子どもが同席しているときの、その場の空気の重さ——。

この記事では、「親戚に何て言えばいいかわからない」という悩みに、具体的な会話の例とともにお答えします。公認心理師として、そして一人の親として、帰省前に少しだけ気持ちを楽にするヒントをお伝えできればと思います。

📖 こんな方に読んでほしい記事です

  • お盆の帰省で親戚から子どもの学校のことを聞かれるのが憂うつな方
  • 不登校を親戚に伝えるべきか伝えないべきか迷っている方
  • その場でうまく答えられるか不安で、帰省を避けたくなっている方
  • 子どもが同席している場面での親戚への対応に困っている方
目次

「学校どう?」が憂うつになる理由——あなただけじゃない

ポイント

まず最初に、少しだけ気持ちをほぐすことから始めさせてください。

帰省のたびに「学校どう?」と聞かれることへの憂うつ感は、あなたが過敏なわけでも、神経質すぎるわけでもありません。不登校の子どもを持つ保護者のほとんどが、同じように感じています。

親戚からの質問には、多くの場合悪意はありません。「久しぶりだから近況を聞きたい」「子どもに興味があるから聞いている」という、ごく自然なコミュニケーションのつもりです。でも、受け取る側には「また聞かれた」「うまく説明できるかな」「子どもの前で何て言おう」という複数の不安が一気に押し寄せてきます。

📌 帰省が憂うつになる理由は、あなたが弱いからではありません
毎日子どもの状態を心配しながら過ごしているなかで、帰省先でも同じ話題が出る——それは二重の消耗です。「憂うつになって当然の状況」に置かれているということを、まず自分に認めてあげてください。

ゆう

うまく答えられなくても、それはあなたの育て方が問われているわけではありません。答え方に正解はないんです。

「伝える」か「伝えない」か——帰省前に決めておくこと

帰省前に一つだけ決めておくと、当日がかなり楽になります。それは「不登校のことをどこまで伝えるか」という方針です。

「伝える」を選ぶ場合

事前に伝えておくことで、当日「学校どう?」という質問そのものを避けてもらえる可能性があります。特に、毎年会う関係の近い親戚であれば、一度伝えておくほうが長期的に楽になることが多いです。

🔹 事前に伝えるときのフレーズ例
「実は〇〇、最近学校を休みがちで。本人なりに頑張っているところなので、当日は学校の話は避けてもらえると助かります」

「〇〇が学校をしばらく休んでいます。本人の前では学校の話はしないようにしてもらえますか。詳しくはまたゆっくり話せれば」

→ 長い説明は不要です。「避けてもらいたいこと」を一つお願いするだけで十分です。

「伝えない」を選ぶ場合

「説明したくない」「関係が薄い親戚には話したくない」「子どもが知られたくないと言っている」——こういった理由で伝えないことも、まったく問題ありません。伝える義務はどこにもありません。

この場合は、当日その場でうまく受け流す「答え方のレパートリー」を事前に用意しておくことが助けになります。次のセクションで具体的にご紹介します。

⚠️ 子どもに確認しておきたいこと
帰省前に子どもに「親戚の人たちには学校のこと、どこまで話していいか」を確認しておくことをお勧めします。子ども自身が「言わないでほしい」と思っているのに、親が伝えてしまうと、子どもが傷つくことがあります。子どもの意向を尊重することが最優先です。

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その場で「学校どう?」と聞かれたとき——使える4つの対応

ヒント

事前に伝えていなかった場合、または伝えていても当日聞かれてしまった場合のために、その場で使える答え方をご紹介します。正直に話すもの・ぼかして受け流すもの・話題を変えるもの、状況に合わせて選んでみてください。

① ぼかして受け流す(最もハードルが低い)

🔹 フレーズ例
「まあ、いろいろありますよ〜(笑)」
「子どもってそれぞれですよね、うちはうちのペースで」
「ぼちぼちやってますよ」

→ 深追いされにくく、その場の空気を壊さずに済みます。笑顔で言い切るのがポイントです。

② 短く事実を伝えて話題を変える

🔹 フレーズ例
「最近ちょっと休みがちで。でも本人なりに頑張ってます。ところで〇〇さん、最近はどうですか?」
「学校のことはいろいろあるんですけど、今日は久しぶりだから別の話をしたいな(笑)」

→ 「話題を変えた」という感覚を相手に与えずに、自然に流れを変えられます。

③ 正直に伝えて、お願いをセットにする

🔹 フレーズ例
「実は学校を休んでいて。本人のペースで動いているところなので、本人の前ではその話は避けてもらえると助かります」
「少し学校が難しい時期で。今日は子どもも来ているので、学校の話は後にしてもいいですか」

→ 正直に言える関係の親戚に有効。「お願い」をセットにすることで、相手も動きやすくなります。

④深追いされたとき——「これ以上は話せない」を伝える

一度受け流しても「でも、なんで?」「学校側の対応は?」と続けて聞かれることがあります。そのときは、穏やかに、でもはっきりと「これ以上は話せない」と伝えて大丈夫です。

深追いされたときのフレーズ例
「詳しいことはまた別の機会に。今日は久しぶりだから楽しく過ごしたくて」
「ちょっと今はまだうまく話せる状態じゃなくて。気にかけてくれてありがとう」
「今日は子どもも一緒なので、この話はここで」

説明しなければならない義務はありません。「話せる範囲しか話さない」は、自分を守るための大切な権利です。

子どもが同席しているとき——特に気をつけたいこと

子どもが同じ場にいるとき、親戚との会話で特に注意してほしいことがあります。

親が親戚に説明している言葉を、子どもはすべて聞いています。「学校を休んでいて……」「なかなか行けなくて……」という親の言葉が、「自分は問題のある子どもなんだ」という自己評価をさらに傷つけることがあります。

⚠️ 子どもがいる場面で避けたい言葉
・「この子、学校に行けなくて困ってて……」(子どもを「問題」として語る)
・「なかなか行けないんですよ……はあ」(親のため息・落胆を見せる)
・「本当に心配で……」(子どもの罪悪感を深める)
・ 親戚の前で子どもに「学校どう?」と振る(その場で答えさせる)

子どもは「自分のせいで親が困っている」と感じやすいです。

子どもが同席しているときの基本は、「学校の話はしない・させない」を親が守ることです。もし親戚が子ども本人に「学校どう?」と直接聞いてきたときは、「今日はその話はなしで(笑)」と親が間に入って止めてあげてください。それだけで、子どもは「親が守ってくれた」と感じます。

ゆう

子どもにとって帰省は、「また聞かれるかもしれない」という緊張の場でもあります。親が盾になってあげることが、一番のケアになります。

帰省後に心が疲れたら——自分をケアすること

帰省が終わって家に帰ってきたとき、どっと疲れを感じることがあります。うまく答えられなかった悔しさ、親戚の一言が刺さったまま残っていること、子どもの様子が気になること——いくつもの感情が重なって、帰省後にぐったりする方は少なくありません。

それは、あなたが消耗するほど気を張って過ごしてきた証拠です。帰省後は「よく乗り越えた」と、まず自分を労ってください。

🔹 帰省後に試してほしいこと
・「よく乗り越えた」と声に出して自分に言う
・子どもに「一緒に行ってくれてありがとう」と伝える
・刺さった言葉は「悪意ではなく無知から来たもの」と少し距離を置いて見る
・信頼できる人(配偶者・友人・カウンセラー)に「つらかった」と吐き出す

「うまく答えられなかった」ことへの自己批判は、そっと横に置いてください。

まとめ

📝 この記事のまとめ

  • 帰省が憂うつになるのは当然。二重の消耗がある状況に置かれているのだから
  • 「伝える」か「伝えない」かは、子どもの意向を確認したうえで帰省前に決めておくと楽になる
  • 事前に伝える場合は「長い説明」より「避けてほしいこと1つのお願い」だけで十分
  • その場での答え方は「ぼかして受け流す」「短く伝えて話題を変える」「正直に伝えてお願いをセットにする」の3パターンが使いやすい
  • 深追いされたときは「詳しくは話せない」と穏やかに線を引いていい。説明の義務はない
  • 子どもが同席しているときは「学校の話はしない・させない」を親が守ることが最大のケア
  • 帰省後に疲れたら「よく乗り越えた」と自分を労うことから始める

うまく答えられなくても、それはあなたの育て方が問われているわけではありません。親戚の質問に完璧に対応することより、子どもと一緒にその場を乗り越えることのほうが、ずっと大切です。今年のお盆が、少しでも穏やかに過ごせますように。

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ゆう
この記事を書いた人:ゆう
公認心理師(国家資格)
元 少年鑑別所 心理技官(18年)
現職:子ども家庭支援センター
3,000人以上の親子の相談、500件以上の心理検査の経験から、発達障害・不登校・子どもの問題行動でお悩みの保護者へ、「親自身が自分を責めなくていい」視点で記事をお届けしています。

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