スクールカウンセラーの効果|心理士が教える4つの効果とは?

スクールカウンセラーの効果

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この記事では、

スクールカウンセラーに相談するメリット

について詳しく説明していきます。

もしも、お子さんがいじめ被害や友達関係、または発達障害や心の問題で悩んでいて、親自身も困っているとき、みなさんなら誰に相談しますか?

身近な人に相談してもよいですが、専門的な意見をもらえなければ、なかなか解決にはつながりにくいでしょう。

とはいえ、精神科や心理相談室などの専門機関に相談するのは抵抗がある人が多いと思います。

ゆう

そんなときに身近にいる心理の専門家が「スクールカウンセラー」です。

そこで、今回は、

  • スクールカウンセラーってどんな人なの?
  • 相談するときの流れについて知りたい
  • スクールカウンセラーに相談することのメリットとは?

といった悩みや疑問に答えていきます。

小学校のお子さんがいて、心に関する悩みのある方は、是非参考にしてください。

目次

スクールカウンセラーの専門性とは?

椅子に座って向かい合って話し合う二人の女性

まずは、スクールカウンセラーが、どのような資格を持ち、どのようなことができるのか、つまりどのような専門性があるか説明していきます。

スクールカウンセラーは、都道府県や市町村、そして学校によって採用の条件は異なります。

大抵の場合に条件の一つに求められるのが、国家資格である「公認心理師」か、心理学系の指定された大学院を修了しなければ取得できない「臨床心理士」のどちらかの資格です。

ゆう

教員ではないので、教員免許を有しているかどうかは求められていません。

つまり、スクールカウンセラーは、「教育の専門家」ではなく、学校に所属する「心理の専門家」です。

また、スクールカウンセラーに相談できる内容は、不登校や登校しぶりに関することが最も多いようですが、いじめ被害・加害、友人関係、親子関係、学習関係などの幅広い相談に応じています。

近年では、発達障害、精神疾患、リストカット等の自傷やその他の問題行動など対応が困難な相談も増えてきているようです。

こうした相談について、スクールカウンセラーは、次のような方法で対応しています。

・カウンセリング:心理的なケア
・アセスメント:面接を通じて問題点の特定と解決方法の提案
・コンサルテーション:学校教諭等と問題の改善方法を検討
・専門機関の紹介:より専門的な機関の紹介

スクールカウンセラーに対して相談することができるのは、子どもとその保護者です。

ただし、親がいくら子どもを相談に行かせたいと思っても、子どもが嫌がっている場合、無理やり面接を受けさせることはかえって子どもの心を傷付けてしまい、問題が悪化するおそれもあります。

そのため、子どもが嫌がっている場合などは、保護者だけで相談することもできます。

親だけが相談を続けることの効果については、後ほど説明していきます。

相談の流れ

みなさんは、年度初めの学校からのお知らせプリントに、スクールカウンセラーに関する情報についてご覧になったことはあるでしょうか。

そこには、スクールカウンセラーの氏名や出勤日などのほか、「学校生活を送る上での悩みなどについて気軽に相談できます」などといったことが書いてあったのではないでしょうか。

基本的には、子どもや保護者であれば誰でもスクールカウンセラーに相談することはできます。

担任や養護教諭などに相談することからスタートします。

また、学校教諭からスクールカウンセラーとの面接を勧められる場合、それに応じることで相談が始まることがあります。

もしも子どもが問題行動を起こした場合には、校長や副校長からスクールカウンセラーとの面接を指示される場合もあります。

スクールカウンセラーと面接する日が決まったら、子ども又は保護者、その両方は指定された時間に面接室に行きます。

そこで、スクールカウンセラーと初対面することになります。

どのようなことで悩んでいるのか、どうなりたいのかなどスクールカウンセラーに相談することになります(この面接を「初回面接」や「インテーク面接」と呼びます)。

スクールカウンセラーは、子どもや保護者の悩みに耳を傾けて、問題点がどこにあるのか考え、その問題の解決に向けたアドバイスを行います。

この1回で悩みが解決できれば、それで終了になりますが、子どもや保護者の希望があれば複数回にわたって相談が続くことになります。

2回目以降は、スクールカウンセラーは、子どもと1対1で面接をして、アセスメントに必要な情報を集めるために、学校生活だけでなくて家庭の様子や人間関係などについて話を聞いていきます。

必要があれば、発達検査や知能検査の受検を勧められることもあります。

保護者が希望すれば、別に面接時間を用意してもらい、スクールカウンセラーから直接アドバイスを受けることもできます。

その子や保護者の悩みの解決のためには、学校教諭にも積極的に関わってもらうことが必要な場合があります。

ここが,スクールカウンセラーの力量に差が出やすいところですが、学校教諭にその子の問題点やその解決方法について説明して情報を共有した上で、保護者・学校教諭などと協力してその子の改善に向けた取り組みを行っていきます。

また、問題が根深い場合には、他の専門機関を紹介されることもあります(児童虐待などが疑われれば児童相談所、非行や問題行動等であれば法務少年支援センターなど)。

終結の時期は、ケースによって様々ですが、2,3回程度で終わる場合もいれば、学期末や進級などのタイミングで終了する場合もあります。

一度、相談が終了したとしても、子どもや保護者に希望があれば、相談が再開されることもあります。

ただし、学校にもよりますが、スクールカウンセラーが配置されるのは中学校に1名程度で、そこから近隣の小学校に週1日くらい出向いて面接をすることになります。

つまり、スクールカウンセラーにいろいろと相談したいことがあっても、毎週相談することはなかなか難しく、実際には月1~2回程度になる場合が一般的です。

子どもが心配で毎週相談しようとする方がいますが、スクールカウンセラーからアドバイスをもらってから、自分なりに考えて行動して色々と試してみる時間も必要です。

ゆう

個人的には、月1,2回の相談がちょうどよいと思います。

期待できる効果

スクールカウンセラーとの面接を通じて、どのような効果が期待できるでしょうか。

「スクールカウンセラーに相談しても、話を聞いてくれるだけで何も解決しないでしょ?」と考えている人もいらっしゃるかもしれません。

ゆう

そんなことありませんよ!

心理の専門家による面接を通じて、いろいろと得られるものがありますし、特に「いいスクールカウンセラー」に出会うことができれば、学校教諭を巻き込んで、その子の悩みの解決に尽くしてくれます。

ここからは、スクールカウンセラーとの面接により、期待できる効果、メリットについて説明していきます。

子どもや保護者の心のケア

心理の専門家による面接を受けるだけでも、悩んでいる方にとっては心のケアにつながります。

いじめの被害を受けている、友達関係がうまくいかないなどの悩みがある場合、そうした悩みの直接的な解決にはならないかもしれませんが、その子や保護者がスクールカウンセラーに悩みを打ち明け、その話をじっくりと聴いてもらうことによって、安心感を得ることができるでしょう。

先ほども少し書きましたが、多くの人は「話したって意味ない」と思いがちですが、自分の中にたまっている不安、不満、怒り、いら立ち、戸惑いなどの感情について、言葉にして、吐き出すだけでも気持ちの安定につながります。

そうした感情を身近な人に吐き出してしまうと、おそらくトラブルになってしまいますが、スクールカウンセラーは,そうした人の否定的な感情を受容する訓練を受けています。

また、子どもが親や担任などに対して複雑な気持ちを抱いている場合、身近な人に本音を話すことは避けてしまうでしょう。

そうした場合、「遠すぎず近すぎず」の距離感にいるスクールカウンセラーになら話せることがあるかもしれません。

子どもだって、悩みを抱えていると、内面にネガティブな感情やストレスが生じてしまいます。

ゆう

それを解消する機会を作ってあげることも大切です。

その子の知能や性格などの把握

多くのスクールカウンセラーは、大学や大学院で様々な心理検査を学び、研修会に参加して勉強を続け、実際の業務でも使用できる人がいます。

自治体によっては、学校場面でスクールカウンセラーが心理検査をしないと決められているところもあります。

ゆう

ただ、別の場所で受検した心理検査の結果を持っていけば、分かりやすく解説してくれるはずです。

心理検査には、次のような種類があります。

知能検査(WISC-Ⅳなど):IQを測定するだけでなく,その子の得意なことや苦手なことを把握して,実際の学習や生活の場面に役立つアドバイスをくれる。

性格検査(MMPI、バウムテスト、ロールシャッハ・テストなど):その子が怒りっぽい傾向があるとか、ストレスに耐える力が弱いとか、対人関係が苦手などの性格特徴を把握して、検査結果に基づいて実際の学習や生活の場面に役立つアドバイスをくれる。

発達検査(新版K式発達検査、遠城寺式乳幼児分析的発達診断検査など):自閉スペクトラム症、ADHDなどの傾向について把握して、検査結果に基づいて学習や生活の場面に役立つアドバイスをくれる。あくまでも発達障害の傾向を把握するための検査であって、正式な診断を受けるには小児精神科医の受診が必要。

心理検査を受けることによって、次のようなアドバイスをもらえます。

心理検査のアドバイスの例
  • 耳で聞いたことを覚えるのは苦手だけど、目で見て覚えるのは得意なので、何か伝えるときには声を掛けるだけでなくてメモを渡すとよい。
  • 注意が続きにくいので、課題に取り組むときは短時間に分けることがおすすめ。
  • 怒りを抑える力が弱いので、アンガーマネジメントのトレーニングが必要。

親が気づきを得る

スクールカウンセラーに相談するときには、できれば子どもと面接をしてもらって、子ども自身が悩みを解決できればと願う方が多いと思いますが、保護者だけで相談に行くことによって得られるものも少なくありません。

保護者が子どもの悩みについてスクールカウンセラーに相談することで、自分の頭の中を整理していくことができ、その過程において「気づき」を得ることができます。

この「気づき」とは、保護者がこれまで子どもとの関係であまり意識せずに行ってきたことに目を向けるということです。

例えば、子どもが家庭内で暴言を使うようになったことに悩んでいる場合、よくよく振り返ってみると母親と父親の間で似たような言葉を使って口論をするようになっていたことが影響していたことに気付くといったことなどがあります。

親の振る舞いや考え方が、子どもの問題行動につながり、それが悩みになるということはよくあることです。

ゆう

しかし、そのことに対して、当事者になっている家族はなかなか気づくことができません。

スクールカウンセラーとの面接を通じて、自分や家族だけでは見えない問題が見えてくるということがあります。

すると、親自身が変化することができ、子どもへの接し方が変わっていき、結果的に子どもを良い方向に変えることができるようにもなります。

学校教諭の協力を得る

スクールカウンセラーは、学校に所属しているため、子どもや保護者との相談内容については学校に報告する義務があります。

その報告について、形式的な報告で終わってしまえば、それで終了になってしまいますが、もしも学校教諭の協力を得るために丁寧に説明して、実際に一緒に協力してその子に働き掛けることになれば、その子や保護者の悩みの解消に大きな一歩になります。

これも学校の考え方やスクールカウンセラーの力量に左右されてしまうところですが、学校教諭とスクールカウンセラーがより頻繁により活発にコミュニケーションを取っているかどうかが大きく影響します。

どんなに心理の専門知識が豊富なスクールカウンセラーであっても、一人ではその子や保護者の悩みを解消することは非常に困難ですし,できたとしても時間が掛かってしまいます。

その子の専門家」である保護者と、「教育の専門家」である学校教諭と、「心理の専門家」であるスクールカウンセラーが協力して、その子の悩みの解決に向けていくために一緒に力を合わせることが、悩みの早期解決に何よりも重要なことです。

おすすめのオンラインカウンセリング

自分のことや家族のことでお悩みの方は、一度オンラインカウンセリングを検討してみてはいかがでしょうか?

他人に相談することに多くの人は抵抗がありますが、私のブログをお読みになっていただいている方は、悩みを解決するために一歩進むことのできる方です。

実際のカウンセリングルームや精神科病院などにいくのは勇気がいりますし、家族の理解も得にくいと思いますので、そうした方には「オンラインカウンセリング」をおすすめしています。

ネットで検索すると様々なオンラインカウンセリングが出てきますが、うららか相談室は、私と同じ公認心理師や臨床心理士といった信頼性の高い心理の資格をお持ちの方が相談に乗ってくれます。

多種多様な相談内容にも対応しているので、一度試してみてはいかがでしょうか。

【URARAKA(ウララカ)】

まとめ

今回は、スクールカウンセラーとの面接を通じて得られる効果について説明しました。

スクールカウンセラーの力量にもよりますが、心理の専門家との面接によって、子どもや保護者の不安や不満などの感情がやわらぎ、ストレスの軽減にもつながることは間違いありませんし、いいスクールカウンセラーであればより速い悩みの解決につながるでしょう!

もしも、スクールカウンセラーに相談するか悩んでいるとしたら、まずは1回試してみてください。

その面接でよい体験ができたと感じれば、相談を続ければよいですし、余り良くなかったなと思えば、他の機関に相談することもよいと思います。

なお、いいスクールカウンセラーの見分け方については、次の記事をご覧ください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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