子どもがいじめの加害者に|親の特徴・対応・謝罪を公認心理師が解説

いじめ加害者の親が取るべき対応のアイキャッチ画像

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我が子がいじめをしていた——その事実を知った瞬間、頭が真っ白になった、という親御さんは少なくありません。

「まさかうちの子が」「どう育てたらこんなことを」「被害者の子に、どう顔を向ければいいのか」。怒り、自責、混乱が一度に押し寄せて、どこから手をつければいいのか分からなくなる。それは当然の反応です。

この記事では、子どものいじめ加害が発覚したとき、親がとるべき対応と謝罪の考え方を、公認心理師の立場から整理します。責めるためでも、正解を押しつけるためでもありません。今の状況を一緒に考えるための材料として、読み進めていただければと思います。

私は現在、子ども家庭支援センターで、子どもの問題行動の支援に携わっている公認心理師です。以前の職場では長年、さまざまな問題行動に至った子どもと、その家族に関わってきました。いじめ加害に及んだ子どもの背景も、動揺する親御さんの苦しさも、両方を間近で見てきた立場から書いています。

📖 こんな方に読んでほしい記事です

  • 我が子のいじめ加害が発覚し、動揺と自責で混乱している方
  • 被害者への謝罪を、どう進めればいいか分からない方
  • 「うちの子だけが悪いのか」と、反発の気持ちも抱えている方
  • 子どもがなぜ加害に及んだのか、背景を知りたい方

目次

「まさかうちの子が」 そのショックと自責を、まず受け止めて

安心する女性

我が子がいじめをしていたと知ったとき、多くの親御さんが、怒り・自責・混乱といった感情を一度に経験します。これらはどれも、我が子を大切に思ってきた親だからこそ生まれる感情です。おかしくも、恥ずかしくもありません。

また、事実を知ったとき、「うちの子だけが悪いわけじゃない」「相手にも原因があるのでは」と反発したくなることもあります。あるいは、謝ることにためらいや抵抗を感じる方もいるでしょう。

それは、自分と我が子を守ろうとする、ごく自然な反応です。恥じる必要はありません。ただ、その気持ちのままだと、子どもが自分の行動と向き合う機会を逃してしまうこともあります。まずは親自身が落ち着き、少しずつ現実に向き合っていく。その順番で大丈夫です。

感情が高ぶった状態で怒鳴ったり、強く責めたりすると、子どもは萎縮するか反発するかのどちらかになり、本当のことを話してくれなくなります。まずは、自分自身が少し落ち着ける時間と場所を確保することが、最初の一歩です。

ゆう

まず、あなた自身が落ち着ける時間を作りましょう。

なぜ子どもはいじめ加害に及ぶのか 背景にある心理

「なぜこんなことをしたのか」を理解することは、再発を防ぐためにも欠かせません。いじめ加害は「悪い子だから」起きるわけではありません。多くの場合、子ども自身が何らかの苦しさを抱えており、その表れとして、いじめという行動に出ています。代表的な背景を3つ整理します。

① ストレスや不満のはけ口になっている

勉強、友人関係、部活、家庭内のプレッシャー——さまざまなストレスを抱えた子どもが、自分より立場の弱い相手に、それをぶつけることがあります。外で溜め込んだものを、安全に発散できると感じた相手に向けてしまうのです。

② 自己肯定感の低さが攻撃性として現れている

強そうに振る舞っていても、内側では強い不安や自己否定感を持っている子どもがいます。他者をおとしめることで、相対的に自分の立場を上げようとする心理が働くことがあります。これは意識的な計算というより、自分を守るための無意識の防衛反応であることがほとんどです。

③ 見聞きしてきた関係性のパターンを繰り返している

子どもは、身近な大人の関わり方を無意識に学びます。誰かが力で物事を解決する場面を繰り返し目にしていると、それが「人との関わり方」として身についてしまうことがあります。これを心理学では「モデリング」と言います。

また、周囲がやっているから自分もやった、という集団心理が働いているケースも少なくありません。加害の主犯ではなく、同調した一人だった、というパターンです。

📝 架空の事例(一般化した例として)

これはあくまで一般化した事例ですが、中学1年のBくんは、成績優秀で家では「良い子」でした。ところが、クラスの友人への継続的な嫌がらせが発覚しました。話を聞くと、Bくん自身が上級生から無視される経験をしており、そのストレスを、自分より弱い立場の同級生に向けていたことがわかりました。Bくんは「いじめはいけないとわかっていた」と言いながら泣きました。子どもも苦しんでいる——そのことを、まず知っておいてください。

子どもの感情コントロールや攻撃的な行動の背景については、こちらの記事も参考になります。

ゆう

いじめは「悪い子だから」ではなく、苦しさの表れのことも。

加害に関わった子どもの親に、よく見られる特徴

理解力

ここからお伝えするのは、いじめ加害に関わった子どもの親御さんに、比較的よく見られる関わり方の特徴です。ただ、最初にはっきりお伝えしたいことがあります。

これらは、「いじめの原因」でも「親の欠点」でもありません。どれも、お子さんを大切に思うからこその関わりであり、多くの家庭に見られるものです。責めるためではなく、「気づくと、関わり方を少し調整できる」きっかけとして読んでいただければと思います。

📝 気づきのきっかけになりやすい3つの特徴

  • 子どもを守ろうとしすぎる
  • 厳しさで正そうとする
  • 気持ちを言葉にするのが、家庭の中で少なめ

子どもを守ろうとしすぎる

心配のあまり、トラブルの芽を親が先回りして摘んでしまうことがあります。愛情ゆえの関わりですが、子どもが自分の行動の責任を引き受ける経験が少なくなり、他者への想像力が育ちにくくなる場合があります。

厳しさで正そうとする

「きちんとさせなければ」という思いが強いほど、子どもは家で本音を言いにくくなることがあります。溜め込んだ気持ちの行き場を、外で、弱い立場の相手に向けてしまうこともあります。

気持ちを言葉にするのが、家庭の中で少なめ

忙しさなどから、家庭で感情を言葉にする機会が少ないと、子どもも自分の気持ちの扱い方を学びにくくなります。うまく表現できない感情が、行動として出てしまうことがあります。

もし思い当たることがあっても、どうか自分を責めないでください。気づけたということは、変えていける入口に立っているということです。ここから、少しずつ関わり方を調整していけます。

ゆう

気づけたことが、もう大切な一歩になっています。

「どう向き合えばいいのか」を、一緒に整理してみませんか

子どもへの関わり方に迷ったとき、専門家に話すだけで見えてくることがあります。自宅から、オンラインで相談できます。

加害が発覚したとき 親がとるべき具体的な対応

STEP1 まず子どもの話をしっかり聞く

加害が発覚した直後に、子どもを怒鳴りつけたり激しく責めたりしても、問題の解決にはなりません。感情が高ぶった状態では、子どもは萎縮するか反発するかのどちらかになり、本当のことを話してくれなくなります。

子どもの話を聞くことは、免罪することではありません。背景を理解することで、次の対応が的確になります。

ゆう

怒鳴るより、まず子どもの話を聞くことから始めましょう。

STEP2 学校と連携する

子どもの話を聞いたあとは、速やかに学校に連絡を取ります。「担任に報告する」という姿勢を親が示すことで、子どもにも「これは向き合わなければならない問題だ」という認識が育ちます。

学校とは、事実の確認、被害者側の状況、今後の対応方針などを、感情的にならずに共有していくことが大切です。学校は、加害・被害の双方にとっての解決を目指す立場にあります。

STEP3 謝罪の考え方——断られたとき・応答がないときも含めて

被害者への謝罪は、加害側として果たすべき大切な責任です。ただし、謝罪を受け入れるかどうかは、被害者側が決めることです。急いで直接連絡を取ろうとすると、かえって被害者を傷つけたり、トラブルが拡大したりするリスクがあります。

まずは学校を通じて、被害者側の意向を確認するのが基本です。謝罪が受け入れられないことへの焦りや怒りは当然です。ただ、「謝罪を受け入れてもらうこと」を急ぐより、「子どもが自分のしたことと向き合うこと」を優先する視点が、長い目で見ると子どもの成長につながります。

STEP4 再発を防ぐための継続的な関わり

子どもはすぐに変わるわけではありません。一度向き合ったからといって安心するのではなく、日常の中でこつこつと関わり続けることが大切です。根気強く向き合い続けること、それ自体が、子どもへの大切なメッセージになります。

一人で抱え込まないための相談先

オンラインカウンセリングとは

いじめ加害の問題は、親子だけで解決しようとすると、行き詰まることがあります。第三者の視点を入れることで、状況が整理されることは少なくありません。

📋 主な相談先

  • 学校(担任・スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカー)
  • 市区町村の子ども家庭支援センター・教育相談窓口
  • 各都道府県の精神保健福祉センター
  • 民間・オンラインのカウンセリング

「相談するほどのことでもないかも」と思うことが、かえって状況を長引かせることがあります。子どものためにも、親自身のためにも、早めに動くことをお勧めします。親御さん自身のメンタルケアについては、こちらの記事もご覧ください。

ゆう

一人で抱えず、第三者の視点を入れて大丈夫です。

まとめ

✅ この記事のポイント

  • 動揺・自責・反発は当然の反応。まず親自身が落ち着くことが最初の一歩
  • いじめ加害は「悪い子だから」ではなく、子ども自身の苦しさの表れであることが多い
  • 親の関わりの特徴は「原因」でも「欠点」でもなく、気づきのきっかけ
  • 対応はまず子どもの話を聞き、学校と連携し、謝罪は被害者の意向を尊重して進める
  • 親子だけで抱え込まず、早めに第三者・相談先とつながる

我が子のいじめ加害に向き合おうとしている、その姿勢自体が、すでに大切な一歩です。今すぐすべてを解決しようとしなくて大丈夫です。一つずつ、一緒に整理していきましょう。

ひとりで抱えず、まず話してみませんか

今すぐ解決しなくて大丈夫です。気持ちを整理するだけでも、次の一手が見えてきます。自宅から、オンラインで相談できます。

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ゆう
この記事を書いた人:ゆう
公認心理師(国家資格)
元 少年鑑別所 心理技官(18年)
現職:子ども家庭支援センター
3,000人以上の親子の相談、500件以上の心理検査の経験から、発達障害・不登校・子どもの問題行動でお悩みの保護者へ、「親自身が自分を責めなくていい」視点で記事をお届けしています。

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