ペアトレは家庭でどう活かす?やり方と父親の参加を公認心理師が解説

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ペアレントトレーニング(ペアトレ)を受けてみたけれど、「講座で学んだことを、家でどう活かせばいいんだろう」と感じていませんか。せっかく学んだのに、日々の忙しさの中で、なんとなく元の関わり方に戻ってしまう。そんな声を、よく耳にします。

実は、ペアトレは、家に持ち帰ってからが本番です。この記事では、家庭で活かすための実践ステップと、お父さんの参加、そして保護者どうしで学び合える価値についてお伝えします。私は公認心理師として、つい先日もペアトレのグループを担当したばかりです。その経験から、リアルな声も交えてお話しします。

📖 こんな方に読んでほしい記事です

  • ペアトレを受けたが、家庭での活かし方に迷っている方
  • お父さんにも子育てを理解してもらいたい方
  • お父さんの参加をどう促せばいいか知りたい方
  • ペアトレがどんな場なのか、雰囲気を知りたい方

目次

ペアトレの基本|家庭で活かすための3つの視点

相談に乗ってくれる女性

具体的な実践に入る前に、ペアトレの核となる考え方をおさらいしておきましょう。難しいテクニックというより、子どもを見る視点の転換だと捉えると、ぐっと取り入れやすくなります。

  • 「できたこと」に注目する……できないことより、できていることに目を向ける
  • 指示は具体的に、短く……「ちゃんとして」ではなく「靴を並べてね」と伝える
  • 行動の直後にほめる……時間が経ってからより、その場ですぐ伝える
ゆう

技法より先に、見る視点が変わることが大切です。

ペアトレとは何か、まだくわしく知らない方は、まずこちらの記事から読んでみてください。

家庭でできる実践ステップ|今日からの3ステップ

では、実際に家庭でどう取り入れればいいのでしょうか。むずかしく考えず、次の3ステップから始めてみてください。

  1. 観察する……1日のうち、お子さんが「できていた」場面を一つ見つける
  2. 言葉にする……「靴をそろえられたね」など、その行動をそのまま言葉で伝える
  3. 繰り返す……完璧を目指さず、気づいたときに繰り返す

大きな変化を求める必要はありません。小さな「できた」に気づく回数が増えるだけで、親子のやりとりの空気は少しずつ変わっていきます。

💡 うまくいかない日があって当然です

忙しい日は、つい元の関わり方に戻ってしまうこともあります。それは失敗ではありません。「今日はできなかった」ではなく「明日また一つ見つけよう」で十分です。完璧に実践することより、続けやすいペースを保つことのほうが、ずっと大切です。

お父さんの参加が、家庭を変える

ポイント

ペアトレの効果をより大きくする方法があります。それは、お母さんだけでなく、お父さんにも関わってもらうことです。お父さんの関わり方には、大きく分けて2つのパターンがあります。

① お父さん自身がグループに参加する(いちばん望ましい形)

理想的なのは、お父さん自身が講座に参加することです。実際に、育児休業中のお父さんが参加してくださったグループもありました。母親と同じ場で学ぶことで、「なぜその関わり方がいいのか」を、自分の実感として理解できるのが大きな利点です。

家庭に帰ってから、母親が説明しなくても、お父さん自身が同じ視点を持っている。この状態は、対応の足並みをそろえるうえで、とても心強いものです。もし「お父さんが参加するグループなんて、うちだけ浮くのでは」とためらう方がいたら、安心してください。実際に参加しているお父さんは、決して珍しくありません

② お母さんが学んだことを、お父さんに伝える

とはいえ、多くのお父さんは仕事の都合で、平日開催のグループに参加するのが難しいのが現実です。その場合は、お母さんが学んだ内容を、お父さんに共有するという形でも、十分意味があります。

すべてを詳しく説明する必要はありません。「できたことを、その場ですぐほめると、なんだかいい感じになったよ」というように、一つだけでも共有してみてください。お父さんが「へえ、じゃあ自分もやってみようかな」と思えたら、それで前進です。

ゆう

参加できなくても、伝えるだけで家庭は変わります。

どちらの形であっても、大切なのは「一人で抱え込まない」ということです。①が難しくても、②という選択肢があると知っておくだけで、気持ちが楽になるのではないでしょうか。

夫婦での関わり方に、迷っていませんか

お父さんへの伝え方や、家庭での実践の仕方。公認心理師などの専門家に、オンラインで相談できます。一緒に作戦を考えることもできます。

保護者どうしで学び合える場でもあります

ペアトレのもう一つの価値は、あまり知られていないかもしれません。それは、講義を聞くだけでなく、参加している保護者どうしの意見交換から学べることです。

グループの中では、こんな会話が生まれます。きょうだいがいる家庭ならではの悩み、男の子と女の子での育てやすさの違い、それぞれの家庭の工夫や苦労話。専門家の講義だけでは出てこない、生きた情報がそこにあります。

📝 これはあくまで一般化した事例ですが

あるグループでは、上の子と下の子で対応の仕方に悩んでいたお母さんがいました。他の参加者から「うちも同じで、上の子には言葉で、下の子には絵カードで伝えている」という話を聞き、「その方法、真似してみよう」と持ち帰ったことがありました。専門家の説明より、同じ立場の人の実践談のほうが、すっと心に入ることもあるのです。

「うちだけじゃなかった」と気づけることも、ペアトレの大切な効果の一つです。一人で悩んでいたことが、実は多くの家庭で共通していると知るだけで、心はふっと軽くなります。

ゆう

同じ立場の人の言葉には、特別な力があります。

ペアトレを受けることに迷いや不安がある方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。

家庭での実践や、お父さんへの伝え方について、専門家と一緒に考えたいときには、オンラインのカウンセリングという選択肢もあります。

一人で抱え込まなくて、大丈夫です

家庭での実践がうまくいかないときも、専門家と一緒に振り返っていけます。あなたのペースで、自宅から相談できるのも心強いポイントです。

まとめ

ペアトレを家庭で活かす方法について、ポイントを振り返ります。

  • 核となる視点は「できたことに注目する」「指示は具体的に」「その場ですぐほめる」
  • 実践は「観察する」「言葉にする」「繰り返す」の3ステップで、小さく始めて大丈夫
  • お父さんの参加には、①自身が講座に参加する②お母さんが学びを共有する、の2パターンがある
  • ①が難しくても、②でもじゅうぶん意味がある。実際に①で参加するお父さんも珍しくない
  • ペアトレは講義だけでなく、保護者どうしの意見交換からも学べる場
  • 「うちだけじゃなかった」と気づけることも、大きな効果の一つ

ペアトレは、完璧にこなす技術ではありません。学んだことを、できる範囲で持ち帰り、家族みんなで少しずつ試していく。それでじゅうぶんです。一人で頑張らなくて大丈夫。その歩みの隣に、伴走できる人がいることを、どうか忘れないでくださいね。

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ゆう
この記事を書いた人:ゆう
公認心理師(国家資格)
元 少年鑑別所 心理技官(18年)
現職:子ども家庭支援センター
3,000人以上の親子の相談、500件以上の心理検査の経験から、発達障害・不登校・子どもの問題行動でお悩みの保護者へ、「親自身が自分を責めなくていい」視点で記事をお届けしています。

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