オンラインカウンセリングサービスのサイトを見ると、カウンセラーのプロフィールが詳しく書いてあります。
プロフィールには資格が書かれていることが一般的ですが、いろいろ種類の資格が書いてあるため、どの資格が良いのか非常にわかりにくいです。
そこで、本記事では、オンラインカウンセリングのカウンセラーの資格を一覧にして解説します。
カウンセラーの資格欄には、「心理の国家資格」から「通信講座で取得できる民間資格」までさまざまあるので違いを知っておきましょう1
オンラインカウンセリングのカウンセラーの資格
まずは、オンラインカウンセリングのカウンセラーの資格について説明します。
知らない方も多いと思いますが、実は「カウンセラー」になるための資格というものはありません。
資格を持っていない人でも「カウンセラー」や「心理カウンセラー」を名乗って働くことはできます。
医師なら「医師資格」、看護師なら「看護師資格」がなければ働くことができない決まりとなっています。
しかし、オンラインカウンセリングのカウンセラーのほとんどの方が、自分のプロフィール欄に心理の資格や人の支援に関する資格を書いています。
なぜなら、資格を書いてあった方が、そのカウンセラーの「専門性」や「権威性」が高まって、相談者に選んでもらいやすくなるためです。
しかし、すべての資格が「専門性」や「権威性」を高めるものではありません。
心理に関する国家資格や、大学院を修了して難しい試験を受けなければ取得できない資格がある一方で、通信講座で簡単に取得できる資格もあります。
あなたがカウンセラーのプロフィールを見るときには、その資格がどのようなものか理解することがとても大切です。
オンラインカウンセリングのカウンセラーの資格一覧
オンラインカウンセリングのカウンセラーの資格を一覧にして説明していきます。
先ほど説明したように、カウンセラーのプロフィールの資格欄には、心理系の資格で「専門性」や「権威性」が高いものから、そうでないものまであります。
また、心理系の資格ではないものの、人の支援に関する国家資格をプロフィールに記載している方もいます。
そこで、ここからはカウンセラーの資格を次の3種類に分けていきます。
- 心理系の国家資格
- 心理系の民間資格
- 人の支援に関する国家資格
「心理系の国家資格」と「人の支援に関する国家資格」は、取得することが困難な資格のため、専門性と権威性の高さが保証されます。
一方、「心理系の民間資格」は、資格の種類によって専門性と権威性が大きく異なるため、資格による違いを知っておくことが大切です。
今回の記事で紹介するのは、以下の資格になります。
- 公認心理師
- 臨床心理士
- EAPメンタルヘルスカウンセラー(eMC)
- メンタル心理カウンセラー
- メンタルケア心理士
- 上級心理カウンセラー
- 精神保健福祉士
- 社会福祉士
- キャリアコンサルタント
- 産業カウンセラー
- その他
心理系の国家資格
心理系の国家資格は、一つしかありません。
それは「公認心理師」です。
公認心理師は、心の問題を抱えた人に対して、心理学の知識と技術を用いて援助する専門家です。
公認心理師の資格を持っているということは、それだけで国が公的に心理のプロフェッショナルと認めているという意味になります。
公認心理師資格については、次の記事で詳しく説明しています。
心理系の民間資格
心理系の民間資格は、「心理士」とか「カウンセラー」とか「メンタルヘルス」といった似たような言葉が使われていて、数が多いのが特徴です。
その資格をプロフィールで読んだだけでは、どの資格がどれだけ専門性や権威性が高いのかわかりにくいのが難点です。
そこで、オンラインカウンセリングのカウンセラーがプロフィールに書くことの多い心理系の民間資格について説明していきます。
この記事で取り上げるのは、次の5つです。
- 臨床心理士
- EAPメンタルヘルスカウンセラー(eMC)
- メンタル心理カウンセラー
- メンタルケア心理士
- 上級心理カウンセラー
臨床心理士
臨床心理士は、臨床心理学にもとづく知識や技術を用いて、人間のこころの問題にアプローチする心の専門家です。
臨床心理士資格を取得するまでの過程で、大学や大学院などで心理カウンセラーになるための勉強や実習をしっかりと受けることになります。
また、臨床心理士は、資格を取得した後も、5年に一度の更新のために研修会や学会などに参加しなければならず、心理の専門性が担保されています。
文部科学省が管轄しているスクールカウンセラーの採用条件を見ても、民間資格では唯一「臨床心理士」が指定されています。
国に認められている資格と言えます。
心理系の民間資格の中で、最も専門性と権威性の高さがある資格です。
臨床心理士資格については、次の記事で詳しく説明しています。
EAPメンタルヘルスカウンセラー(eMC)
EAPメンタルヘルスカウンセラーとは、EAP(従業員支援プログラム)とメンタルヘルス分野における総合カウンセラー資格を指します。
EAPメンタルヘルスカウンセラーは、EAP・メンタルヘルス分野における専門知識と実践力をもつ専門家です。
企業をはじめ医療機関、行政・自治体、地域・教育機関など、幅広いフィールドで活躍することが期待されています。
具体的には、企業や会社の従業員のメンタルヘルスのケアを担当し、休業した従業員の職場復帰などの支援を行いますうこともあります。
企業に所属する心理士は、この資格を有している人が少なくありません。
また、資格を維持するためには5年に一度資格を更新することも求められています。
つまり、民間資格の中で、一定の専門性と権威性がある資格と言えます。
メンタル心理カウンセラー
メンタル心理カウンセラーは、通信講座で基礎から学んで、約2か月で資格を取ることのできる心理系の資格です。
カウンセラーを名乗って仕事をするためには資格を持つ必要は必ずしもありませんが、何か肩書きがほしいときに、こうした簡単に取れる資格をプロフィールに記載することがあります。
この資格があることは、心理学の基礎を学んだという証明にしかならず、専門性や権威性は期待できません。
上級心理カウンセラー
上級心理カウンセラーは、メンタル心理カウンセラーの上級資格です。
この資格も約2か月で資格を取ることが可能です。
通信講座で心理学の応用を学ぶことになるため、メンタル心理カウンセラーよりは取得が困難ですが、あくまでも講座を受けて試験を合格すれば受かる資格です。
心理実習を受けることなく資格を取得できてしまうため、専門性や権威性は決して高いとまでは言えません。
認定心理士
認定心理士とは、公益社団法人日本心理学会によって、大学で心理学に関する標準的な基礎知識や技術を習得していることを認定される民間資格です。
試験は必要なく、大学の単位を提出することで取得が可能です。
実務の資格ではないため、この資格を持っている人の専門性や権威性を示すものではありません。
大学で心理学をきちんと学んだという意味しかありません。
人の支援に関する国家資格
人の支援に関する国家資格について説明していきます。
オンラインカウンセリングのカウンセラーのプロフィールに記載されることの多い、次の4つの資格とその他についてそれぞれ見ていきます。
- 精神保健福祉士
- 社会福祉士
- キャリアコンサルタント
- 産業カウンセラー
- その他
いずれも心理の資格ではありませんが、「国家資格」であり専門性と権威性の高さは保証されています。
精神保健福祉士
精神保健福祉士は、精神的な問題を抱える人(精神障害者)の社会復帰を支援する専門家です。
オンラインカウンセリングのカウンセラーには、精神保健福祉士資格をプロフィールに書いている方が割と多くいます。
精神保健福祉士は、病院などで精神的な問題を抱える人に直接面接をしてこころの支援をしたり、その家族の相談に応じたりした経験を持っています。
あなたがうつ病や適応障害、双極性障害(気分障害)などの悩みを抱えているのであれば、的確なアドバイスをしてくれます。
ただし、主治医がいる場合には、その許可がなければカウンセリングを受けることはできないため注意しましょう。
精神保健福祉士資格については、次の記事で詳しく説明しています。
社会福祉士
社会福祉士は、福祉の相談援助に関する高度な専門知識・技術があり、福祉や医療の相談援助を行う専門家です。
児童相談所、高齢者施設や障がい者施設で勤務することが多く、福祉制度や福祉施設の利用についての知識も豊富です。
あなたの悩みが自分や家族の福祉に関するものであれば、社会福祉士のカウンセラーに相談することが悩みの解決につながります。
社会福祉士資格については、次の記事で詳しく説明しています。
キャリアコンサルタント
キャリアコンサルタントは、労働者の職業の選択、職業生活設計、職業能力の開発及び向上に関する相談に応じて、助言や指導を行う専門家です。
企業や大学などでの活躍の経験のあるカウンセラーが多く、就職や転職などに悩む方に対して、効果的な自己分析の方法やエントリーシートの作成指導、面接の指導などをしてくれます。
今の職場に不満があり、転職などを考えている方にとっては心強い存在です。
産業カウンセラー
産業カウンセラーは、仕事をする人の上質な職業人生の実現を支援し、産業社会の発展のために働く専門家です。
日本では非正規雇用の拡大など働くことや生きることの困難さが増しています。
カウンセリングの中心である「傾聴」のスキルを用いて、あなたの仕事の悩みについて相談に乗ってくれます。
キャリアコンサルタントは、明確なアドバイスで方向性を示してくれます。一方、産業カウンセラーは、カウンセリングを通じて仕事に対する悩みや不安を解消してくれます。
その他
オンラインカウンセリングのカウンセラーは、他にも人を支援するための資格を有している方がいます。
種類がたくさんあるので、ここでは名称だけ紹介します。
- 医師、精神科医、産業医
- 看護師、助産師
- 保育士、保健師
- 養護教諭、小学校教諭、幼稚園教諭
- 管理栄養士
- 作業療法士
- 理学療法士
- 介護福祉士
- 言語聴覚士
カウンセラーの選び方
オンラインカウンセリングでカウンセラーを選ぶときには、今回紹介した資格のほかにも確認した方がいいポイントがあります。
プロフィールを見るときには、次の3点を確認しましょう。
- 資格
- 専門分野
- 経歴
カウンセラーの選び方やプロフィールの読み方については、次の記事で詳しく説明しています。
まとめ
今回は、オンラインカウンセリングのカウンセラーの資格を一覧にして説明しました。
オンラインカウンセリングのカウンセラーの資格を一覧にすると次のようになります。
- 公認心理師
- 臨床心理士
- EAPメンタルヘルスカウンセラー(eMC)
- メンタル心理カウンセラー
- メンタルケア心理士
- 上級心理カウンセラー
- 精神保健福祉士
- 社会福祉士
- キャリアコンサルタント
- 産業カウンセラー
- その他
実際のオンラインカウンセリングに所属するカウンセラーについて解説した記事がありますので、参考にしてください。
ご相談や質問がある場合には、こちらまでどうぞ!
最後までお読みいただきありがとうございました。
コメント
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[…] オンラインカウンセリングのカウンセラーの資格一覧 2023年10月17日 … […]