現代社会で生活する人は、自分自身に対する悩み、夫婦関係や子育ての悩み、仕事や学校の悩みなど、誰であってもさまざまな悩みを抱えています。
身近に相談できる人や助けてくれる人がいれば良いのですが、核家族化が進み、地域社会の関係が希薄化しつつある中、そうした頼れる人が身近にいない人も増えています。
一人で悩みを抱えて放っておくと悩みは大きくなりやすいので、一人で解決ができないと感じる段階になったら、できるだけ早く頼れる人からのアドバイスを受けることが大切です。
でも、病院や専門機関に相談に行くことは大げさな気がするし、家族の同意も得にくいですよね。
そんな人におすすめなのが、自宅など好きな場所で、心理学の専門家からアドバイスを気軽に受けることのできる「オンラインカウンセリング」です。
本記事では、一人で悩みを抱える人にオンラインカウンセリングを勧めたい理由について分かりやすく解説します。
オンラインカウンセリングを活用することで、一人で抱えているさまざまな悩みをより早く、そしてより適切に解決することができるようになります。
- 一人で悩みを抱えている人にオンラインカウンセリングがおすすめの理由
- オンラインカウンセリングの効果
- オンラインカウンセリングのメリット
特に、子育てや家族の悩みは、そのままにしておくと問題が大きくなりがちなので、できるだけ早くこころの専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。
オンラインカウンセリングとは?
オンラインカウンセリングとは、カウンセリングをオンラインであるビデオ通話や電話やメールなどのデジタルプラットホームをを通じて行うものです。
従来の対面のカウンセリングでは、こころの専門家であるカウンセラーが、様々な悩みを抱えている人と直接会って、その話に耳を傾けたり、アドバイスをしたりします。
カウンセリングを通じて、悩みを抱えている人が自分のことをより深く理解できるようになったり、悩みの原因を見つけたりして、自分自身の悩みや子どもや家族の問題を乗り越えられるようになります。
こうしたカウンセリングは、インターネット技術の進歩に合わせて、ビデオ通信システムなどにより画面越しに顔を見合わせながらできるようになりました。
2021年の新型コロナウイルス感染症の拡大により、ZoomやTeamsといったビデオ通話が一般化したこともあり、オンラインカウンセリングは一気に一般的になりつつあります。
私の働く心理相談室でも、オンラインでカウンセリングを実施することが増えてきました。
オンラインカウンセリングのメリット
はじめに、オンラインカウンセリングのメリットについて解説します。
オンラインカウンセリングは、従来の対面のカウンセリングと比べると、たくさんのメリットがあります。
代表的なメリットとしては、次の8点があります。
- 時間や場所を選ばない
- スケジュールの調整がしやすい
- 来所する時間や交通費を節約できる
- 地方や海外などどこからでもできる
- 移動が困難な障がいのある人も利用しやすい
- 料金が比較的安い
- 相談方法を選べる
- 誰にも知られずに相談できる
時間や場所を選ばない
1つ目は、時間や場所を選ばないことです。
子育てや仕事に忙しい方にとっては、カウンセリングに必要な時間を確保することは難しいでしょう。
多くのカウンセリングルームは、平日や土曜日の日中などにしか対応していないため、相談に行くことのハードルが高いです。
一方、オンラインカウンセリングであれば、自分の好きな時間に、自分の好きな場所で相談することができます。
夜、子どもを寝かしつけた後にリビングで
朝早く起きて、夫も子供も寝ている時間にリビングで
休日、夫が子どもを公園に連れて行っているときに夫婦の部屋で
1点だけ注意してほしいことがあります。
それは、オンラインカウンセリングを受けるときは、近くに誰もいないできるだけ静かな場所で、一人きりになることです。
誰にも邪魔されない環境を用意しましょう。
スケジュールの調整がしやすい
2つ目は、スケジュールの調整がしやすいことです。
オンラインカウンセリングは、スマホがあればいつでもどこでも簡単に予約を取ることができます。
急に別の予定が入ったらキャンセルも簡単に行うことができます。
また、あなたの担当のカウンセラーの予約が空いていれば、カウンセリングを受けたいと思ったときに申し込んで受けることもできます。
担当のカウンセラーが決まっていなくて、「すぐに悩みを聞いてもらえれば誰でもいい」ということであれば、すぐに対応してくれるでしょう。
来所する時間や交通費を節約できる
3つ目は、来所する時間や交通費を節約できることです。
子育てや家族の悩みが大きくて、メンタル的につらい場合、ちょっとした移動も苦痛に感じるかもしれません。
そうしたとき、対面のカウンセリングを受けようとすると、病院やカウンセリングルームに出向かなければなりません。
一方、オンラインカウンセリングであれば、自宅で受けることができるので、移動時間と交通費が掛かりません。
地方や海外などどこからでもできる
4つ目は、地方や海外などどこからでもできることです。
オンラインカウンセリングは、インターネット環境があればいつでもどこでも同じカウンセラーのカウンセリングを受けることが可能です。
この「どこでも」というのは、日本に限らず海外でも可能ということです。
つまり、引越しや海外出張があっても同じカウンセラーに相談を続けられます。
また、休暇中に遠くの実家に帰っている間にも、同じカウンセラーのカウンセリングを受けることができます。
あなたの悩みを理解してくれているカウンセラーに継続的に相談できるというのは大きなメリットです。
移動が困難な障がいのある人も利用しやすい
5つ目は、移動が困難な障がいのある人も利用しやすいことです。
うつの症状が重くて歩くこともつらい方、下肢の障害で移動が難しい方など、自宅から離れることが難し人でも、オンラインカウンセリングならば受けられることができます。
料金が比較的安い
6つ目は、料金が比較的安いことです。
通常のカウンセリングであれば、1回50分で7,000〜10,000円くらい掛かります。
オンラインカウンセリングでは、サイトやカウンセラーによって異なりますが、1回40〜50分で、3,000円〜7,000円くらいです。
カウンセリングは継続することで効果が上がるため、料金が安いというのは大きなメリットになります。
料金相場や無料で受けられるオンラインカウンセリングについては次の記事を参考にしてください。
相談方法を選べる
7つ目は、相談方法を選べることです。
オンラインカウンセリングは、「ビデオ通話」「電話」「メール・メッセージ」の3種類の方法が一般的です。
ビデオ通話カウンセリングは、カウンセラーと顔を見合わせながら話すことができ、対面カウンセリングと同等の効果が期待できます。
電話カウンセリングは、自分の顔を見せたくない人におすすめの方法です。
メール・メッセージカウンセリングは、自分で考えたことを文字にすることで頭の中を整理することができ、カウンセラーからのメールを読むことで、悩みの解決のヒントを得ることができます。
自分に合った方法を選ぶことができます。
誰にも知られずに相談できる
8つ目は、誰にも知られずに相談できることです。
オンラインカウンセリングは、自宅でカウンセラーに相談できるので、近所の人や身近な人に相談しに行く姿を見られる心配がありません。
どこにも出かけないので、家族にも知られずに相談することが可能です。
まとめ(メリット)
オンラインカウンセリングのメリットをまとめると、
時短と節約と秘密性
の3点が浮かび上がってきます。
この記事を読んでいただいているあなたも、忙しくてカウンセリングを受ける時間を作れない、金銭的に余裕がない、カウンセリングを受けていることを周囲に知られたくない、といった気持ちがあるでしょう。
そんなあなたにこそ、オンラインカウンセリングはおすすめです。
オンラインカウンセリングのメリットについては次の記事でも詳しく説明しています。
オンラインカウンセリングで相談できること
オンラインカウンセリングで相談できる内容は、大きく3つに分けられます。
- 自分自身に対する悩み
- 子育てに関する悩み
- 人間関係に関する悩み
子育て中の親の悩みのほとんどを網羅していると思います。
自分自身に対する悩み
1つ目は、自分自身に対する悩みです。
自分を変えたい、ストレスで心も身体もつらい、感情をコントロールできるようになりたい、不安を解消したい、コミュニケーション力をつけたいといった、自分自身に関する悩み全般です。
中には、うつ病や適応障害、発達障害といった精神障害の悩みも含まれます。
カウンセラーは「傾聴」というスキルを身につけています。
カウンセリングでは、あなたのつらい気持ちを解消しながら、あなたの考え方や価値観を少しずつ変えていってくれます。
また、物事の捉え方を修正したり、ストレスに向き合える気持ちを強めてくれたり、生きづらさを解消してくれたりもします。
それにより、あなたは悩みが少なくなっていき、自分に自信を持てるようになり、自分自身を好きになって、今よりも人生を楽しく過ごすことができるようになります。
人間関係に関する悩み
2つ目は、人間関係に関する悩みです。
人の悩みの大部分は人間関係の悩み、コミュニケーションの悩みと言われています。
家庭内の夫婦や子供との関係、職場の上司や同僚との接し方、子どもの幼稚園や学校のパパ友やママ友との付き合いなど、人間関係の悩みはどこにでもあります。
子育てに関する悩み
3つ目は、子育てに関する悩みです。
子育ての悩みは、子どもが何歳になっても尽きません。
子どもの発育の遅さ、子どもの学校トラブル、子どもの発達障害、子どもの友人関係、その友達の親との付き合い、子どもの学校成績、習い事などさまざまです。
最近では、子どものゲームやスマホの依存、いじめや不登校、暴力や万引きといった問題行動などの相談も増えてきています。
まとめ(相談できること)
相談できることをもう少し具体的に見てみると、次のような内容になります。
- 自分を変えたい
- メンタルヘルス
- 感情コントロール
- 漠然とした不安・抑うつ
- 身体や健康
- 将来や仕事のキャリア
- 子育て(妊娠・出産・子育てストレス)
- 子どもの発達障害
- 対人関係(家族、友人、恋愛、職場)
オンラインカウンセリングでは、このような幅広い相談に応じてくれますが、すべてのオンラインカウンセリングサービスで応じてくれるわけではありません。
なぜなら、オンラインカウンセリングサービスに所属するカウンセラーの一人一人に自分の専門分野があり、その専門性に合った内容の相談しか責任を持って対応することができないからです。
内科医が、骨折の治療に対しては専門外であるのと同じです。
だからこそ、初めてオンラインカウンセリングで相談するのであれば、「総合病院」のように、カウンセリングの経験の豊富なカウンセラーを多く抱えている大手のオンラインカウンセリングサービスがおすすめです。
そうしたサービスであれば、個別の相談に対応してくれるカウンセラーに出会いやすいでしょう。
オンラインカウンセリングの利用の手順
オンラインカウンセリングを利用する際の手順を紹介します。
オンラインカウンセリングサービスによって手順は異なるため、ここでは当サイトがおすすめしている日本最大級のオンラインカウンセリングサービス「うららか相談室」での利用の手順について説明します。
「今すぐ相談したい」方の参考になるように作成していますが、後日に予約を設定することももちろん可能です。
今日予約可能なカウンセラーをタップ
まずは、公式ホームページのトップ画面から「【すぐに相談できる】今日予約可能なカウンセラー」をタップします。
カウンセラーを探す
あなたの悩みを解決してくれるカウンセラーを探します。
「カウンセラーを探す」の画面から、自分に合ったカウンセラーを検索します。
なお、うららか相談室で検索できる条件は次の4つです。
- カウンセリング方法(ビデオ/電話/メッセージ/対面)
- 相談内容
- カウンセラーの資格
- こだわり条件
「日時・日付」を設定する(当日予約可)で「今日」の設定のまま、「上記の条件で探す」をタップします。
カウンセラー一覧から選ぶ
ここまでで「今日対応可能なカウンセラー」に絞られました。
この中から、あなたの悩みを解決してくれると思えるカウンセラーを一人選びます。
カウンセラー一覧が表示されるので、その中から一人を選びます。
簡単なプロフィールが書いてあるので、それをよく読んで選びましょう。
もっと詳しくみたい時は、「顔写真」か「もっと見る」をタップします。
今回は、「冨安伸」カウンセラーを選んでみました。
すると、カウンセリング方法を選ぶ画面になるため、「ビデオ/電話相談をする」をタップします。
「今日」の日にちをタップします。
時間帯を選ぶことができる画面になるため、「今すぐ」に近い時間を選んで「申し込み画面へ」に進みます。
最短で20分から30分以内のカウンセリングを受け付けてくれています。
申し込む
最後に申し込みを完了していきます。
カウンセリング方法を選びます。
ビデオ相談なら「Zoom」を使います。
電話相談は、カウンセラーから掛けてきてくれるので、通話料を気にする心配はありません。
カウンセリングの方法別のメリットやデメリットについては、次の記事で詳しく説明しています。
続いて、相談したい回数を選びます。
とにかく「今すぐ」話を聞いてほしいという気持ちであれば、1回を試してみると良いでしょう。
継続的に相談したいのであれば、複数回の相談の方法が料金がお得になります。
うららか相談室の料金については次の記事を参考にしてください。
支払い方法を選びます。
うららか相談室は、支払い方法について「クレジットカード」か「amazon pay」に対応しています。
最後に、申し込むにあたって、会員登録を行います。
登録後、ログインして、「上記の内容で申し込む」で申し込み完了です。
メールが届くので、開始時間になる前にZoomや電話を準備しましょう。
まとめ(相談の手順)
カウンセリングの予約を取る手順について解説してきました。
カウンセリングは1回で終わるものではなく、大抵の場合数か月にわたって相談が続いていくものです。
カウンセリングの頻度やその流れについてまとめた記事があるため参考にしてください。
オンラインカウンセリングの相談方法
オンラインカウンセリングのセッションは、大きく4つの形式が採用されています。
- ビデオ通信カウンセリング
- 電話カウンセリング
- メールカウンセリング
- SNSカウンセリング
それぞれの方法を比較したメリットとデメリットについても解説していきます。
ビデオ通信カウンセリング
1つ目は、ビデオ通信カウンセリングです。
Zoomなどのサービスや各社独自のアプリを用いて、ビデオ通信でカウンセリングを行うものです。
相談者とカウンセラーがお互いの顔を見ながら、対話形式で相談することができます。
- 通常の対面カウンセリングに近い形で対話ができる。
- 相談者がカウンセラーの表情を見ることで安心できる。
- カウンセラーが心理スキルである「受容・傾聴・共感」を用いたカウンセリングを受けられる。
- オンラインの通信状況によって対話にタイムラグが生じることがある。
- 自分で静かで落ち着ける環境を用意する必要がある。
- 自宅で内緒で相談しているときに、突然家族が入ってきてバレる心配はある。
通常のカウンセリングに一番近い方法です。
電話カウンセリング
2つ目は、電話カウンセリングです。
電話を使って会話をすることを通してカウンセリングを行うものです。
オンラインの通信環境を準備できなくても、従来からある電話があれば実施可能なので、誰にでも気軽に実施できる方法です。
- 電話さえあればいつでもどこでもカウンセリングを受けられる。
- 対人不安が強い人でも、カウンセラーの顔を見ずに相談できる。
- 家族に相談場面を見られてもバレにくい。
- 長電話が苦手な人は相談が続きにくい。
- カウンセラーが相談者の表情を見れず、正確な心情把握がしにくい。
- 相談者とカウンセラーの信頼関係を築くのに時間がかかる。
電話での会話の方が気持ちが安心する人もいます。
メールカウンセリング
3つ目は、メールカウンセリングです。
スマホやパソコンのメール機能を用いて、文字だけでカウンセラーとやり取りをするものです。
他者との会話が苦手な人であっても相談ができますし、相談者が時間をかけてメールを書くことで、じっくりと自分の考えを整理して伝えることができます。
- 隙間時間があればいつでもメールを作成して相談できる。
- 時間をかけてじっくりと考えて文章にする人に向いている。
- カウンセラーから送られてきたメールをいつでも見返せる。
- 直接話して相談したい人には向いていない。
- リアルタイムで相談やアドバイスを受けられない。
- 文字だと読み手に誤解や勘違いをさせてしまうことがある。
文章を書くのが好きな人にはおすすめです。
メールカウンセリングについては、次の記事で詳しく説明しています。
SNSカウンセリング
4つ目は、SNSカウンセリングです。
LINEなどのSNSを用いてチャット形式で文字ベースに相談をするものです。
ビデオ通信や電話のようにリアルタイムで会話に近いように言葉をやりとりすることができます。
- リアルタイムで文字による相談が可能。
- 対人不安が強い人でも、カウンセラーの顔を見ずに相談できる。
- カウンセラーとのチャットのやり取りをいつでも見返せる。
- タイピングが苦手な人だとスムーズに相談できない。
- 文字だと読み手に誤解や勘違いをさせてしまうことがある。
- 文字でポンポンとやり取りをするため言葉選びが難しく感じる。
若い子向けの相談窓口で採用されることが多いです。
SNSカウンセリングについては、次の記事で詳しく説明しています。
まとめ(相談方法)
オンラインカウンセリングの相談方法について解説しました。
もう少し詳しく知りたい方は次の記事をご覧ください。
カウンセラーの選び方
オンラインカウンセリングサービスには、多数のカウンセラーが登録されていて、その中から一人を選ぶのはなかなか苦労すると思います。
ここでは、あなたが悩みを相談したいカウンセラーを見つけるときに大切なポイントを、次の3つに絞って詳しく説明します。
- 心理系の資格
- 得意とする専門分野
- 過去の経歴
これらのポイントを押さえれば、あなたは自分の悩みを解決してくれるカウンセラーに出会えます。
心理系の資格
心理学に関する資格はいろんな種類があり、一見するとどれも極めて専門的な資格を持っているように見えてしまいます。
心理学に関する資格の中でも、臨床心理士と公認心理師は特別です。
- 臨床心理士:心理学に関する民間資格の中でも最も権威のある資格の一つ。心理系の大学院を修了し、難関試験を受けなければ取得ができない。
- 公認心理師:心理学に関する唯一の国家資格。この資格があれば、心理学に関する知識や経験が一定程度備わっていると証明できる。
オンラインカウンセリングサイトでカウンセラーを選ぶときには、まずこの資格のどちらかを有しているかどうかを確認しましょう。
「両方の資格を持っている方がいい。」とか「国家資格の公認心理師の方がいい」といったことはありません。
資格は、あくまでもカウンセラーを見極めるための最初の項目に過ぎません。
臨床心理士や公認心理師の資格を有しているカウンセラーの中から、次の専門分野や経歴を見ていくことが大切です。
もちろん、相談の内容によっては「精神保健福祉士」や「社会福祉士」資格の方に相談するのもありです。
得意とする専門分野
あなたが、カウンセラーを選ぶときの決め手となるのは、そのカウンセラーがあなたの悩みの相談に対応できる力があるかどうかです。
カウンセラーの「専門分野」とあなたの悩みが合致しているかどうかがポイントになります。
例えば、あなたが子育ての悩みがある場合、赤ちゃんの育児の悩みなのか、小学生の発達障害の悩みなのか、夫婦の養育方針が合わないことの悩みなのかで、対応は大きく異なります。
経験豊富なカウンセラーであれば、広い範囲に対応できるだけの力がありますが、そうでない場合には適切な対応が期待しにくいです。
カウンセラー自身がコメントで専門分野について書いているサイトも多いので、その人の専門分野やこれまでの経験などをよく読み、自分の相談にピッタリかどうか調べてみると良いでしょう。
例として2つの関連記事を載せておきます。
過去の経歴
経歴を見れば、その人がどんな悩みに向き合ってきて、相談に乗ってきたのかがわかります。
過去にどういった職場で働いてきたのかということも参考になります。
子育ての悩みであれば、例えば児童相談所、児童精神科、発達障害支援センターなどの勤務経験があれば、それだけで専門的なアドバイスを期待できます。
スクールカウンセラーの経験があれば、学校に通う子どもの悩みに対応してくれるでしょう。
また、経歴には、その人の得意な心理療法や心理技法なども書いていることがあります。
その人がこれまで心理に関する学びを深めてきた、経験を重ねてきたことを意味するので大切なポイントの一つです。
まとめ(カウンセラーの選び方)
オンラインカウンセリングでカウンセラーを選ぶポイントについて解説しました。
もう少し詳しく知りたい方は次の記事をご覧ください。
オンラインカウンセリングの効果
オンラインカウンセリングの効果について説明する前に、まずは通常である対面のカウンセリングの効果について説明します。
カウンセリングを受けることで、次の5点の効果を得ることができます。
- カウンセラーに受容してもらうことで安心感を得られる
- 自己理解を深められる
- 直面している問題を整理できる
- 客観的な視点を持てる
- 行動を起こす自信がつく
こうしたカウンセリングで得られる効果は、オンラインカウンセリングでも同等であるという研究があります(SNSカウンセリングハンドブック)。
つまり、無理してカウンセリングルームに行かなくても、オンラインカウンセリングを受けても良いのです。
また、オンラインカウンセリングならではの効果もあります。
例えば、大手オンラインカウンセリングサービスの一つである「うららか相談室」では、次の7点を挙げています。
- 小さな悩みやモヤモヤでも気軽に相談できるので、早めの対処が可能。状態の深刻化を防ぐことができる。
- 誰にも言えないような日々の些細な愚痴でも安心して話すことができるため、ストレスを溜めずに心の健康を維持しやすくなる。
- 相談者が一番話しやすく落ち着ける場所で受けることができるので、弱い部分も正直に話せる。
- カウンセラーが目の前にいないからこそ緊張しないで話すことができたり、離れたところで助けや支えを求めることができる。
- 引っ越しや転勤があっても、同じカウンセラーと面接を継続することが可能。長期にわたってじっくり自分を見つめたい、変わりたいという方や、心のメンテナンスとして定期的に受けたい方でも安心して受けられる。
- 初めはメッセージカウンセリングを試してみて、その後、ビデオカウンセリングや電話カウンセリング、対面カウンセリングを受けたりするなど、相談内容によって、そのときの自分に合ったスタイルやカウンセラーを選べる。
- 対面カウンセリングを受けた後、フォローアップとして継続的にオンラインカウンセリングを利用することで効果が上がる。
詳しく知りたい方は「うららか相談室のコラム」をお読みください。
それぞれに沿って説明していきます。
小さな悩みでも気軽に相談でき、早めの対処が可能である
1つ目は、早めの対処が可能であることです。
オンラインカウンセリングの良いところは、自宅で好きな時間に気軽に受ける点です。
この「気軽さ」があるため、ちょっとした悩みであっても相談しやすいことが挙げられます。
子育てや家族の悩みは、そのままにしておくと解決できないくらい問題が大きくなってしまいます。
そうなる前に、早めに気軽に相談できるのがオンラインカウンセリングの良さです。
できるだけ早く相談すると、悩みが大きくなる前に解決できます。
誰にも言えないちょっとしたことも安心して相談でき、ストレスを解消できる
2つ目は、ちょっとしたことも相談でき、ストレス解消の効果があるということです。
あなたが抱えている悩みは家族や身近な人には相談しにくい内容かもしれません。
そうした悩みを第三者であるカウンセラーに話して、それを受け止めてもらえるという体験は、あなたのストレス解消になります。
ただ、カウンセリングルームに出向いてまで話すことではないと、ためらってしまう人もいるでしょう。
そうしたとき、オンラインカウンセリングのカウンセラーに話を聞いてもらうことができます。
カウンセラーはこころの専門家なので、どんな悩みであっても傾聴して気持ちを受け止めてくれます。
オンラインカウンセリングのカウンセラーは、ちょっとした愚痴や悩みに対しても傾聴して、適切なアドバイスをしてくれるでしょう。
相談者にとって一番話しやすい場所で受けられるので、本音を素直に話せる
3つ目は、本音を素直に話しやすいことです。
あなたは自分の好きな場所を選んで、そこからオンラインカウンセリングを受けることができます。
自分にとって居心地の良い場所であれば、気持ちも安心しますし、初回からリラックスした気分でカウンセリングを受けやすくなります。
すると、カウンセラーと初めて話すときであっても、本音を出しやすくなり、カウンセリングの効果が上がりやすくなります。
家族や他の人に邪魔されない場所・時間を選びましょう。
また、こころの問題やからだの問題から、外出することができないような人であってもオンラインカウンセリングであればカウンセラーに相談することができます。
カウンセラーと対面しないので緊張せずに助けや支えを求められる
4つ目は、カウンセラーと対面しないので緊張しにくいことです。
一人で悩みを抱えている人の多くは、他の人に悩みを相談したり助けを求めたりすることが苦手です。
他の人と直接顔を合わせて自分の気持ちを話すことに不安や緊張を抱きやすい人も少なくないでしょう。
オンラインカウンセリングは、ビデオ通信で画面越しにカウンセラーと面接をすることができます。
直接顔を合わせなくて良いので、通常の対面のカウンセリングに比べると緊張しにくく、素直に悩みや助けを求めやすくなるという効果があります。
電話やメールによる方法もあるため、あなたにとってより緊張しにくい方法を選ぶこともできます。
引っ越しや転勤があっても、同じカウンセラーと面接を継続することが可能である
5つ目は、同じカウンセラーと面接を続けられることです。
通常のカウンセリングであれば、カウンセリングルームに出向く必要があるため、あなたがそこに通えない距離に引っ越してしまうと、そのカウンセラーとの面接は中止となってしまいます。
一方で、オンラインカウンセリングは時間や場所を選ばないため、あなたが引越しや転勤をしたとしても同じカウンセラーと面接を続けることが可能です。
長期の帰省中にオンラインカウンセリングを受けることもできてしまいます。
海外転勤や長期の海外旅行中であっても、もちろん可能です。
相談内容によって、そのときの自分に合った方法やカウンセラーを選べる
6つ目は、自分に合ったカウンセリングのスタイルやカウンセラーを選べることです。
カウンセリングといえば、対面で行うものが一般的で、他の方法はありません。
一方、オンラインカウンセリングでは、「ビデオ通信カウンセリング」「電話カウンセリング」「メール・メッセージカウンセリング」などの方法があります。
ビデオ通信カウンセリングは、通常の対面カウンセリングに近い効果を得ることができます。
電話カウンセリングは、カウンセラーに顔を見せたくない人にとって安心できる方法です。
メール・メッセージカウンセリングは、自分の頭の中を文字にする過程を通じて頭の中を整理することができたり、カウンセラーからのメールを何度も読み直すことで悩みを解決するヒントを得たりすることができます。
オンラインカウンセリング各社によって対応してくれる方法が異なるので、事前に調べておくことをおすすめします。
オンラインカウンセリングを継続することで効果が上がる
7つ目は、オンラインカウンセリングを継続することで効果が上がることです。
カウンセリングは1回で終えることもありますが、多くの場合が複数回にわたって行っていくものです。
カウンセリングのセッションを繰り返すことで、自分の悩みに向き合えるようになりますし、今後の悩みに立ち向かう力も育っていきます。
オンラインカウンセリングは、対面カウンセリングに比べると1回あたりの料金が低めに設定されていますし、オンライン環境さえあれば自宅でも利用でいるので、交通費などの他の費用も掛かりません。
カウンセリングを中断してしまう原因の一つに費用の問題があるため、オンラインカウンセリングであれば、自分の納得することのできるまで、継続して利用しやすい点が挙げられます。
オンラインカウンセリングサイトによっては、お得な料金設定があります。
これらの効果を得るためには、きちんとした心理のトレーニングを受けたカウンセラーによるオンラインカウンセリングを受けることが条件になります。
まとめ(効果)
オンラインカウンセリングの効果については、次の記事で詳しく解説しています。
オンラインカウンセリングの注意点
オンラインカウンセリングにはたくさんのメリットがありますが、一方でいくつか注意点もあります。
代表的な注意点として、次の3点が挙げられます。
- 通信環境の整備が必要
- 心理検査を受検できない
- 信頼関係の構築に時間が掛かる
- 沈黙の意味が分かりづらい
- 緊急場面の介入はできない
- 治療中の方は利用できない可能性大
- 個人情報の安全性
通信環境の整備が必要
オンラインカウンセリングは、ビデオカウンセリング、電話カウンセリング、メールカウンセリングなどの方法があります。
いずれの場合も、通信機器を準備する必要があります。
お互いの顔が見えるビデオカウンセリングを実施するためには、スマホやパソコン、Wi-Fiなどの通信環境を準備する必要があります。
通信環境については、ただつながればいいというわけでもなく、通信速度が安定していないと、会話が遅くなったり途切れたりして、うまくコミュニケーションを取ることができにくくなってしまいます。
せっかくのカウンセリングが、台無しになってしまうのは避けたいところです。
特に、マンションやアパートなどの集合住宅にお住まいの方は、通信回線が混雑している時間帯を避けるなどの工夫が必要です。
心理検査を受検できない
オンラインカウンセリングでは、会話を通じたカウンセリングはできますが、知能検査や性格検査などといった心理検査を受けることができません。
通常の対面カウンセリングであれば、あなたの悩みの解決や治療方針を立てるために、面接のほか、知能検査や性格検査などの心理検査を行うことが一般的です。
なぜなら、心理検査などの客観的な情報があると、あなたのことをより正確に理解しやすくなるからです。
面接や心理検査で相談者を理解して問題を見つけることを「アセスメント」と言います。
オンラインカウンセリングでは、そうした心理検査を実施することができにくく、心理アセスメントが不十分なまま、あなたの悩みのアドバイスや治療を行うことになります。
治療の方向が合っていれば問題ないのですが、そうでない場合、いくら面接を重ねてもなかなか改善しないということが生じるおそれがあります。
対面カウンセリングでは、腕の良いカウンセラーほど、得意な心理検査があり、それを使って心理アセスメントを行います。
信頼関係の構築に時間が掛かる
カウンセラーは、面接で相談者と信頼性を築くための訓練を積んでいます。
あなたがカウンセラーに話を聴いてもらうと、「ちゃんと自分の話を聴いてくれる」「自分のことを分かってくれる」と安心感を得ることができます。
しかし、オンラインカウンセリングでは、画面越しでしか話すことができないため、自分の気持ちを素直に表現することに抵抗する人もいるかもしれません。
そのため、カウンセラーと信頼関係を築くことに時間が掛かりやすいといった心配があります。
カウンセラーを信頼できなければ、あなたは自分の本当の気持ちを口に出すことをためらってしまうでしょう。
オンラインカウンセリングをやってみて、直接会って話を聴いてもらいたいと思ったら、対面カウンセリングに変更することも検討すると良いかもしれません。
沈黙の意味が分かりづらい
オンラインカウンセリングでは、画面越しのやり取りになるため、沈黙の意味が分かりづらいという点があります。
沈黙は、いくつか意味があり、代表的な意味としては「話したいくない」「答え方に迷っている」「じっくり考えている」などが考えられます。
対面カウンセリングであれば、カウンセラーは、クライアントの態度や雰囲気をその場で感じながら沈黙の意味を感じ取って、面接を進めていくことになります。
しかし、オンラインカウンセリングだと、言葉以外のニュアンスを感じ取ることが難しく、面接の展開がうまくいかないことがあります。
また、オンラインカウンセリングならではの問題として、沈黙しているだけだと思ったら、通信トラブルの影響による画面のフリーズが生じていたといったこともあります。
オンラインカウンセリングでは、あなたの沈黙が続くようなときには、可能であれば、今あなたが話したくないのか、ただ考え中なのかなど、カウンセラーに伝えると良いでしょう。
緊急場面の介入はできない
オンラインカウンセリングでは、自傷他害と呼ばれる緊急的な行為に対応できません。
例えば、あなたの気持ちが沈んでいて、自分を傷つけたい気持ちになっているとか、子どもへのイライラが爆発して今にでも手が出てしまいそうといった場面です。
そうしたときには、オンラインカウンセリングで相談をするのではなく、警察や救急などの緊急対応してくれる機関に助けを求めましょう。
また、あなた自身のメンタルがかなり落ち込んでいて不安定だという自覚があるのであれば、精神科医による診察や投薬治療を優先してください。
治療中の方は利用できない可能性大
現在、精神科病院やメンタルクリニック、心療内科などの医療機関に通院している人は注意が必要です。
主治医がいる場合は、カウンセラーは主治医の治療方針などの指示を受けることになっています。
公認心理師は、その業務を行うに当たって心理に関する支援を要する者に当該支援に係る主治の医師があるときは、その指示を受けなければならない。
公認心理師法第42条第2項
あなたが医療機関に通院中であるならば、まずは主治医にカウンセリングを受けることについて相談してください。
オンラインカウンセリングのサイトによっては、治療中である場合にはカウンセリングを受けられないところもあります。
個人情報の安全性
オンラインカウンセリングでは、インターネット通信を介してカウンセリングを行うため、セキュリティに関する問題が指摘されています。
カウンセリングでは、極めて個人的な内容の話をすることになるため、個人情報の保護は徹底しなければなりません。
オンラインカウンセリング各社において、個人情報保護の安全性のための対策をとっています。
サイトの一番下の方の「利用規約」に書いてあるので、念のため読んでおきましょう。
あなたがオンラインカウンセリングを受ける場合には、個人情報の保護の観点から、次の3点に注意をしましょう。
- オンラインカウンセリングを受けるときには、誰もいない静かな場所を確保する
- フリーWi-Fiの使用は避ける
- ウイルス対策をしたパソコンやスマホを使う
あなたがこうした点をしっかり守れば、個人情報を流出するリスクは相当に減らせます。
個人情報の保護については、次の記事で詳しく説明しています。
まとめ(注意点)
オンラインカウンセリングの注意点については、次の記事で詳しく説明しています。
オンラインカウンセリングが必要な人
あなただけでは解決できないような問題や悩みを一人で抱えている人は、ぜひオンラインカウンセリングを受けてほしいです。
あなたは、次のように思ったり考えたりしたことがありませんか?
- 子育ての悩みを抱えていて、専門家のアドバイスがほしい
- 病院に行くほどではないが専門家に相談してみたい
- 自分に自信がなく、今の自分を変えたいと思っている
- 生活している中で不満を感じることが多く人生を楽しめないと感じている
- 家族や恋人、友人には話せない悩みがある
- 家族にカウンセリングを勧められている
一つでも当てはまった人は、まずはオンラインカウンセリングのサイトを見てみるといいでしょう。
いろいろなオンラインカウンセリングのカウンセラーが、さまざまな悩みの相談に対応してくれています。
ただし、どんな悩みでも聞いてくれて、解決してくれるわけではありません。
例えば、お金や人間関係などの法律で解決するようなトラブル、仕事の紹介などはオンラインカウンセリングでは対応していません。
また、「まさに今、目の前で家族が暴れているので止めてほしい」、「自分が死にたい気持ちが高まっている」といった緊急的な場合にもオンラインカウンセリングは不向きです。
そうした場合には、すぐに来てくれて、何らかの対応をしてくれる警察や児童相談所、その他サービスに連絡しましょう。
カウンセリングの活用方法については、次の記事を参考にしてください。
子育て中の方にオンラインカウンセリングがお勧めな理由
最後に、子育て中の方にこそ、オンラインカウンセリングがおすすめな理由を説明します。
最近の子育て家庭は、共働き夫婦の割合が増えてきています。
夫婦が協力して育児や家事を分担できていれば良いですが、現在の日本ではまだまだ妻の方に負担が増えがちです。
妻は、仕事と家事に追われながら、子どもの世話やしつけも任されることが少なくありません。
子どもは成長とともにさまざまな課題にぶつかり、その度に親も悩み、苦しみ、困惑し、どうしていいかわからなくなるときが必ずあります。
気軽に子育てのことを相談できる人が身近にいればよいのですが、そうした人がいない方も少なくないでしょう。
一番の理解者・相談に乗ってくれるはずの人である夫に相談しても、育児にあまり携わってくれない人だと、子どもの気持ちもあなたの気持ちも理解してくれません。
そのため、子どもが親に反発したり、学校に行かなくなったり、友達とケンカしたりするなど、子育てに困ることが生じると、夫は子どもや妻にイライラして叱ったり、どうしていいかわからず見て見ぬふりをするようになります。
こうした過程で一人で悩んでいるあなたにこそ、できるだけ早く、こころの専門家から子育てや家族のアドバイスを受けてほしい。
私は、あなたの子育ての悩みにオンラインカウンセリングをおすすめしています。
子育ての悩みを相談したい方は、次の記事を参考にしてください。
まとめ
今回は、一人で悩みを抱える人にオンラインカウンセリングを勧めたい理由について説明しました。
自分自身や子育てや家族関係について悩み、身近に相談できる人がいない場合には、一人で抱えずに、気軽にオンラインカウンセリングを活用してください。
オンラインカウンセリングは、時間や場所を選ばず、誰にも気づかれることなく、お金も割安で、こころの専門家から適切な助言を受けることができます。
今まさに悩んでいるあなた!
まずはオンラインカウンセリングのサイトを開いて、自分の悩みの相談に乗ってくれるカウンセラーを探すところから始めてみましょう。
あなたが早く相談することが、悩みの早期解決につながります!
ご相談や質問がある場合には、こちらまでどうぞ!
最後までお読みいただきありがとうございました。